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「学童保育 この指とまれ 学童クラブ 風の子シュワッチ」

2007-04-09 19:46:34

「ただいまぁ〜!」元気なランドセル姿の子供たちが次々とかけこんできます。「おぅ、おかえり!」とこれまた威勢のいい声で迎えるのはNPO法人「学童保育 この指とまれ」の理事長 城丸 牧夫さん。ここはこのNPO法人が経営している「学童クラブ 風の子シュワッチ」です。お父さんやお母さんが働いていて昼間家を空けている家庭の子供たちは学校からまっすぐここへ帰ってきて、夕方お父さんやお母さんが帰ってくるまで思う存分遊んだり、時に宿題をしたりして時間を過ごします。さあ、子供たちはどんなふうにして、この時間を過ごしているのでしょうか?

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学童保育の前身は戦前から共働き家庭や単親家庭の自主的な保育活動として始まったとされています。戦後の高度経済成長期に女性の社会進出に伴なう共働き家庭の増加と核家族化の進行によって、学校外における児童の遊びと生活の場としての需要が高まり、社会福祉事業(社会福祉法)として法制化され準公立の色彩を帯びるようになりました。

理事長城丸牧夫さんは学童保育にかかわってもう20年以上になります。教育関係の出版社にいましたが現場の仕事をしたくなって学童保育に携わるようになったそうです。そのうちに自主運営の持つ「機敏性・柔軟性」や手作りのぬくもりのある学童保育があってもいいのではないかと考え始めました。そして千葉市の学童保育の分野では初めての試みでしたが、学童保育の運営スタイルのひとつとして提示したいと考え、2003年に学童保育を利用したことのある親たちの有志で任意団体を立ち上げ活動開始、2004年にNPO法人「学童保育の会この指とまれ」を設立しました。

店舗用雑居ビルの八畳の一室を借りて8名の児童を預かることから始まりました。次第に子供の数が増え、手狭になったので大きな場所を探し、2005年に現在のところに引越しました。累積赤字に移転費用が重なり大変な資金難に苦しみ、解散の危機にまで陥ったこともあったそうです。それでも、移転した新しい部屋は40畳で、児童数も43名となり大変にぎやかで、現在に至っています。

城丸さんは「自主運営は、それなりに大変さが伴いますが、働く父母のニーズに柔軟に応えることが出来るし、工夫に富んだ手作りの保育を作っていくことが出来ます。子供たちが健やかに育ってくれて、地域の人々に受け入れられ支えられているのが嬉しいです。」と言います。 

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ビルの一階、おそらくオフィス用として設計されたのだろうと思われる大きな部屋にじゅうたんを敷いて周りには棚や本箱を作りつけ、真ん中は空間のままの広々とした一部屋。おや、その片隅に子供たちが6〜7人集まってなにやらしています。のぞいてみると齋藤みのりさんを囲んであや取りをしているのです。小学校1、2年生の子達が、男の子も女の子も皆とても上手です。齋藤さんは千葉大の幼稚園教員養成課程3年生で、ボランティアとして去年の11月から子供の相手をしています。小柄な齋藤さんは子供たちの輪の中に入ると子供たちと同化していて、子供たちも仲間のようにまつわりついて楽しそう。

その間も、次々と子供たちが帰ってきます。男の子たちはウルトラマンのように「シュワッチ!」と、女の子は「風の子」のように飛んで帰ってきます。これがこの学童クラブの名前の由来なのだそうです。それをチェックして出席簿に丸をつけているのは、堤清志さん。城丸さんの高校時代の先輩で、ボランティアで手伝いに来ています。走りこんできてランドセルを背負ったまま、「ねぇ、ねぇ、僕の組、学級閉鎖になるかも。今日半分休んだんだよ。」と息せき切って話す子がいます。「え〜!そりゃ大変だ。」と城丸先生。これはそのまま家庭でも見られる光景と同じです。


一年生の腕白坊主がふたり、長い棒を振り回してちゃんばらごっこをはじめました。「おい、おい、棒を振り回すのは危ないからやめろって言ってるだろう!?」城丸さんは忙しい。

