「NPO法人 生活支援ネットワーク こもれび」の活動(3)
「こもれび」の知的障がい者のデイサービス『はっぴー』の利用者Hさん(20代後半)の『バレンタインデー』という詩を前回ご紹介しましたが、他にも素敵な詩が沢山あります。
いただいた詩集は13センチ×17センチのピンクの画用紙で綴じてあって、表紙を入れて14ページ、11篇の詩が入っています。ピンクの表紙の真ん中にはフエルトのハートが貼り付けてあってペンネームの「みらい」というサイン入りです。
最初のページを開くとHさんの直筆で
みんなのこころは ひとつ
と書いてあり、さらに付け加えて
詩はとても楽しいものです。
是非皆さんも、自由にかいてみてください。
みらい
とあります。
ぱらぱらとめくっていると、ひとつ目にとまった詩がありました。
とびらをあけて
今あたらしいとびらを開けて
誰も知らない世界を歩いてみよう
そこには
どんな花がさいているのかな
たのしみだね
それはたぶんみんなの
こころが
きれいになるような
花がさいているよ
あたたかくて
きもちがいいよ
そしたらそののはらをあるいてみよう
あるいたら
つぎのとびらへと
すすもうとするきもちがわいてくるから
私は声を出して朗読してみました。読み終わると、作者のHさんが「人に読んでもらうと自分の詩じゃないみたい!」といって、人懐っこい笑顔で私に微笑みかけてくれました。
Hさん、あなたはすでに新しい扉を開けて、心がきれいになるお花をみつけているのですね!その笑顔がそれを語ってますよ、と心の中で言いながら次の詩を読みました。
がんばったよ
つよくなれなかったよ
ごめんね
自分であるきはじめたのに
ほんのすこししかあるけなかった
つよくなれなかった
でも、これでもがんばったよ
ゆるして
また、にっこりした顔が目の前にありました。「わたしもがんばってもうまくいかないことがあるわ。みんな同じね。でも、がんばろうね。」といったら、こっくりとうなずいてくれました。
横で聞いていたSさんが「わたしがパソコン打ったのよ。」と自慢します。「すごいわね!じょうずにできるのね。」とほめたら、とても嬉しそう。この二人の仲良しぶりはそばにいる人に暖かな思いをくれます。無口のAさんも黙って、でも、ニコニコと見ています。このデイホームには血が通っているなと思いました。
「地域で暮らす人が当たり前の生活を当たり前に送ることが出来るように」との思いでNPO法人生活支援ネットワーク『こもれび』の代表楳田(うめだ)美紀子さんがその活動の一環として設立した知的障がい者のデイホーム『はっぴい』は確かに「当たり前の生活を当たり前に送る」環境づくりに成功していると確信しました。そして各人の持っている特性を無理をせずに自然に引きだしていました。
(徳重 富士子)