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『世界に一冊しかない本』ができました!

2007-09-16 21:11:27

〜 続日本聞き書きボランティアの実践場面 〜

昨年「のんびる」12月号、そして12月5日のブログで「日本聞き書きボランティア協議会」の活動をご紹介しました。そしてその実践活動を本年4月1日のブログでお伝えいたしました。「日本聞き書きボランティア協議会」は“人は物語を創り、その物語のなかで生きていく。「聴く」ことは分かちあうこと、「書く」ことは自分を知ること。人は必要とされてはじめて、生きることの意味を発見する。”の信念のもと、お年寄りが語る人生を聞き、手作りの冊子 〜『世界に一冊しかない本』〜 を作って贈る「聞き書き」のボランティア活動をしているのです。

そして4月から聞き取りが始まっていたお年寄りの中村博子さんのご本が今月9月に『世界に一冊しかない本』としてでき上がりました。

SunShine1.jpg


週に一回一時間ほどの聞き取りを4〜5回ほどして、テープをおこし、原稿をまとめ、本に仕上げるという大変な作業をこなします。そして今回の中村さんの場合は94歳という高齢でもあり、中村さんの腎盂炎だのインフルエンザだの下痢だのでの入院といろいろな体調の悪さに阻まれて聞き取りがなかなか予定通り進まず、聞き手の秋山希美子さん、書き手の内藤千佳子さんはずいぶんとご苦労なさったと思います。中村さんの記憶もあまりよみがえらないようで、二人の娘さんの補足がだいぶ入りました。でも根気よく少しずつ少しずつ書きとめて、完成しました。

ご覧ください。こんな立派な冊子になりました。

HonoraryChaplain.jpg

A6版の74ページにも及ぶ大作です。中村さんと二人の娘さんの会話形式で話が進められています。中村さんは上海での生活が長く、戦後引き上げてきてからかなり苦労されたようですが、こどもによい教育を身につけさせるのが親の残せる財産と考えました。幸い英語が出来たので米軍基地のチャプレン(軍属牧師)の秘書兼通訳をして夫を助けつつ、こども達をミッションスクールに入れて教育しました。その後夫を亡くしてからも仕事を続け、定年を過ぎても請われるままに73歳まで勤めていたそうです。米軍からはHonorary Chaplain(名誉チャプレン)の称号までもらったので、秋山さんと内藤さんは今回の冊子のタイトルを『名誉チャプレン』としました。その受賞の記事の載っている新聞まで一番最後のページに綴じこんであるのにはびっくりしました。

中村さんの娘さんたちは、秋山さんから送っていただいたその本を持って中村さんのところに飛んでいきました。場所は病院です。そうなんです。

Nakamurasan.jpg

今中村さんはまた入院しています。一週間ほど前に夜中にトイレに行こうと起き上がった時ベッドから落ちて大たい骨骨折をしてしまったのです。手術は成功してリハビリが始まっていますが、痛いからいやとなかなか動こうとしないので、歩けなくなると娘さんたちは心配しています。この半年ほどで認知症的な症状が進んだ中村さんですが、上海の戦前有名だった建物のブロードウェイマンションの絵と『名誉チャプレン』というタイトルのついた表紙の本を見せたら「あら!」と目を輝かせていました。

聞き書きをしてこの本を作ってくれた秋山さんと内藤さんには、二人の娘さんたちはどんなに感謝しても、し足りないくらいの気持ちだといっています。「終戦や引き上げで随分苦労した母の半生をこんな立派な形にしていただけましたのは娘といたしましては、とてもうれしくて一生大切にしていきたいと思います。母がもう少しはっきりとしておりますうちにお願い出来ていたら、という思いもなくはありませんが94歳の今の母を映し出すものとして、最高のプレゼントとなりました。心からお礼を申し上げたいです。」と言っています。本当に家族にとっては何物にも変えがたい贈り物でしょう。

改めて秋山さんたちの「日本聞き書きボランティア協議会」の活動のすばらしさに感激いたしました。秋山さん方のますますのご活躍を心よりお祈りします。

■日本聞き書きボランティア協議会■
代表 秋山 希美子

■ホームページ■
http://homepage2.nifty.com/kikigaki-volunteer/

■問い合わせ先■
〒208-0013 東京都武蔵村山市大南4-21-31 2-206
多摩支部 岩本 紀子
noriko.iwamoto@nifty.com
Tel/Fax:042-562-9802

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Posted by 徳重 富士子 at 2007-10-31 02:25:05

曽根原様
来春のご出版を楽しみに待たせていただきますね!

Posted by 曽根原 at 2007-10-30 21:01:05

私が歩けなくなった経緯等、少しまとめてあります。ご関心お持ちいただけるようでしたら。

Posted by 徳重 富士子 at 2007-10-18 04:26:28

曽根原 さま
ご無沙汰しております。「学び隊」の例会に伺いたいのですが日程がなかなか合わなくてお目にかかるチャンスもなくて残念です。うまく予定が合いますようひたすら願っております。

すばらしいお仕事をしていらっしゃるのですね。来年春にご本が出版されましたら、お教えください。是非読ませていただきたいです。それから自叙伝、お書きにならないとのことですが、私もその気にはなりません。素直に自分をさらけ出せるかどうかわからないので、少しでも取り繕ったり,誇大だったりしたら、嘘になるからと思ってしまうのです。では、お目にかかれる日を楽しみに致しております。

Posted by 曽根原 at 2007-10-17 18:07:08

いつぞやはありがとうございました
私、実は、金融機関での翻訳が本業なのですが、いくらか障害者関係の翻訳も手がけております。5月から9月までは、英国の大学で使われているテキストを150枚程度。全体は600枚以上で数人で分担しました。本業もありますので、一週間の夏休みと土日はほとんどこれにあてました。これから、言葉のすりあわせなどの編集作業があり、空中分解しなければ、来年の春に出版予定です。その中に自己認識を確立するための自伝、自叙伝の重要性ということが出ていました。私自身は書こうとは思いませんが。

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