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5年生の女の子二人は大きなビニールボールをトスしながら、「こぶちゃん、あの人何しにきたの?」とリポーターのことを不審そうに見ながら傍らのこぶちゃんこと小吹翔子さんに聞いています。小吹さんは保育士ですが、一年前からこの学童クラブの正規雇用指導員として働いています。「保育園で小さい子の世話をしているのもよかったけど、小学生だとちゃんとした会話が成り立つのでとても面白い。」と楽しそう。

「おーい、公園に行くぞ!行きたいもんは一緒に来い!」と城丸先生の掛け声でばたばたと靴を履きなおして15,6人ほどの男の子、女の子たちが付いて出ていきます。半分ほどの子供が残ってあや取りの続きや剣玉などの室内遊びをしています。小吹さんと齋藤さんが居残り組みと一緒。公園組の担当は城丸さんと堤さんです。公園ではどんな遊びをするのかな?

歩いて5分ほどのところ、みどり台駅のそばのスーパーの裏に緑町公園があります。

かなり広めの公園で、遊具はジャングルジム、砂場、ブランコなどがあります。広いスペースを子供たちは縦横無尽に走り回ります。

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城丸先生は持ってきた太目のロープを砂場の上の鉄骨に掛け、反対側の部分にいくつかのノットを作っています。「よし出来たぞ。誰が最初だ?」身軽そうな男の子がうんていの台にのぼりノットに足を掛けロープの上を握ると、城丸さんは「しっかり掴ってろよ!」と言うなり揺さぶり始めました。まるでターザンのようにびゅんびゅん大きく揺れてすごい!子供たちはしょっちゅうやっていて慣れてるらしく平気の平左。みんな順番を待ってターザンごっこです。降りてきた子に「こわくない?」と聞いたら「面白いよ、ちょっと手が痛いだけ。」と言って又順番待ちをしています。

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右半身にやや麻痺のある二年生のT子ちゃんもとても元気に遊んでいます。さすがにターザンごっこはしていませんが、堤さんとボールつきをしています。そのうち、「おばちゃん、じゃんけん鬼しようよ。」とリポーターも誘われて久しぶりにひと時童心に帰って遊びました。

気がつくとターザンごっこが済んで、同じロープで縄跳びに変わっていました。縄のはじっこを公園の電柱に結びつけ、反対側を城丸さんが握ってまわして長縄跳びです。あれ?学童保育の子供たちじゃない子たちも一緒にやっている!T子ちゃんに確かめましたら、「あの子はシュワッチの子じゃないよ、今跳んでる子も違うよ。」と教えてくれました。そうなんです。今の子たちはこうして集団で遊ぶ機会がなかなかないので、城丸さんのような良い指導者と一緒に集団遊びをする楽しさをいったん知ると仲間入りしたくなるのです。後から城丸さんに聞いたら「学童クラブによっては、安全面を考えて何かことがおきたときは責任問題になるので自分が担当している子たち以外は一緒に遊ばさない人もいますが、私はみんな仲間に入れてしまいます。」と淡々といわれました。「子供は子供らしく仲間たちと一緒に遊んで、一人前のこどもになるんですからね。」これが城丸さんの学童保育に対する姿勢だ、と気がつきました。学校教育は将来を見据えて、一人前の大人にすることを目標としていますが、学童保育は子供時代の今を見据えて、こどもらしく『一人前のこども』になってほしいと願っていると城丸さんはいわれます。この言葉は、本当に心に染み入りました。

大縄跳びは4人も入って「一ぬけた、二ぬけた・・・」と抜けて行って又四人まで増やして跳ぶのです。誰も縄に引っかからずに何十回と続いています。一年生もいれば四年生も五年生もみんな一緒に楽しげに跳んでいます。昔はこうして束になって遊ぶ子供たちの姿をあちこちで見かけたものでした。本当に何十年ぶりにこのような光景を見た気がします。感激しました。片や、鬼ごっこをしたりかくれんぼをしたりボール遊びをしたりと一時間半たっぷり遊んでいました。かなり風の冷たい午後でしたが、みんな何のその、しっかりと『一人前のこども』になって遊んでいました。

