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NPO法人「日本子守唄協会」

2007-06-02 00:06:31

人にはそれぞれ自分の子守唄があります。それは必ずしも寝かせ歌とは限りません。その歌を口にすると心のどこかがキューとなってなんだか涙が出そうな気がするのです。幼いときにお母さんやおばあちゃんが歌ってくれて、聞いているうちにいつの間にか寝てしまったという経験が誰でもあるのではないでしょうか。そしてその歌は大人になっても心の中に生き続けているのです。

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NPO法人『日本子守唄協会』の代表西舘好子さんは「命の讃歌、親子の絆のはじまりとなる故郷の母の唄、そこに込められた祈りが子守唄の持つ永遠の力です。無意識の中で、心のなかに静かに記憶され、永久に魂の宝物としてありつづけます。母子関係の原体験としての情緒教育はここに始まり、その後の人格形成にも大きく影響を及ぼすのです。」といいます。それが今失われかけているのではないかという危機感を覚え、それを保存し、伝承し、子供たちの身体の中に刻み付けたいという気持ちで、この活動を始めたのが7年前のことでした。物心付く前から、心のふるさとの歌を持っている子は命の大切さを自然と身につけ、非行に走ったり暴力に訴えたりしないと西舘さんは言います。

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政財界、芸能界、音楽界の中に多くの賛同者を得て平成14年にはNPOとして法人化しました。

(1)日本全国の子守唄に関する情報・楽曲収集・採譜事業・資料(データベース)作成をして子守唄が消えてしまうのを防ぎ (2)子守唄の普及啓発のための支部の開設をし、講演会・イベント・シンポジウムを開催し (3)協会会報誌を定期的に発行し (4)協会の広報・宣伝活動を活発にしています。この三年間で行った子守唄コンサートなどのイベントは220余りにもなります。

そのイベントのひとつ「男たちのララバイ」が内幸町ホールで行われました。小さなホールではありましたが、満席でした。

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ハーモニカで、『サトウキビ畑』『たなばたさま』の旋律が奏でられたときにはこの楽器が心のふるさとを奏でるのに非常に似つかわしいものであることを改めて感じました。山折哲雄さん(宗教学者)、藤村志保さん(女優)そして脚本家でもある子守唄協会の代表西舘好子さんの鼎談もありました。

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父性愛を求められる父親たちは、孤独感、寂寥感、哀愁などを散々味わった後に各人それぞれの人生のラブソング、子守唄をもち、それを愛をこめて歌うことでこの世を変えることができるかもしれないという話をしていました。また、藤村さんは、「自分の年老いた母を看取ったときその母が『お母さんのところへ行きたい。』というのを聞いて、子守唄は時に親守歌にもなることに気付いた。」といいます。孫守歌にもなるでしょう。

後半はギタリストの原荘介さんの弾き語りが、しっとりと心にしみました。原さんは38年も前に作家の倉本聡さんと飲んでいるとき、島原の子守唄の話になり、それがきっかけで、日本中の子守唄の歌詞と音を拾っては集め、消えそうな子守唄を何とか保存、伝承することをライフワークとしようと決心したそうです。北から南までの子守唄の研究会も開催しています。

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第一火曜日の午後、数人が集まって原さんの講義を聞いたり、自分たちが調べてきた子守唄について発表したりしていました。出席者は「子守唄の背景を知ったり、遠く離れた場所に元歌があったりするのを知ると、面白くてのめりこんでしまいます。」と言っていました。江戸中期に庶民にも歌われるようになった「ねんねん ころりよ おころりよ・・」という江戸の子守唄は日本全国に類歌が見られるそうです。原さんは「子守唄は人の心の中に入って一緒に旅をするのです。江戸の子守唄も、参勤交代、北前船、富山の薬屋などによって日本全国に運ばれて、それぞれの土地の方言や旋律で歌われ伝わって類歌となったのです。人の心の引き出しには必ず子守唄の原点があります。その引き出しはなかなか開かないのですが。寝かせ歌だけでなく思いを伝える歌ならどんな歌でも子守唄です。『影を慕いて』だって、思いをこめれば子守唄ですよ。子守唄の記憶はその子の一生を左右するものだとおかあさんたちに知ってもらいたいのです。」といいます。原さんは理事として『日本子守唄協会』の活動の中核として活躍し、『日本子守唄100選』のCDを出すのに尽力しました。

歌手の川口京子さんが男たちのララバイコンサートで『ヨイトマケの歌』を歌ってくれたときには、本当に涙が止まりませんでした。寝かせ歌ではないけれど、まさしくこれは男のためのララバイだと思いました。

西舘さんは会員になってくれる人を増やし、研究会、コンサートなどのイベントに参加してもらって、子守唄を伝承していきたいと考えています。子守唄大使を養成する講座を作る構想もあるそうです。みんなが心に自分の子守唄を持てば、世の中は、もっと穏やかになるのかもしれないとつくづく思いました。(「のんびる」6月号掲載中)

(徳重 富士子)


多くの皆様が会員になってくださって、日本の子守唄の伝承・普及活動にご参加くださるのをお待ちしております。
NPO法人「日本子守唄協会」のホームページをご参照ください。

http://www.komoriuta.jp/cover.html

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