人間貴賎上下の別なく、必要なもののひとつにトイレがあります。私たちが生活する中でどうしても無視できないもののひとつです。通訳ガイドの免許を取って初めて研修会に出たとき、下調べすべき必須要項の中のひとつとして常に念頭におくべしといわれたことをいまだに覚えています。というわけで、またまたトイレのお話で恐縮ですが、旅行や移動の際に必要な公衆トイレ、特に今回は都内JR主要駅の有料トイレツアーをしてみました。
今回探訪したのは下記の五つのトイレです。有料といってもチップ式もあります。
品川駅中央改札口中 (チップ式)
新宿駅東口改札口外 (¥100) 7:00 - 21:00
東京駅八重洲北口改札口外 (¥100またはレストランでくれるコイン)
10:30- 23:00
東京駅丸の内南口改札口中 (チップ式)
秋葉原中央改札口外 (¥100) 7:00.- 22:00
品川駅
JR品川駅中央改札口に入って斜め左先のそば屋とコンビニの間に入るとチップ式トイレ。
とても混んでいて、誰もチップを入れずにどんどん入って行きます。いくら入れようかと途惑いながら100円入れて中へ。なんだ、普通の駅の公衆トイレと同じで汚いし、くさい。ちょっと損をした気分。洗面台もびしょびしょで髪の毛も落ちていたりとがっかり。外へ出て、いやみばあさんは何人の人がチップを入れるか数えることにしました。男女合わせて30人のうち、たった一人女性が入れてました。みんなチップトイレだということに気づいてないのかしら?チップを入れないからメンテが悪くてあんなに汚いのか、汚いから二度目からチップを入れないことにしたのか、いずれにしても悪循環。なにやら悲しくなりました。
新宿駅
JR新宿駅東口改札口を出て左へ。パン屋の隣り。数年前に一度利用したことがありましたがここはきれいです。100円入れるとドアーが開きます。中年の男性が入ろうとして、「へぇー、トイレが金取るのか、さすが東京だ。」と言ってやめて行ってしまいました。おかしくて一人で笑ってしまいました。
中はきちんと掃除が出来ていてピカピカ。ウォッシュレットもあり、便座も暖かくしてあります。夕方のラッシュアワーなのに空いています。なにやらほっとする雰囲気もあります。これなら100円出しても良いと思いました。もちろん車椅子の入れるトイレもありますし、赤ちゃんのオムツを替える台もあります。
有料トイレはかくあるべし。
東京駅丸の内南口
JR東京駅丸の内南口改札口入ってすぐ右側。ここはチップ式トイレ。ちょうど警備員さんが巡回していたので「常識的にチップはいくらぐらいでしょう。」と聞いてみました。「チップだからいくらでもいいんですよ。気持ちだから。」との返事。そうですよね。私も間の抜けたことを聞いたものです。又100円入れて中に入りました。品川と違ってラッシュアワーでも混んでいないしきれいです。中に「とうきょうえきふぁみりーといれ」と柱に看板が出ていて、列車の形をした子供用トイレがあります。
なんとほほえましい!若いお母さんに知らせてもっと子供たちに利用してもらいたいと思いました。清潔なのが何よりです。新宿の有料トイレほど空間はありませんが、なかなか快適です。品川と同じチップトイレでこの差は何だろうと考えました。丸の内側で利用者の絶対数が少ないのが一番の理由でしょうか。新幹線利用者の集中する八重洲口に作ったほうが旅行する親子連れが利用しやすいのにとも思いました。このいやみばあさんは、外へ出て又チップを入れる人を数えました。
なんと5〜6人に一人はお金を入れてます。今度は日本人の公衆道徳感もすてたもんじゃないと思いました。
東京駅八重洲北口
JR東京駅八重洲北口の改札口を出て左へ行くとキッチンストリートという食堂街があります。
その奥に有料トイレがあるのです。入り口の看板に専用コインまたは100円投入するようにと書いてあります。専用コインはこの食堂街の中のレストランで食事をするともらえると聞いて、100円を惜しむわけではありませんでしたが、物は試しと親子丼の店に入りました。(トイレめぐりでおなかもすいたので。)なるほどテーブルの上にこんなプレートが。
美味しく食べて、お金を払うときコインをひとつもらいました。
それをもって、有料トイレへ。
コインを投入するとドアーがあいて新宿の有料トイレより少々広くて同じようにきれいなトイレ。
個室の中には着替え用の半畳近い大きさのボードもあります。これは便利でしょう。その他、車椅子用、子供用、子供が座る安全ガードつき椅子と必要なものはそろっています。とても気に入りました。