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「風の子シュワッチ」に戻ると、小吹さんと一緒に五年生の女の子たちが大きなフライパンに餃子を並べて焼いてます。今日のおやつはお菓子パンと餃子!さっきまで何もなかった広間に座卓がたくさん出ていてみんな座れるように準備されています。なんて合理的なんでしょう。昔の日本のお茶の間のちゃぶ台を思い出しました。公園では補助具をつけて遊んでいたT子ちゃんも、補助具を脱がせてもらってます。

お父さんやお母さんたちには今日は会えなかったのでその声を直接聞けませんでしたが、ネットに書き込まれている文章を読むと地域の子育て支援のあり方としてとても感謝されているのがよく分かります。

今日は有償スタッフの城丸理事長と正規スタッフの小吹さんの外は、ボランティアの堤さんと学生ボランティアの齋藤さんの二人が手伝っていましたが、城丸さんは本当は一日に3人のボランティアが手伝ってくれればいいのだがといってます。現在10人の無償・有償の千葉大や専門学校の学生さん、建築家で将来学童保育をやりたい人などがシフトを組んで手伝っていますが、試験のときなどはシフト表が埋まらないことがあるので、もっと登録してほしいと願っています。健康でこどもとかかわりたい人、学童保育に関心がある人が求められています。無理して無償にしないでも有償でいいよとボランティアには言ってるそうです。一日3時間以上日額1,400円、4時間以上なら日額2,000円、夏休みなどで丸一日の場合は日額1,500円を加算するそうです。(交通費は一日700円まで支給)有償・無償を問わず1ヶ月以上働く人に対しては傷害保険に加入するとのことです。正規スタッフは月給制で支払われているとのこと。まさしく手弁当でのボランティアです。「本当に子供がお好きなんですね。」と言ったら、「いや、子供だって時にはうそをついたり、私たちを裏切るようなこともありますから、そんな時はこっちだって腹をたてますよ。」と笑い返す城丸さんの目は、慈愛にあふれていました。

子供たちがおやつを楽しんでいるのを見ながらさよならと外に出ると、♪春とは名のみの風の寒さや♪でしたが、心の中は何か言い難い暖かなものがあふれていました。

(徳重 富士子)

学童保育に関心のある方、有償・無償ボランティアとして放課後の子供たちと楽しいひと時を過ごしませんか?下記にお気軽にお尋ねください。

「学童クラブ 風の子シュワッチ」
理事長:城丸牧夫
住所:千葉市稲毛区黒砂1-5-1 
    グランドメゾン緑町1F(〒263-0042)
TEL&FAX:043-243-5218
携帯TEL:070-69850776
スタッフ人数:正規雇用 1名
       無償・有償ボランティア 10名
HP:http://www.h7.dion.ne.jp/~konoyubi/
E-mail: makio460@r9.dion.ne.jp
アクセス:京成線みどり台駅下車 徒歩3分
踏切を渡ってロータリーそばの
井原胃腸科医院角に沿って100m先左手。

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http://secondleague.net/user/008/008/cwtb.cgi/538

Posted by 徳重 富士子 at 2007-04-16 00:28:05

齋藤ドラえもん様・大谷節子様
ブログをお読みただき、コメントまで頂戴いたしまして有難うございました。
城丸さんについてはあまりよく存じ上げないうちに取材させていただきましたが、お目にかかって取材させていただきましたら、素晴らしい方でいらっしゃることを知り感激いたしました。これが学童保育の原点だと思い、こんな先生にめぐり合わせた子供たちの幸運を思いました。そしてこのように昔ご一緒にお仕事をなさった方々のお言葉を伺いますと、先生の存在がこんなにも貴重だったのだと改めて思いました。城丸先生のご健康とご活躍がずっと続きますようにと願い、城丸先生のような思いをもって
学童保育に当たってくださる方が後に続きますようにと祈っております。

Posted by 大谷 節子 at 2007-04-15 07:07:04

城丸さんには大変お世話になりました。
出会ったのは24年前になります。
私の子供が学童に行くようになり、指導者としての城丸さんにお世話になりました。
私も指導員の仕事をするようになり、今から24年前城丸さんと一緒に仕事をしたときのことをととても懐かしく思い出されます。
城丸さんは、本当に子供のことが好きで、本気になって取り組む姿勢は見習うとが数多くありました。
千葉での仕事振りはすばらしいですね。

