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いのちの電話

2007-01-27 18:25:00

「人はひとりでは生きられない」と誰もが知りながら、いまの世の中、何かに追われて人と人のつながりが希薄になってきています。
 そのような中で、人のぬくもりを求めて悩んでいる多くの人がいます。「いのちの電話」は、孤独の中で生き方に迷う人や、時には精神的危機に直面して自ら死を選ぶしかないと思う人と電話を通して心を通わせ、良き隣人として支え合い、自殺を予防して行きたいという願いから生まれた市民ボランティア運動です。 

相談者は名前を言う必要はなく、ボランティア相談員は秘密を必ず守り、お互いの宗教・思想を尊重し、24時間体制で、匿名で活動します。相談は無料です。
活動経緯:
1953年、イギリスで自殺した少女への痛みから、組織的な電話相談活動が始まりました。ボランティアたちの「友になること」こそが、自殺防止には有効と気づいたからです。その後、この活動は欧米諸国をはじめ、世界のさまざまな地域に広がっています。日本では1970年に東京で「いのちの電話」が開局され、1989年、「千葉いのちの電話」が開局しました。現在では日本中ほとんどの地域にあり、それぞれ活動を行っております。

相談の内容:
一番多いのは心の病に苦しんでいる人からの相談です。女性はうつの状態を家族や周りの人に理解してもらえない苦しさ、つらさ、男性はうつでありながらも仕事を何とかこなそうとしても職場の人間関係がうまくいかず、結局失職して生活上の大変さも背負い込むことになるというケースが多いです。次に多いのは、20代後半から30代の人たちが、生きる辛さ、生きている居場所のなさを訴えて相談してきます。誰にも(親にさえも)認めてもらえない辛さが、時には恨みにもなることもあります。

ボランティア相談員:
「千葉いのちの電話」には現在325名のボランティア相談員がいて、365日24時間体制で4台の電話で相談を受けています。24時間ということは夜中も電話を受けるわけですから、もっと多くのボランティア相談員が必要です。毎年、3月ごろから募集をかけ、オリエンテーション、グループ面接をして志望動機作文、面接を経て、適正を見ます。
年齢は20歳〜65歳未満の制限があります。8月から養成講座を受講してもらいます(受講料有料)。電話相談にかかわるために必要な専門的な講座(精神障がいのこと、カウンセリング、ボランティア精神など)を学び、その後グループでロールプレイを中心に、受け答えの方法、傾聴がどのようなことなのかを身につけていきます。相談員は原則匿名です。あの人がやっているなら電話をかけにくいというのを避けるために、相談員であることも人には言いません。

相談員になった人に動機を聞くと、「ある程度の年齢になったとき、受け取るばかりでなく自分にも何か出来ることがあればと思って、はじめました。自分もいい老年を過ごしたい、少し気持ちを整理したいという思いもありました。でもやってみますと、人にしてあげられることなんてないのだ、そんなのは思い上がりなんだと思いました。」という返事が返ってきました。

相談員応募の年齢制限(20歳〜64歳)の理由については、「傾聴というのは、普通の話を聴くというのとは違って、自分の殻の中でなく相手の世界を受け入れる、相手の世界に入っていく必要があるので、若いうちのほうがその点で柔軟だから。」(理事の北原悦子さん)ということです。

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そうかといって、この活動は子育ての最中は夜、家を空けることも難しいので、ある程度の年齢にならないと時間的に難しいこともあります。北原さんは「年齢を重ねた相談員で自分の体験を上手に消化している人はよく聴けますが、自分の体験を消化しきれていない人だと相手の体験と重ねて同じだと思うと、その瞬間に自分のほうに引き寄せてしまって、もはや相談者から離れてしまうことになります。そのような傾聴の仕方は違うのだと学ぶのです。同じ苦しさでもその人なりの苦しさって、どんな苦しさなのですか、私にも教えてくださいという聴き方なのです。」といいます。

電話で話すことによって相談者は心の整理がつきます。時に相談員が相手の言ったことを同じように繰り返して言ってみると、相談者は「違うかも。」と気づくことがあるそうです。相談員はこのような聴き方が出来るのが望ましいといわれています。

相談者から「死にたい」というような強烈な言葉を聞くと、相談員は誰でも動揺しますが、その動揺を相手に伝えないでしっかりと受け止める力が必要です。

電話相談室で活動中のところを見せてもらいました。四人のボランティア相談員がそれぞれブースに入り電話を受けています。4台とも電話が入っていました。

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今後の活動:
5月には、新しい建物に引越します。事務局だけでなく、現在よその場所を借りて行っている養成講座他を自前の施設で行えるようになるので新しい活動も徐々に増やしていく予定です。自助グル−プ活動『分かち合いの会 ひだまり』は、家族や身近な人を自死によってなくされた人たちの同じ想い、悲しみを分かち合える場所をという願いから始めた分かち合いの会ですが、これもさらに推進していきたいと考えています。また、以下のようなことも計画中です。

1.メール相談
若い人たちは電話よりメールのほうがいいという傾向から、東京では試行的にメール相談を始めています。千葉でも今年末を目安にメール相談を始める計画をしているとのことです。
2.公開講座
 一般の人対象の公開講座や引きこもりの講座などを開設することを計画しています。現在、活動資金は善意の寄付に頼っていますが、この種の収益事業をすることによって、バザーやコンサートと共に活動資金の一部を得ることを考えています。

リポーターの思い:
「相談の電話をかけていらっしゃる方のためにという気持ちで相談員になりますが、それより、自分のほうがはるかに大きなものを頂いていると知ります。」と北原さんは穏やかではありますがきっぱりといわれました。

この貴重な活動の存在さえも、まだよく知られていないのでもっと社会に知ってもらって理解してもらいたいとの思いを強くしました。そして人のために何かと思ってはじめたが、自分のほうがはるかに大きなものを与えられているのに気付いたという北原さんの言葉にボランティア活動の原点を見い出した気がします。私自身も大変大切なことを教えられた取材でした。

(「のんびる」3月号掲載)
 
(徳重 富士子)



「いのちの電話」のボランティア活動に関心をお持ちの方々へ:
下記事務局へ、お電話またはメールにてお問い合わせください。
「千葉いのちの電話」DATA
事務局:〒260-90013 千葉市中央区中央4-10-12
    Tel :043-222-4416  Fax :043-227-6911
    E-mail :ll-chiba@chiba-net.or.jp
    URL :http://www.chiba-net.or.jp/~ll-chiba/
    創設:1989年10月 開局
       1993年12月 社会福祉法人設立認可
    理事長 :日下 忠文

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http://secondleague.net/user/008/008/cwtb.cgi/395

Posted by fuji at 2007-02-11 02:05:03

佐藤さま
お読みいただいて有難うございます。身近に相談したり話を聞いてくれたりする人がないと、本当に孤独ですよね。人は本当にひとりでは生きられない動物ですものね。ただ、話を聞いてくれる人がいるだけで生きる気持ちになれますね。

Posted by 佐藤 at 2007-02-10 22:20:28

いのちの電話が24時間の市民ボランテイアサービスであること初めて知りました。人のぬくもりを求めている人がたくさんいること、傾聴とは、どういうことか等とてもわかりやすく書いてありました。とても勉強になりました。

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