〜京都醍醐寺と奈良談山(たんざん)神社の紅葉〜
この秋の紅葉便りは京都醍醐寺と奈良談山(たんざん)神社からお届けします。
<京都醍醐寺>
京都山科の醍醐寺は、秀吉がお花見をしたという桜で有名なお寺ですが、秋の紅葉もすばらしいものです。紅葉の時期の京都は異常な混み方でいつも大変ですが、山科は中心街から少し外れていてアクセスももうひとつのせいか、あまり混んでいなかったのでほっとしました。
本堂から見渡すお庭は松と岩が中心の回遊式庭園なので紅葉する木は見られません。
バリアフリーの観点からは、醍醐寺全体がやはりちょっと難しいところで、広い境内は山の上まで続き丘の斜面に沢山のお堂が点在しています。
山道で石がごろごろとしていてなかなか歩きにくいところです。秀吉が好んだという桜並木の参道も“太閤さま”がお歩きあそばされたとは考えられない山道でした。おそらく駕籠で登ったんでしょうね。
さまざまなお堂の中で紅葉がひときわ美しかったのは、弁天堂でした。目の前の池に写るもみじとお堂はまさしく絵のようでした。
今度は桜の時期に来たいものです。
<奈良談山(たんざん)神社>
談山(たんざん)神社は奈良駅から桜井線で30分、JR桜井駅で下車後、さらに30分ほどバスで山道を登ります。ここは、7世紀に中大兄皇子(後の天智天皇)が藤原鎌足と極秘に談合し大化の改新を行った地といわれています。藤原鎌足を祀り、十三重の塔が建てられています。この塔の周りの紅葉が見事です。
今年はいつまでも暖かくて雨もあまり降らなかったので、例年に比べてもうひとつと聞きましたが、それでも実に美しい色とりどりの綾錦でした。
カナダもニューイングランドも紅葉は美しいと自慢しますが、この繊細な彩りは日本にしかないと改めて日本人に生まれた幸せを感じました。
こんなに足場の悪いところなのに、(足場が悪いからなのか)団体バスが何台も来ていたので、人が多くて少々残念でした。それに本殿まで二百段近い石段を登らねばなりません。あの美しいもみじに囲まれた十三重の塔は足の悪い人たちには見せられないのです。桜も紅葉も短い期間しか楽しめないので、人が集中しますが、その期間中にしか見られないからこそ、そのはかなさゆえに人は尚、惹かれるのでしょうか。
自分がだんだん年をとって、足が悪くなったらこの美しさも写真でしか見られないのかという思いを新たにしました。
(徳重 富士子)