今から13年前に学童を退職し、所沢市社会福祉協議会で働いています。心身障害者デイケアで施設長をしています。
施設は知的障害者で18歳〜29歳で19名の方が通所されています。
中には重度医療ケアの必要な方も受け入れ毎日奮闘しております。
昨年度から障害者自立支援法が施行され、今後の事業が益々厳しくなります。

身体には十分留意なさって、今後のご活躍にご祈念申し上げます

Posted by 斉藤(ドラえもん) at 2007-04-14 22:46:05

日中のスタッフお手伝いができないため、シュワッチのイベントでお手伝いさせていただいています。
僕の子供も別の学童保育に行っていましたが、イベントはシュワッチと合同で行わさせていただきました。イベントでシュワッチの子供たちと一緒に遊んだりしますが、すごい元気ではきはきしているんで、僕も一緒になって真剣に遊んでいます(*^_^*)
子供が一人で遊んでいるのでなくみんなで遊んでいるのがいいですよね。
町で子供たちに会う時があると元気に声を掛け合ったりしてこれまた地域の防犯にも役立ったりするのではないかと思います。子供は学童保育を卒業してしまいましたが、このままイベント等でお手伝いをして行きたいと思っています。

Posted by 徳重 富士子 at 2007-04-13 21:17:00

白木裕子様
そうですか。城丸先生の下で保育のお仕事に携わられた貴重なご体験を踏まえての子供を見る暖かな目のコメントを本当に有難うございました。おっしゃるとおり城丸先生のような指導員のいらっしゃる学童クラブで放課後の時間を送れる子達は幸せです。
とても心豊かな時間を過ごしているなって感じました。子供の本来あるべき生活、姿がここでは見ることが出来ますね。城丸先生やスタッフ・ボランティアの皆様がお元気にこの学童クラブを育てていってくださることを信じています。

Posted by 白木 裕子 at 2007-04-13 16:36:08

取材記事読ませていただきました。
私は、3年間城丸先生の元で、学童保育の仕事をしました。記事を読んでいて、本当に懐かしく、あの時と変わらない光景が、とても嬉しくもあります。時代は変化した・・・なんて言われますが、子どもの正直さは永遠で、私自身の癒しになっていました。大人になると、子どもの頃のことをすっかり忘れてしまいがちですが、子ども時代は人間の原点ですので、大人が子どもと真剣に関わることはすごく意味のあることだと思います。そして、真剣に関わったことに対して、子どもたちは正直に反応を示してくれます。それは自分自身を知るいいきっかけにもなります。
風の子シュワッチのような、あたたかい目で周りの大人たちが見守っていてくれる環境を与えられた子どもたちは大人を信頼して育っていくことでしょう。そして、そんな子ども時代をすごして来なかった大人にとっても、正直な子どもたちと関わることは本当に意味のあることだと思います。私は城丸先生のような「本物の指導員」の元で働くことが出来て、本物の保育を知ることが出来ました。
ところで、写真を見ていて、知った顔を見つけました。Nくん、もう緑の名札をしてるってことは3年生なのか〜昆虫のことなどよ〜く知ってるNくん。子どもはそれぞれがすばらしい!自分自身の宝物である自信を学童でいっぱいいっぱい見つけていってね!

Posted by 徳重 富士子 at 2007-04-11 17:45:57

城丸さま
取材では大変お世話になりました。今も子供たちの楽しそうに遊んでいる姿が目に焼きついています。こんなに子供らしいのびのびとした姿でいられるなんて、とてもすばらしい!日本中の子供たちみんなが子供らしく『一人前の子供』になれるといいな、と願ってます。有難うございました。

Posted by 城丸 牧夫 at 2007-04-10 22:51:16

取材では、徳重さんには大変お世話になりました。
クラブ開設に至る経緯や実態とともに、子どもたちの生き生きとした姿がよく伝わってくる記事で、楽しく拝見させていただきました。

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