外へ出たとき、B1と2Fに通常トイレがありますとの表示に気づきました。
では、有料トイレと比べてみようと思いB1へ。同じ位置に同じようなトイレがあるではありませんか。
中は有料のような、着替えボード等の設備はありませんが、清潔さでは引けを取りません。2Fにも駆け上がってみました。やはり同じ位置にB1と同じ清潔な普通のトイレ。「う〜ん」と、うなってしまいました。八重洲口の食堂街とはいってもトイレはそのあまりに奥なので利用者が少ないからよごれないのでしょう。少なくともこの食堂街に来ない限りわざわざここまでトイレを使いに来るのは大変かもと思ってしまいました。でも、もし八重洲北口でトイレを探すことがあったら、ちょっと我慢してここまでいらしたら、有料トイレのような無料トイレを使えますよ。
秋葉原駅
JR秋葉原駅はつくばエクスプレスが開通すると同時に整備され中央口が立派に出来ました。
その中央改札口を出てすぐ左側に千代田区が有料トイレを作ったと知ったので、見に行きました。
ガラス張りの一見トイレとは思えない建物です。夜だったので、こうこうと明かりがついて実に美しい。左側には無料喫煙所があります。(千代田区は路上喫煙を禁止しているので、この設備を作ったのでしょう。)“おあしす@akiba”なんて名前をつけてさすが電気街の町ですね。入ったらカウンターに、にこやかなお嬢さん。「こちらは有料トイレです。」「はい、それをみせていただきたくて参りました。」100円払って中へ。さすがにきれい。
男の子用・女の子用の便器がそれぞれ個室になっています。なるほど、子供にもプライバシーは必要です。でも実はお母さんが覗けるような高さの壁なのです。よく考えてあると感心。ポトスなどの観葉植物がおいてあって心休まる雰囲気作り。広さは東京駅八重洲北口の有料トイレほどはありません。さっきのカウンターのお嬢さんの近くにPCが三台。秋葉原近辺の情報を得たい人用に無料開放しているとのこと。入り口もスロープになっていて、バリアフリーは完璧。なかなか千代田区も乙なことをすると感心しました。
fujiの独り言
こうしてトイレ探訪すると、日本は水はただという考え方を変えるべきといわれるようになって久しいですが、そろそろ公衆トイレについても考えなくてはならないのかしらと思ってしまいます。でもちょっとまって!100円ないからトイレを我慢しなければなんて、ひどすぎます。そうそ、高速道路のSAには時々紙のないトイレがありますが、これもロールをもっていってしまう人が多いので置くのをやめたと聞いたことがあります。チップ式トイレもかなり難しいし、根本はやはり公衆道徳の問題かしらと思います。ひとりひとりが気をつければ汚れ方も違うでしょうね。
蛇足ですが、過日、フィレンツやルルドに行ったとき使った公衆トイレのお話をちょっと。日本と同じように有料・チップ式・無料とありました。
フィレンツェの駅の有料トイレは70セント(約107円)、ほぼ日本と同じですね。清潔さはまあまあでした。日本の有料トイレには及びませんけど。
ボローニャのチップ式は20セント(約31円)でした。(今日のレートは1ユーロ=153.41円)有料トイレでびっくりしたのは、誰かがお金を払うのを待っていて、ドアーがあいたら一緒に中に滑り込む人がいたことです。言葉を聞かなかったのでどこの国の人か分からなかったのですが、がっかりして悲しくなりました。でもあの人は70セントがなかったのだと考えることにしました。チップ式のトイレは体格のよいおばさんが入り口でがんばっていてしっかりとお金を集めていました。
ここは品川駅チップ式トイレくらい汚かったです。ヨーロッパの公衆トイレには時々便座がないものがあります。気持ち悪くて座れません。不安定な格好で用を足さねばなりません。
ルルドの公衆トイレはきれいにお掃除してありましたが、やはり便座がありませんでした。誰かフランス人に便座のない便器に座るのかどうかを聞こうと思いつつ忘れてしまいました。
面白かったのは手を洗う洗面器に固形石鹸を貼り付けてあることでした。
以前中国に行ったときには上海の郊外には扉のないトイレがあったことを思い出します。まさしくところ変われば・・です。
こうして考えると、なんやかんや言っても、バリアフリーも含めて日本て実はすばらしい国なんだと思います。それをもっとよくするには・・というのがこれからの課題ですね。
(徳重 富士子)