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フィレンツェとルルド

2006-11-22 03:44:55

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この秋はあまりの忙しさに心が騒がしく、(忙しいとは心が滅びると書くとよく言いますものね。)少し仕事から離れれば落ち着くかと、中高時代の友人たちに誘われたのをいいことに、ヨーロッパに行ってきました。主人が元気だったころは主人ともよく一緒に出かけたものでしたが、久しぶりの海外旅行です。

友人4人とその中の一人の母上との合計6人の旅です。このお母様は、非常にお元気で私たちが旅行するときにはほとんどご一緒なさいます。旅の途中で88歳の米寿を迎えられ皆でお祝いをしました。日本の観光地と海外の観光地についての、バリアフリーの観点から私見ですが、感想を書かせていただきます。
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88歳のYさん(写真左)は飛行機だけは楽に行きたいとビジネスクラス、私たちは格安航空券なので、後部座席のシート指定もままならないところ。12時間窮屈な思いはやっぱりしんどいですね。Yさんみたいに余裕があれば良いけど、ビジネスに乗るくらいなら後二回は旅行できると思うと考えてしまいます。私たちのようにツアーに乗らない個人旅行は、せめて、航空会社の超早割りにでもすればもう少し、シート選択の自由があったかもというのがまず最初の反省でした。それには早くから計画せねばなりません。若いときのように思い立ったらというのではなく、年をとってからの計画はたっぷりと時間をかけること!という反省です。

出発二日前まで、仕事で大童でしたのでフィレンツェでどうするかは他の5人が主導権を握って決めていました。みんなフィレンツェは二度三度行っているので、市内は自由行動にして日帰りでボローニャとピサ・プッチーニの生家のあるルッカに行くことになりました。ホテルも友人たちの趣味で大型ホテルを避けてクラシックなこじんまりとしたところをインターネットで取りました。まあ、雰囲気重視でしたからどうしても機能的には劣ります。エレベーターに乗るにしても部屋の中でさえも階段だらけです。ボーイさんもあまりいませんからトランクを運んでもらうのも時間がかかります。バリアフリーには程遠いです。

フィレンツェとその近郊

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フィレンツェの町は昔のまま石畳の道なので、でこぼこしてハイヒールのお嬢さんは大変でしょうね。私は出発二週間前に捻挫をしていたのでかなり足に響きました。88歳のYさんは足腰もお丈夫ですが、美しい教会の尖塔に見とれているうちにつまずいて転び、目の脇にうちみを作られました。骨がどうもなくてみんなほっとしました。日ごろヨガで鍛えておられるのでこの程度で済んだのかもしれません。



歴史的建造物の保全とバリアフリーは相容れにくいのでしょうね。日本のように街の中には点字ブロックも見当たりません。そういえば視覚障害者も車椅子の人も町でまったく出会いませんでした。観光地であるにしても生活の場も歩いてみましたが、本当に会いませんでした。私は今まで、日本の観光地があまりにもバリアフリー化が出来てないと義憤を感じていましたが、これはとんでもない間違いだったかもと思うようになりました。少なくとも、フィレンツェ、ボローニア、ピサ、ルッカのバリアフリー化はまったくといってよいほど見られませんでした。

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移動に特急列車も利用しましたが、びっくりするほどホームから列車へのステップが高くて車椅子の人はどうするのかと疑問でした。

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駅の階段も古い石作りでエスカレーターなんてありません。

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駅員さんにエレベーターは?ときいても英語は通じない。時間を見つけてインフォメーションへ駆け込んで聞いたら、ホームの奥を指差してあるよといいました。トイレのことは次回にまとめて書きますが、車椅子用トイレなんて探すのは至難の業です。一昔前の日本の観光地のようでした。
 
もしかして、公共の施設に関しては日本のバリアフリーの方が進んでいるのだというのが、私の感想です。認識を新たにし、もう一度各国の状況を調べなおさなければと思います。

ルルド

フィレンツェで4泊した後、友人たちはみんなパリへ行き、私はルルドへの一人旅をしました。ルルドというのは、スペインとの国境のピレネー山脈のふもとにあるカトリックの聖地です。

