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邦楽入門「謡曲と筝曲」・・その普遍性

2007-07-18 10:34:44

近年、音楽の中でも邦楽はとっつきにくいものとか、年寄り向きのものという目で見られることが多いようです。歌舞伎・謡曲・文楽などを含めて日本人よりもむしろ外国人のほうが日本特有の芸能という意味で興味を持つことがあります。日本固有の貴重な芸能でありながら、若者に限らず日本人全般があまり関心を持たなくなったのはなぜでしょう?何がその普及のバリアになっているのでしょうか?

邦楽のテンポ、言葉の難しさ、古風とも思われる高価な衣装、動きの難しさ、正座をはじめとするマナーの堅苦しさ、月謝その他が高すぎる家元制度の旧態依然とした体質等々、思いつくままに列挙してみますと、なるほど普及のバリアになりうるものが多いことに気付きます。そんな中で、謡曲・仕舞・筝曲の普及に一生懸命務めている若いカップルの主宰する教室の発表会を見せていただく機会を得ました。澄声会(ちょうせいかい)と澄和会(ちょうわかい)の合同発表会です。

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澄声会は観世流能楽師清水義也さんが主宰する謡曲と仕舞の教室、澄和会は生田流筝曲演奏家の英井麻実(はないまみ)さんの主宰するお琴の教室です。まだ三十代はじめのおふたりは芸大の邦楽科で知り合って意気投合し、卒業後は邦楽の伝承と普及に情熱を傾けている素敵なカップルです。お二人はいろいろな場所で教えていらっしゃいますが、今回の発表会は生徒さんの多い江東区の砂町文化センターで行われました。

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清水先生の生徒さんのお謡とお仕舞、英井先生の生徒さんのお琴の発表が交互に行われました。生徒さん方の平均年齢はやはり謡曲や仕舞の方々の方が遥かに上で六十代後半位です。最高齢は85歳とか。その方は「熊野(ゆや)」を舞われましたが、なんと味わい深いこと!後から清水先生のお話を伺いましたら、「若いうちは技術ですが、人生経験の豊かな七十代くらいになられた方の謡や仕舞は心で謡って舞うのです。」とのお言葉で、なるほどとうなってしまいました。

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女性のお弟子さんの仕舞「巴」も素敵でした。謡や仕舞はどちらかというと男性の芸事のような感覚で見られることが多いですが(家元が皆様男性なので?)この方の仕舞を拝見すると女性も立派に舞えると確信できました。


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一方英井先生の生徒さんの年齢は十代、二十代の方も多く平均だと四十代でしょうか。謡や仕舞はさすがに紋付袴でしたが、お琴は皆さんおそろいの黒いニットのスパンコールつきのおしゃれな上着と黒いロングスカートかパンツです。ここではじめて知ったのが和音(かずね)」という小型のお琴です。長さが普通のお琴の半分しかありません。

岩手県の伝統工芸の曲げ木の技術を活かして、軽くて丈夫で、しかも響きの良い本体を生み、独自の糸巻きによって、誰にでも簡単に調弦や糸の取り替えができる、また琴柱(ことじ)を立てたまま重ねて場所を取らずに収納で
きる、手軽に持ち運べる、安価であるなど、従来の筝からは考えられない楽器が開発されました。それがこの小型筝「和音(かずね)」なのです。  

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英井先生は老若男女あらゆる年代の方々にこの「和音」を教えてお琴の普及に努めていらっしゃいます。曲目も従来のお琴の曲にとどまらず、「野ばら」「砂山」など学校で習う歌(昔で言う女学校唱歌)を取り上げて練習させていらっしゃいます。まず、こんな風になじんでもらってから、本格的に従来のお琴をやりたいという方には、それもやってもらうそうです。これなら小学生や中学生にも馴染めそうです。実際、2002年からは中学校の音楽で和楽器演奏として「和音」がカリキュラムに取り入れられているとのこと。こんな風にハードルを低くして日本の伝統的な芸能を伝承普及していくのも大切なことと思いました。

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終わりは、先生お二人の謡とお琴の演奏で締めくくられました。これからもお二人が素晴らしい伝統芸能を廃れさせることなく、学びたい、楽しみたいという人たちの裾野を広げて伝えていってくださるようにと心から願って居ります。

(徳重 富士子)

<ご参考>
謡曲・仕舞にご興味がおありの方:
   能楽観世流「澄声会」  清水義也先生 090-3535-6998
お琴にご興味がおありの方:
   筝曲生田流「澄和会」  英井麻実先生 090-3535-7178

ご連絡ください。

この記事のURLコメント(2)

Posted by 徳重 富士子 at 2007-08-14 10:48:33

宇成る謙高 さま
お謡は基本的には正座しますが、足に問題がある方はお稽古では椅子でいいですよと私の先生はおっしゃいます。私も自分の体重のせいですぐしびれてしまいます。でも、おっしゃる通り、おなかのそこから声を出したいるととても気持ちがいいです。出来るだけ続けたいと思います。

Posted by 宇成る謙高 at 2007-08-13 22:59:47

お謡はなじみがあって好きなのですが、なかなか出来ません。足が問題で、座れないとほとんど絶望的です。でも、声を出すことは、まさしく健康によいので本当はやりたいのです。徳重さん頑張ってください。

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