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地域とつながりながら暮らす〜高齢者のためのコミュニテイハウス「ほっと館」

2008-07-19 11:28:35

地域とつながりながら暮らす--高齢者のためのコミュニテイハウス「ほっと館」

「歳をとっても自分のペースで暮らしたい」。
そう言っていた高齢者も、結果的には施設に。理由は、「家族やまわりには迷惑をかけたくない」。「家族が疲れてしまった」「身寄りがいない」などなど。
当時ヘルパーとして働いていた毛塚さんたちは、そんな現実を目の当たりにして、なんとか家族に負担をかけずに「自分のペースで暮らせる」そんな住まいを作れないか・・・。
そんな思いを実現したのが、高齢者コミュニテイハウス「ほっと館」(江戸川区)です。

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ほっと館の2〜3階が住居になっていて、それぞれ個人の部屋(10室)・共用のキッチン・リビング・風呂・洗面所・洗濯場。訪ねてきた家族が泊まれる部屋も用意。自分で食事を作って食べる方、下のレストランに食べに行く方、食事もそれぞれのペースです。

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【プライベートルーム】

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【ここで自分で調理して食べたり、仲間とつながれる場でもあるリビングダイニング】

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【自分の部屋のドアの外にマスコットを下げて、在室(左)、外出を皆さんに知らせています】

また、日々の暮らしをサポートする生活コーディネーターの存在も心強く、地域との医療機関との連携もあります。個人のプライバシーや暮らしのペースを守りながら、一人の不安や心細さを解消するようにできています。

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【「ほっとマンマ」の染谷さん(左)と、事務局長の毛塚さん】

「施設では、どうしても自分のペースでの暮らしを守ることはむずかしくなります。それに内部で完結することが多く、外の地域とのつながりも希薄になりがちです」と、毛塚さん。

ほっと館は、自分らしく暮らしつつ、人や地域とかかわりを持ちながら暮らせる住まいを目指しています。
そんな地域に開かれたコミュニティ空間としての役割を果たすのが、『のんびる』7月号でもご紹介したコミュニティレストラン「ほっとマンマ」です。(ほっと館の1階にあります)

時には居住者の方のダイニングでもあり、外部の方にとっては街のレストランでもあります。

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【「飾ってください」と持ち寄られる花や絵などで、いっそう安らげる空間になっているレストラン「ほっとマンマ」】

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【スタッフの暖かい心遣いがあふれる夕飯。写真には写っていませんが、左側には一般のお客さん達がいらっしゃいます】

近くに住むご夫人が毎晩、夕飯を食べにいらっしゃいます。取材当日も、居住者の方達のテーブルに、同席。わいわいと賑やかな夕飯風景でした。
「私たちの年代に合う味付けなんです」と、皆さんおっしゃいます。

手づくりの家庭料理のおいしさ、スタッフ達の暖かい心遣い。まさにお腹も心もほっと温まるコミュニティレストランです。
展示会や住まいに関するセミナー、コンサートなどを開催し、楽しみや知恵を共有し、育ち合うスペースでもあります。

高齢者の住まいの一例として、ほっと館での暮らしぶりを一度のぞいてみてはいかがでしょうか。

NPO法人ほっとコミュニティえどがわ
(吉田和子)

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新しいことに挑戦するオトコ達。料理教室「いろはの会」

2008-07-12 07:07:35

地域デビューしたお父さん達、輝いています--「新しいことに挑戦」で豊かに広がるセカンドライフ

『のんびる』6月号の特集でも『厨房デビュー』で男性のための料理教室が紹介されていました。最近は、あちこちにあり、小平市にもそんな男性の料理教室があります。名前は「料理いろはの会」。でもスタートは今からなんと21年も前、まさに先駆け的存在です。

「そう、その頃はなかったです。妻に先立たれ、食事を簡単な物ですましている毎日に、自分の食べている物は食事ではなくエサだと思ったんです」と、この会を立ち上げた、会長・眞田三喜彦さん(84歳)。

「薄味の物を食べたくても作り方がわからない。そこで社会福祉協議会に相談に行きました。そしたら女性の料理教室を紹介されたんですが、どうもなじめなくてね。で、お隣の小金井市にある男性の料理教室を見学して、じゃ小平市でも作ろうって」

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【会長の眞田三喜彦さん】

たまたま、そのときボランティア登録をしていた二人の女性が講師になってくれて「そのお陰で21年間、この会が続いています」と会員の方々も感謝を表します。
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【栄養士の中山幸子先生が細やかに指導されます】

月2回の土曜日の午後1時から、20名前後の人たちが中央公民館の調理室に集まってきます。
取材日のメニューは、「とり高野、キュウリの酢の物、すまし汁、水羊羹」

まず先生が今日の料理の作り方をまとめて説明。すごい! デモは無しなんですね! 
出来上がりを見なくても、説明が終われば、2〜3人1組で調理台に向かい、作業にとりかかります。