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約150年前に地元の貧しい粉引き屋の娘ベルナデッタが薪拾いをしていたときにマリア様が現れ、泉が湧き出し、その水が病人を癒す奇跡を引き起こすというので、以来、世界でももっとも有名な聖地巡礼の場のひとつとして数えられています。

パリからTGV(新幹線)で5時間半かかりました。でもフランスの田園風景には心癒され、ルルドに近づくとピレネー山脈の一部まで見え始め、5時間半はあっという間でした。(新大阪から広島へ行く山陽新幹線のようなトンネルはありません。)TGVはさすがにイタリアの特急よりは日本の新幹線に近い機能を持っています。

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ルルドの駅に降り立ったらホームで車椅子のグループに会いました。ここから聖地まではタクシーで20分強。普通のホテルもありますがここでの私の宿はスペイン系修道院。日本で言えばお寺の宿坊のようなものです。本当に簡素です。10月でシーズンが終わって宿泊客も4〜5人。杖をついている人もいました。

ルルドでの足掛け三日は、シーズンから外れていたおかげで実に静かで心休まる日々でした。人間たまには孤独になるのも必要かもしれないと思いました。

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身体を心を癒したいと奇跡を求めて世界中から人が集まるので、それはそれはバリアフリーがよく整っていました。高い丘の上まで、スロープが整えられ、ゆっくりと時間さえかければ、杖をついていても車椅子でも登れます。

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障害者のための休憩所も準備され、もちろん車椅子用トイレもあります。聖地に湧き出る泉の水を味わい、それがピレネー山脈から流れ出る水と合流して川底まで透き通って見える流れとなっているのを眺めて時が経つのを忘れました。

HolyMary2.jpg

パリまでの帰りは飛行機で1時間半、パリ滞在していた友人たちと合流して、帰国しました。今回、パリは通過地点でしたのでバリアフリー状況は見られませんでしたが、四年ほど前に視覚障害の友人について介助ボランティアでフランスとドイツの旅をしたときはあまり不自由を感じなかったので、パリは案外整っているのでしょう。でも、今回は、日本についての認識が変わりました。井の中の蛙は反省しました。 そうそ、88歳のYさんはパリでも、みんなと同じように動いて元気はつらつの姿で再会できました。すばらしいでしょう?!



(徳重 富士子)

この記事のURLコメント(6)トラックバック(0)

http://secondleague.net/user/008/008/cwtb.cgi/291

Posted by fuji at 2006-12-05 01:16:29

Chieko,Matsumuraさま

書き込みを有難うございました。夏から秋にかけてのルルドはとても混んでいると聞いていますので、こんなに空いているときに行けてかえってよかったと思っております。どこでもそうですが、人が多すぎると静かにいろんなことを味わうことも出来ず、「心の洗濯」をしにくいかもしれないと思います。

その意味ではフィレンツェのような観光地化しているところは一年中、人が多くて、バリアを除こうと努力する余裕がないのかもしれませんね。イタリヤは福祉をどのように考えているのか、調べてみようと思います。もしご存知でしたら教えてください。

Posted by Chikako,Matsumura at 2006-12-04 16:18:12

早速お邪魔させて頂きました!フィレンチェではバリアフリーがまだ行き届かないのですね…。不自由な方々はどのようにして生活をされていらっしゃるのでしょうか。考えさせられます。バリアフリーの観点でその国の性格!?もわかるような気がします。やはりルルドの聖地は奇跡を信じて訪れる世界中の人達にとって、なに不自由のない環境であること色々と勉強になります。聖地で忙しい心を癒され良かったですね。

Posted by fuji at 2006-11-29 21:22:13

あかずきんハイジ様
チベット体操って面白そうですね。それにしても人間の身体活動の基本はやっぱり呼吸だってこと、改めて認識します。最近「のんびる」の取材で腹式呼吸による心身の健康法を学びました。近いうちにブログにもアップしたいと思いますが、赤ちゃんが生を受けてこの世に出てきたらまずおなかのそこから「おぎゃ〜っ!」と呼吸するのですものね。
ごめんなさい。話がそれてしまいました。長いスロープのある駅はジュネーブでしたか?私も行ったことあるのですが、記憶にありません。もしかして飛行機だったかしら?という具合に私は誰にも負けないくらい(威張れることではないのですが)ぼけてます!

