「健康」と「楽しい仲間」を一緒にゲット!
ジャパンソーシャルダンスクラブ
「クイック・クイック・スロー、クイック・クイック・スロー」と先生の声と音楽に合わせてルンバのリズムを踏む人たち。曲は『べサメ・ムーチョ』。そのいいリズムに乗って床の上を滑らかに流れるように踊っています。背すじをしゃんと伸ばしてしっかりとステップを踏む人たちはJSDC(アメリカン社交ダンスクラブ)のシニアクラスのメンバー。最高齢者は80歳、平均年齢は70歳半ばといわれても、まったく年齢を感じさせない踊りです。
ニューヨークで23年間舞踏活動を続け、アメリカン・ボールルーム・シアターをはじめ、さまざまな舞踏団やミュージカル、テレビ等で活躍してきたヨシ矢野氏(40代)は2003年に帰国し、日本でも振付師、講師、パフォーマーとして活躍すると同時にアメリカンスタイル社交ダンス普及に努めています。
従来の社交ダンスは競技用のものだったので、難しいと思われてきましたが、「テレビや映画でアメリカ人たちが楽しそうに踊るペア・ダンスならどんな場所、どんな相手とでも、気軽に楽しめて、言葉を超えたコミューニケーションの素晴らしさを体験できるのです。」と矢野さんは言います。矢野さん自身はフレッド・アステアの踊りに魅せられてダンスの道に入ったそうです。自ら舞踏家として活動しつつ、一般の人のみならず、65歳以上のシニアクラスやボランティアとして視覚障がい者のためのクラスなどを2004年に開設しています。近い将来、車椅子ダンスのクラスも作りたいと構想を練っています。
今日のシニアクラスの出席者は男性4人、女性11人、それに矢野さんの男性助手1名、女性助手2名が加わっています。まず、ストレッチ運動から始めます。身体をよく伸ばして暖めます。
矢野さんはしきりに「無理しないでください。自分で出来ると思うところまでにしてください。」と声をかけています。しかし、メンバーたちはらくらくと手足を伸ばしたり曲げたりと慣れたものです。10分後にはフォークダンスのような動きのメレンゲ。順送りにペアを換えながら踊るのです。リーダー(男性役)が足りないので女性助手と女性メンバーのうちの何人かが変わりばんこに男性役を務めています。
矢野さんから次々と質問が出てはそのリズムの曲に変わります。「ワルツにはどんなステップがありましたか。」「ルンバは?」「チャチャチャのリズムは?」「はい、ペアを換えて。」「リーダー役は女性役より倍難しいから、せめて女性は自分のステップをしっかりふんで。」「手を伸ばすときは、まっすぐ伸ばさないと盆踊りになりますよ。盆踊りも楽しいけど、いまはダンスにしましょう。」先生の冗談に皆笑いながらの和やかな雰囲気。
一年に何度か飲み物とお菓子持ち寄りのパーティーをします。今日はその日です。ステップを復習し終わって一汗かいたところで、休憩して喉をうるおしているメンバーに話をきいてみました。Tさん(80歳)は以前20年も社交ダンスをしていました。このアメリカン社交ダンスのシニアクラスが始まった当初にご夫婦揃って入会して、毎週のレッスンを楽しみにして参加しているとのことです。Tさんはすらりとした細身の体型。まだ若い矢野先生に負けないほどのダンディーさです。勿論ステップも軽やか。こんな風に年を取れたら素敵だなというお手本のようです。Tさんは「健康維持にもいいし、第一、楽しいですからね。」といいました。
60代後半の女性Mさん、なれた雰囲気で踊っていたので、いつ頃からはじめたのか尋ねたら、「まだ、二ヶ月です。」という返事に驚きました。「先生が楽しく上手に教えてくださるので、基本のステップを覚えたら、もういつの間にか踊れるようになったのですよ。」と嬉しそうに答えました。さまざまなリズムの音楽に合わせて踊っているメンバーを見ているだけで、こちらも自然に体が動いてしまいます。みんな異口同音に言うのが「楽しい!」の一言でした。健康になれてしかも楽しいなんて、素晴らしい!
週一回の練習で、費用は一回一時間半で800円。入会金は必要ありません。練習場所はここ世田谷桜新町区民集会所が主に使われますが、たまに抽選に外れると、ほかの場所になることもあるとのこと。世田谷区民である必要はなく、どこの住民でも歓迎すると矢野さんは言います。矢野さんは「シニアクラスは65歳以上としてきましたが、団塊の世代の方々も迎え入れたいので、これからは60歳以上にします。」といいます。
帰りしなに、先ほどのまだ始めて2ヶ月のMさんが走り寄ってきて、「みんな親切な仲間なのよ。もっともっとたくさんの人に入ってもらって仲間を増やしたいわ。」と少女のようにいいました。
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代表:ヨシ矢野
<リポーターの独り言>
昔、フレッド・アステアの映画を見て、あんなに踊れたらどんなに楽しいだろうと思ったものです。でも、男の子とペアを組んでダンスを踊るなんて、許されなくて、とうとう、今に至っています。いまからでも遅くはないかしら?!
(徳重 富士子)