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私たちの地域に暮らす難民へ、暖かいまなざしをおくろう

2008-09-14 14:53:18

難民も同じ地域の仲間

前回のブログでご紹介した「難民の人々に故郷の料理を教わろう」を企画したのは、東京都多摩地区在住のフリーライター、通称Yaoyaoさん。難民支援ボランティアをされています。企画したきっかけや思いについて、お話しをうかがいました。

少し硬い話題ですが、おつき合いくださいね。

《Yaoyaoさんが難民の方と出合ったきっかけは?》

紛争や迫害などで国を逃れた難民を、手弁当で支援している弁護士さんを取材したことでした。
「難民の方が、こんな身近にいるんだ!」と、私も初めは驚きました。
日本にいる多くの難民が、難民認定を受けられないまま、毎月決められた仮放免の更新の手続きに、収容場(関東では、品川や牛久)に出向きます。

仮放免の更新が無事に通ればまだいいのですが、パスしなければその場でいきなり数年間拘留されたり、ときには強制送還されることも。そうなれば、命はないも同然。

今回は大丈夫だったけど、次回はどうなるかわからないという常に不安な状況。出頭日の数日前から眠れなくなるという人や、不安が嵩じて精神的に不安定になってしまう人もいます。

《具体的にはどんな支援を?》

私たち難民支援ボランティアは、そんな不安な思いを抱える方たちの出頭に付き添ったり、家を訪ねたり、招いてあげたり、話しを聞いてあげたりしています。
私は支援団体などの組織に属しているわけではありません。ただ、同じような活動をしている者同士で、ヨコのつながりは自然にできていますね。

yaoyao.jpg

《なぜ、難民支援をすることに?》

取材して記事を書くジャーナリズムの世界で仕事をしていたのに、そんな世界ですら、なんか風通しが悪いなという思いがずっとありました。価値観の違う人や、はみ出た人を阻害するような、そんな息苦しさに違和感を持っていました。

阻害された難民は、まさにその象徴。彼らとの壁をとっぱらい、いろんな人や多様な人を受け入れたほうが社会としてはおもしろいし、自由で楽なんじゃないかと私は思うんです。彼らと関わることで、そんな思いを少しでも実現させてもらっているのだと思います。


《難民の方々との料理教室を企画した経緯は?》

難民支援をしていくうちに、難民のおかれた現状を何とか社会に伝えたいと、写真月刊誌「DAYS JAPAN」の2005年2月号に記事を書きました。

dayjapan.jpg

当時、3〜4万人ほどを受け入れるヨーロッパの国もあるのに比べ、日本での受け入れ(認定)は20〜30人でした。難民不認定となったクルド難民の2家族が身の危険を顧みず、訴訟を起こしたことを記事で紹介し、いかに日本は難民にとって冷たい国かを書きました。

でも、発表された自分の記事を見て、なんか紋切り型で、自分でも暗さばかりがクローズアップされた感じ。難民の人たちを応援したいけど、自分が楽しくない。可哀想な彼らを救おうと、私はただ言いたかったんじゃないと、気付いたんです。

苦しいことをアピールするだけではなくて、違う国の人たちの暮らしや文化、生活など彼ら難民がいることで、私たち日本人も楽しいとかおもしろいとか刺激を受ける、そんなプラスの面を伝えたいんだってわかりました。

《料理を通して彼らを知ってもらいたい》

本当は難民の人たちの故郷の料理について、雑誌か何かで伝えたいと思っていました。それを仕事で知り合った人に話したら、「じゃ、とりあえず料理教室の形でやってみたら」と勧められて、それで実現しました。

お料理って、例えばイランの人の場合、茄子を日本ではそういう組み合わせでは調理しないなというような、驚きがあったりします。
そんなふうに私自身、難民の人たちと接することで新しいことを発見したり、今まで見なかった映画や本を読むようになったりと、これまで味わうことのない体験をします。

奉仕しているだけでなくて、私自身の世界が広がり、与えてもらっているほうが多いと今感じます。
難民の方々と接すると、明日をも知らない状態でよくやっていけるな、こんなに何も無くても暮らしていけるんだと、逆に勇気をもらいます。

《料理教室をして、反響は?》

ふだん出会うことのない料理なので、皆さんとても興味津々。それと、難民の方たちのことを紹介すると、「今まで何も知らなくて申し訳なかった」とか、「難民の人がそばにいるなんて驚いた」とか感想をいただきます。
料理が、彼らの暮らしを手っ取り早く理解できる手段ではないかと思います。

難民の人が、身近にいるの?!と、素朴に驚いている人も、こういう料理教室を経験すれば、ニュースで報道があったときなどに、ミャンマーのシャン族って、あの時一緒に料理を作ったあの人達なのねと、心にひっかかってくれたらうれしいですね。



《現在もまだまだ難民には厳しい国》

偶然にも本日、9月14日(日)付朝日新聞朝刊に、【風穴広がる「難民鎖国」】という記事が載っています。
難民鎖国をしていた日本に風穴が開くと表現されるのは、今まで難民認定審査に長いと2年もかかっていたのが、6カ月を目指すと法務省が名言したこと。さらに、「今年7月、他国の難民キャンプから難民を受け入れる「第三国定住」の導入を決めた」ことが根拠です。「早ければ2010年度にも第一陣が到着する見込み」とあります。

この程度ではあっても、政策的にはわずかに難民受け入れのハードルが下がりつつあるようで、私たちが難民の人たちと接する機会も増えそうです。

他国の人の行動や言動が自分たちと違うと驚くし、もめ事やトラブルの種になったりします。でも、目の前の行動ではなく彼らの文化や生活などの背景を知ることで、受け入れられる幅も広がると思います。

Yaoyaoさんのように、支援ボランティアをして自分自身の世界が広がるという思いを抱くまでには至らなくても、せめて地域に暮らす難民の方たちを快く受け入れられる、心のバリアをフリーにする、そんな気持ちになりたいですね。

NPO法人難民支援協会http://www.refugee.or.jp/のHPでは、難民についての情報を知ることや、募金もできます。

また、以下のサイトで、ショッピング募金ができます。

http://www.ekokoro.jp/
ショップの数も有名デパートや、コンビニエンスストア、スーパーなど30店舗近くあり、こちらのHPから会員登録をして買い物をするだけの違い。どうせ同じ店で同じ物を買うならば、募金も一緒にできる方が、自分も少しいい気分になれます。
プレゼントや本、CDなど多種多様な商品が買えますから、ネットショップをする時には、思い出してくださいね。

(吉田和子)

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