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皆さん手際よい! 
でもときどき「あれ? 次どうするんだっけ」と独り言を言いながらレシピを見ては、また真剣に取り組みます。
「ちくわの切り方説明しなかったけど、大丈夫? 小口切りよ」と栄養士の山中先生が言うと「小口切りね」。OKとばかり頷き、なかなか慣れた感じです。

女性の料理教室は、なんとなく殺気立った雰囲気が感じられる時がありますが、こちらは真剣そのものだけど、喜々として取り組んでいます。この雰囲気、何かに似ているなぁと思いましたが、子ども達の工作作りの雰囲気です(失礼!)。

「自分で作った物には、文句言えないよね。作ってもらっていただけの時は、言ってたけど、へへへ」と笑う藤原さん。

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料理っておもしろいですよ。ボクは作りますよ。仲がいいお宅は作ってもらえるからいいよなぁ」と冷やかす石田さん。

「作って楽しい、食べて楽しい、そしておしゃべりが、なお楽しいんです」と荒川さん。

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【「は〜い、手早くね」とお母さんのように指導する配島先生】

1つのテーブルで、「あ、先生ショウガ汁を入れ忘れた!」という声が。
「じゃ、先にお腹へ入れちゃえば」なんて隣のテーブルからはチャチャが入ります。
「鍋の中の煮汁に入れちゃえばいいわよ」と先生も臨機応変。
「こういうことがあるから、楽しいね」と、ときどき他のテーブルに神出鬼没の眞田さん。
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にもかかわらず84歳の眞田さんと、85歳の田中さん(左)ペアーは、手際よくいつの間にか4品がほぼ完成。

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余裕の眞田さんは、台ふきんで各テーブルを拭きまくっています。面倒見のいい会長さんがいるから、みんなも気持ち良く楽しめるんですね。

「なんか競争になっちゃうんだよね〜」さっきまで近づくのもはばかられるほど真剣に取り組んでいた男性が、別人のような柔和な笑顔で話しかけてきます。

「奥さんがいるときは、作らないよ。かなわないもん」とチラッと男性のプライドをのぞかせる言葉をはくメンバーも。

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配島先生に21年もボランティアを続けて来た魅力をうかがうと「知り合えないような地域の人と知り合うことができて、お金で買えない財産ができたと思っていますよ」。

「一人500円の予算で、簡単にできるメニューを考えてます。あまり長いこと立ち続けるのはしんどいでしょ」と、中山先生。毎回そんなレシピを考えるのはさぞや大変だろうと思います。先生お二人にとっても、人生の財産だからこそ、無償のボランティアでも続けてこられているのでしょうね。

ボリューム満点の料理が出来上がりました。
「おいしそ〜!」と感動の声をあげる私に、「必ず毎回、デザートも作るんですよ」と誇らしく語るメンバー。
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【作り終わった調理室も、あっという間にこのとおり】

さぁ、会食の時間です。
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【水ようかんもなめらかで、おいしいっ!】
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今回が通算で495回。500回記念の節目には、市長や社会福祉協議会の方々をお招きして「私たちがホストになって料理を食べてもらうんですよ」と眞田さん。
「じゃ、リハーサルしなくっちゃね」と食事をしながらまたまた盛り上がります。

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15年ほど習っている田中さん(85歳)は、毎日3食を作っているそうです。「同じ物が重ならないように変化をつけてますよ。苦じゃない、楽しいですよ」と、いい笑顔です。

実際に家で料理をする人は少ないようですが、料理を習うことで「洗い物が苦にならなくなった」「妻がいない時は自分の食べるもの作りますよ」という声が多く聞かれました。

女性に比べれば、食事後のおしゃべりもあっさりした感じ。でも、「どう? そっちのも味見させて。やっぱりオレ達の方がおいしいや」なんて軽口をたたいたりできる、そんな仲間にひととき会える、そういう時間を楽しめる場があることが日々の暮らしの張りになるのだろうなと思いました。

料理という新しいことに挑戦しているからか、皆さんお元気!
それに料理のほかに、いろんな活動をされている方が多いそうです。きっかけは料理、それが人とのつながりや、自分の世界をより豊かに広げてくれるのだろうと思いました。

(吉田和子)

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「江戸しぐさ」という魔法で心がホッコリ〜

2008-07-04 13:54:32

「江戸しぐさ」という魔法で心がホッコリ〜

公共広告に使われたり、マナーの基本として最近よく「江戸しぐさ」が登場しますね。

地域デビューに限らず、人付き合いを円滑にするための知恵やヒントがいっぱいありそうだな、と思っていたところ、西東京市で「江戸しぐさ」講演会があると知り、参加してきました。