Posted by あかずきんハイジ at 2006-11-28 22:54:02

チベット体操はヨガの原型でチベット仏教の僧院に伝わる伝統儀式だそうです。というと難しそうなのですが、なんとたった5つの体操(+1つの呼吸法)なのだそうです!でもそれが実に奥の深〜い、スゴイものらしく、「生命エネルギーを強化し循環を促す為、若返り効果が絶大」とか!たくさんの体操を覚えるより少ないものを極める方が記憶力の悪いわたしに向いてる!と思いまして(^_^;)。

スイスの駅は、もう記憶がごちゃごちゃになってしまったのですが(早速記憶力の悪さを実演)多分ジュネーブだと思います。わたしは重いスーツケースを運んでいたのですがスロープのおかげでラクラクでした。

日本では新しい駅には必ずエレベーターが設置されていますが、新しい大きな駅ほどエレベーターがわざと改札から遠いところに作ってあります。おそらく急いでいる健康な人の利用を減らすためだと思うのですが、あんなに遠くては歩行に障害のある人はさぞ利用するのが大変だろうと心配になってしまいます。エレベーターは一番便利な場所に設置し健康な人はなるべく使わない、というのが理想的ですが、なかなかそうはいきませんよね・・。わたしがよく利用する駅でもいつもエレベーターの前は行列ができています。
韓国に行った時は、かなり混んだ電車でもシルバーシートに座る若い人が皆無だったことに大いに感心しました。
設備だけの問題でなく、そこに思いやりの心がなければ、エレベーターの位置のように、バリアフリーの一番よい形は実現できないのではないかと思いました。

Posted by fuji at 2006-11-27 22:07:05

あかずきんハイジさま
私のブログへようこそ!そしてコメントも有難うございました。
そうなんです。88歳のYさんのことも皆さまにお知らせしたかったんです。心と身体の健康、これが老後にはとても大切だと、Yさんにお目にかかる度に思います。どのようにしてこれを得られるかというのが私の課題といつも思っております。チベット体操ってどんなものなんですか?調べてみます。何でもよいといわれるものはとにかくどんなものなのかを知りたいなって思います。
スイスのどこの駅だったのでしょう?<限られた人が特別な使い方をするのではなく>誰もが同じように利用するというのは、ユニバーサルデザインの考え方ですね?!バリアフリーからユニバーサルデザインへという方向性がもっとも望ましいあり方ですね。そのうちユニバーサルデザインについても考えたいと思います。よいヒントを有難うございました。また、いらしてくださいね。

Posted by あかずきんハイジ at 2006-11-27 15:08:57

こんにちは。はじめてこちらにお邪魔しましたが、わたしも一緒にフィレンツェやルルドに行ったかのように楽しんで拝見しました。写真が美しい!

88歳のYさん、素晴らしいですね。お写真で拝見すると年齢が信じられないほど若々しく、そして若い人顔負けにお洒落も楽しんでおられるようですね。ヨガなどで、自分の人生を楽しむための努力をなさっているからこそ若々しくお元気なのでしょう。やはりいつまでも楽しく健康でいるためには、自分の生活を見つめ直さなくてはいけないな、と考えるよいきっかけとなりました(今実はわたし、チベット体操に興味があるのです)。

バリアフリーと言えばスイスに行った折、駅のホームから改札階へ降りるのが階段でなく長い緩やかなスロープでした。多少時間はかかりますし何よりスペースに余裕がある駅でなくては出来ないと思いますが、エレベーターやエスカレーターのように限られた人が特別な使い方をするのではなく、急いでいる人も子供も車椅子の人も、誰もが同じように利用できるところに感動しました。
確か古い駅だったと思いますが。。

これからもブログ更新楽しみにしています!

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