(在米数十年のシニア日系人ツアー)
〜角館と弘前編〜
桜を追うツアーもいよいよ最後の2日間になりました。満開が期待される角館と弘前です。
桜の名所といわれる数箇所を訪れましたが、いま一つ、最高の時期には出会わなかったので、何とかこの二日で挽回したいと祈る気持ちです。秋田のホテルを出て一路角館へバスは進みます。
運転手さんが同じ会社の仲間の運転手さんと連絡を取って様子を聞いてくれたところによると、角館は8〜9分咲き、早く出発しないと駐車場は順番待ちで入れないという情報をもらいました。お客様にもご了解いただいて8時30分には秋田のホテルを出たのですが、果たして駐車場にスムーズに入れるかしらという心配もありました。角館に近づくに連れて車の数が増えてきました。それでも幸い、駐車場では誘導してくれる係員がこっちこっちと手を振ってくれるので、運転手さんも「やー、早く出発してもらってよかったですよ。待たされないで済んだ。」と喜んでいます。
人出が多い=桜が見ごろということにもなるわけで、今回は期待できます。武家屋敷の通りは人でごった返しでしたが、しだれ桜が本当に見ごろです。みちのくの小京都と呼ばれるだけあって、黒塗りのすかし塀や、ささら塀が続き、城下町の風情を見事に残して、滝のようにしだれている桜が頭上にピンクのトンネルをつくっています。
佐竹のお殿様の奥方様がお嫁入りのとき、京都からしだれ桜の苗木を持ってきて植えたのが始まりだとか。本当に美しい。もう今年のお花見はこれで何も言うことがありません。お客様も大満足してくださいました。仕事とはいえ、ガイド冥利に付きます。
駐車場近くの桧木内川の土手には約2キロにも及ぶ桜並木が続いています。
こちらは七分咲きです。土手だけでなく川原にも人があふれています。こんなに人がいなければもっといいのに、なんてつい言ってしまいましたが、自分たちもこの混雑の原因を作っているわけで、わがままなせりふを言っている自分に反省!この見事な桜に出会えたことをただただ感謝します。
桜の美しさをすっかり満喫して、田沢湖の深い藍色の湖面を見ながら盛岡に出て、今晩の宿にチェックインしました。明日は弘前です。
翌日、ツアー最終日、奥入瀬渓流を散策して、十和田湖畔でゆったりした後、弘前へ。こちらは本当の満開でした。明日は散り始めるのではないかというほどの満開でした。
入口の道路沿いに植えられた桜並木も美しい。ここも人、人、人で大混雑です。
でも、弘前城をバックにした見事な桜はまさしく絵で見るような美しさでした。
お堀に映る桜の姿も息を呑むほどでした。いつまでもたたずんでみていたい気がしました。
最後の最後に、角館と弘前で満開の桜に出会えました。バスでの総走行キロ数は1300キロにもなりました。安全運転をしてくれたドライバーさん、ありがとう!Mさんが体調を崩されてツアーから離れてしまわれたことは、かえすがえすも残念でした。でも、帰国されてから次第に回復していらっしゃるようなので、ほっとしております。他の方々はご高齢でもツアー期間中大変お元気に楽しんでくださったので、ほんとうに嬉しかったです。
「終わりよければすべてよし。」なんて自己弁護しつつ、ことしの桜ツアーも成功でした。お客様方も、大変喜んでくださって、数十年ぶりの日本の思い出を美しく飾っていただけたようです。
桜の季節が来るとどうしても見たいし、見ると自分が日本人であってよかったと心底思います。自分の入学式、子供の入学式などとも桜の思い出は重なって、桜を見るといろんな思いで胸がいっぱいになります。そして出来れば、どんちゃん騒ぎでなくしっとりとそれぞれの思いをかみしめて静かにお花見が出来ればもっといいのにと思いつつ、過ぎ行く春を名残惜しく見送っているところです。 (完)
(徳重 富士子)