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開催したのは「西東京明るい社会をつくる会」。お互いの思想、宗教、政治などその違いを認めつつ、平和で暮らしやすく明るい社会をつくろうと活動している民間の任意団体です。挨拶運動や使用済み切手の寄付、チャリティコンサート開催など、地域の活性化や、社会奉仕活動などを中心に活動しています。

今回の講師は、NPO法人「江戸しぐさ」所属の語りべ・辻川牧子さん。現在、全国の小中学校や、企業などの新人研修などで「江戸しぐさ」を伝える活動をしています。

300年近く平和で穏やかな暮らしが続いた江戸時代……と、語りべ・辻川さんの美しく響く声と歯切れのよい美しい言葉で、話は江戸の時代背景から始まりました。

江戸の人口は100万〜130万人といわれ、当時世界でも最大級の大都市です。その人口の約4分の1が商人。日本各地から集まったそんな商人が、言葉や習慣の違いを越えて、安泰で商売が繁盛する社会環境を作ろうと知恵を絞り、磨き上げたものが、江戸しぐさ。「商人しぐさ」「繁盛しぐさ」ともよばれ、口伝された商人道の奥義、つまり商売繁盛のための非公開の「コツ」のようなものだったそうです。それがいつの間にか磨き上げられ、お互いに心地よく暮らすための江戸町人の生活の知恵になりました。

今「粋」という言葉はおしゃれというような意味で使われますが、当時「粋」であることは、いきいきと生きるの意味があり、お互いに気持ち良くあること、そして世の中のためになることが最高の「粋」であると考えられていました。

そのためには、自分の立場をわきまえ、「約束は守る」「人の意見は尊ぶ」、その人の職業や持っているものの大きさで人を判断することは、とても「下品」「野暮」なことと考えられ、「この世に要らぬ人は無し」の教えどおり、同じ「人間」としての土俵で生きることを大事にしていました。

また、言葉をとても大切にしていて、心が荒れる=「慌てる」、心を亡くす=「忙しい」という言葉を嫌い、ゆとりや心をなくしてはいけない、ていねいに生きなさいと教えられていました。
「言霊」という考えから物事を引きつける言葉をとても大切にし、「差し言葉」「水かけ言葉」「とじめ言葉」などは厳しく戒められていたそうです。

人はお互いを尊重し、自然も大切にする。行動を伴った精神性の高い生活哲学が行き渡っていた江戸。聞いているうちに、江戸の時代にタイムスリップしたくなります。

別れ際の挨拶も「さようなら」と言って別れ、数歩進んでから別れを惜しむように、お互いに振り返ってもう一度会釈をする、そんな江戸しぐさの挨拶の仕方を、小学生達に教えると、「心が二度ほっこりした」という感想が聞かれるそうです。小さな子ども達にも、十分に伝わるんですね。
また、社内研修で「江戸しぐさ」を取り入れると、3カ月で社内の雰囲気が変わったという報告もあるそうです。

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【参加者が、「傘かしげ」を実演してくれました】

狭い道や席を、お互い譲り合おうという知恵の「傘かしげ」、「肩引き」、「こぶし腰浮かせ」などに代表される江戸しぐさ。帰するところは「相手への思いやり」ということがよくわかります。私たち日本人は素敵な祖先を持っていたんだなぁと、誇らしく嬉しく思えてきました。

最後のほうになると、「江戸しぐさ」という魔法をかけられたように、私も心がホッコリとしてきます。

講演会が終わった後の狭い洗面所。行き交う人々が、お互いを気遣いながらすれ違い、まるで皆も魔法をかけられているかのような何とも優雅な空気が流れます。先を争って、という雰囲気はまるでありません。
「どうか、この魔法が溶けませんように!」と思わず願ってしまいました。

誰かに小さな気遣いをされただけで、心がほんのり暖まります。そうすると、それを誰かに同じように返したくなる。そんな連鎖がどんどん広がれば、ストレスが少なく互いに穏やかな気持ちで暮らせそうです。そういう社会って豊かですよね。

そして、地域デビューにおいても、私たちがほんの少しでも気遣いをし合えば、よりよい人付き合いができ、さらには何らかの形で人や地域の役に立てたら、それは「粋」なセカンドライフと言えそうです。

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辻川さんは、一人でも聞いてくださる方がいれば、「江戸しぐさ」を語りに行きたい、とおっしゃっていました。大人も子どもももう少し相手を思いやれる余裕が持てるように、是非NPO法人江戸しぐさの方たちに魔法をかけ続けてほしいと思いました。

NPO法人 江戸しぐさ
http://www.edoshigusa.org

    ………※………※………※………※………※………

ここで突然ですが1つ、辻川さんから聞いたお役立ち情報を。
こんにちは」をよく、間違えて「こんにちわ」と書く人が多いのですが、これは江戸時代の世辞、「こんにちはよいお天気でございますね」「今晩は静かな夜でございますね」という一文であることを知ると、「は」「わ」と書く間違いはしなくなりますよ、と教えていただきました。

(吉田和子)

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