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都会に残されたオアシス『東大農場』(3)

2007-11-22 21:19:56

        「ああ、私は生きている!」

『東大農場のみどりを残す市民の会』の見学会に参加しました。毎月第一金曜日10時から二時間行われます。九月七日未明に台風9号が関東地方に上陸し、まだその余波で雨風が残っている朝でしたが、予定通り見学会が開催されました。会側も入れて合計9名の参加となりました。

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普段は30〜50名が集まるといいますから台風のせいで少なかったというわけです。傘をさしながらの見学ですが、参加者はそんなのは物ともしません。

植物学者ではないかと思うほど農場の植物や昆虫を知り尽くしている会員の緒方信子さん。

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畑の作物も、藪の中の潅木のことも、演習林の木々のことも、昆虫も、蝶々のこともよく知っていて、同じどんぐりでも、これはくぬぎのどんぐりとか、あわとキビの見分け方だとか、「かわいい花なのにへくそかずらなんてかわいそうな名前でしょ。」とか面白おかしく話してくれます。このように会員が毎回農場内を案内してくれるのです。この話を聞くだけでも見学会に参加する意義は大きいと思いました。
「田無」という名のとおり田んぼがないこの地にある田んぼには黄色くなりかけた稲が、今日の嵐で倒れかけています。「ここだけ、田有りなのに、こんなに稲が倒れちゃ大変だわ。はやくおこしてやらなくちゃ。」と冗談交じりの本気で心配する緒方さん。演習林の中では、強風で大きな枝がたくさん落ちていると、どんぐりがいっぱいついているのを拾って持ち帰り大きな花瓶にいけると素敵と教えてくれます。

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普通の植物好きの主婦が自然を見に通いつめている間に、学芸員のようにこんな立派な先生役を果たすようになりました。

昭和10年にこの農場が開かれた当初から残っている20棟あまりの建物の価値を学術的に調査して歴史的建造物として保存すべきと東大側に進言したのが、自身も一級建築士である久野雍夫さん。

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牛舎、堆肥室、糞尿運搬用に設置されたトロッコレール、サイロ等、貴重な建物と農機具などを懇切丁寧に説明してくれる。現在こそ、建物の耐震性が大きな問題として取り上げられますが、ここの建物はしっかりと耐震構造になっているというような専門家から見た説明もわかりやすいものです。

宮崎代表は「貴重なみどりを残したいという市民の願いがかなって、とてもうれしいです。 一方、残した責任も大きいと感じています。」といいます。

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今日の見学会は41回目ですが、移転中止決定後の初めての見学会。「雨なのに物好きなといわれるかもしれませんが、自然は雨でもよいのです。雨の時、風の時にしかあえない何かがありますから。」(宮崎代表)ということで、雨天でも通常は見学会を決行します。「子供対象だけでなく、第三火曜日に緒方さんを講師に大人対象の観察会も続けます。東大との連携の農場塾ももっと発展させたいです。農場で取れる五穀米を利用して市民に開かれた食育の拠点にもしたいです。」と宮崎さんの夢は果てしなく広がります。

「このみどりを存続させるために、地域の人々が東大とともに手を携えて考えていきたいと考えております。現段階では、今日のような見学会を定期的に開いて、この貴重な自然をより多くの人に知ってもらおうと思っています。同時に、農場内の学術的にも貴重な建物をミュージアムのような形にして保全する方法を考えています。」と事務局長の中村さんは言います。

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見学会参加者の3人はみんなリピーター。今度は写生にも来たいと言ってます。みんな自然大好きの主婦たち。

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男性のIさんは、署名運動で毎日農場に通った功労者。毎日ダチョウに会っているうちにダチョウもIさんが来ると走りよってきて一緒にダンスをするようになったそうです。

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同じく男性のSさんは農場塾生で、嵐で倒れたひまわりが心配で、おこしにきました。大好きな自然を残さねばという気持ちはみんな共通です。

<リポーターのつぶやき>
「嵐の中でも集まる物好き」とはよく言ったもの。でも、その気持ちが理解できました。靴が半分泥の中に埋まっても、かぜで帽子が飛ばされそうになっても、かさなんかささなくても、あの広々とした自然の中でさまざまな植物に囲まれて深呼吸をすると、ああ、私は生きていると思えるのです。宮崎代表の言うとおり、都会のビルジャングルの中の雨や風の時とは異なるもの、雨の時、風の時にしかあえない何かがここにはありました。

(徳重 富士子)

基本情報:  
団体名:東大農場のみどりを残す市民の会
所在地:東京都西東京市
事務局住所:〒188-0012 東京都西東京市南町1-6-8 中村賢司 方  
事務局Tel/Fax: 042-464-1157
HP:http://satoyama.gwt.jp
事務局E-mail : kenjin_2002@ybb.ne.jp
活動拠点:東大農場(東京都西東京市緑町1-1-1)

活動拠点アクセス:
東大農場
西武新宿線「田無駅」北口下車。大通りを北へまっすぐ歩いて、
新青梅街道を渡り突き当りが所沢街道に面した正門。徒歩7分。

見学会:     
毎月第一金曜日 午前10時〜12時
東大農場正門前集合
                            

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