「定年塾」に集まった人たちは、どんな思いや考えで、暮らしているのか、生の声が聞けるだろうと、期待でいっぱいでした。
その中の数名の方のお話をご紹介します。
【Aさん 男性】
以前から、ノートを家のあちこちに置き、思いついたことをつづる習慣にしているが、定年前の自分へのは、今思うと高すぎたと感じる。定年後、達成できずにどんどん目標を下げてきた。今は小さな目標を短い時間で達成していけばいいんだと、ようやくわかった。
自分の時間を、どうやって過ごそうかと思ったときに、自分の子ども時代好きだったことは何だろうと考え、運動好きだったので、今はテニスをしている。
歴史も好きだったから、そちらのほうの趣味も今広げつつある。夜になって今日の1日はどうだったかなと振り返ってみるようにしている。定年後の生活がこんなに辛いものだとは思わなかった。
〈辛い、という正直な言葉に、共感を持った人も多かったようです。こうでありたい自分と実際行動する自分とのギャップでのもがき。でも、辛さから逃げずに、自分のために考え、工夫している。小さくても自分で目標を立て、実行し、振り返りを実行しているなんて、スゴイなあと、心から感動しました〉
【Bさん 男性】
定年後をボランティア、趣味、こずかい稼ぎのパート仕事、の3本柱で組み立てようと定年前から計画し、退職日の翌日から動き出した。
今は自分でサークルも立ち上げ、日々充実している。定年後は地域とのつながりが何より大切だと思い、仕事関係の人とは一切関係を断ち切る努力をし、実行してきた。
〈準備の良さはもちろんですが、実行力、決断力に、尊敬です。理想的な生活だと出席者のどなたかが言っていましたが、誰かが決めてくれることに慣れていると、いつから、どうする、と自分で計画を立て決断することはかなり難題。捨てたり、切ったりする勇気も必要なんですね。〉
【Cさん 女性】
自分はまだ仕事を少ししているが、退職した夫には趣味を持つ暮らしをしてほしいと思っていたが、ただ何もせず家にいるだけ。
でも家事を頼むと、自分よりずっときれいに上手にやってくれるので、お願いしては感謝と褒め言葉を必ず伝えようにしている。
最近では、これがこの人にとっての趣味なんだと,自分で割り切るようにした。嫌がることは無理に頼まない、必ず感謝と褒め言葉をと実行するようにしている。夫が家に居てもそれが苦にはならなくなった。
〈西田小夜子さんの夫操縦術を、まさに実行している方でした。それに趣味に対するご自分の固定観念を変えることで、自分も楽になっている。「自分が変わる」を実行している方でした〉
【Dさん 女性】
今年、定年退職。朝の9時には家事が片付いてしまう。今日も来てみれば、とてもよかったけれど、この定年塾に来るのにとっても勇気が必要だった。
一人で外食したり、一人で行動ができるようになりたい。趣味やボランティアをしたいけど、一歩が踏み出せずにいる。ボランティアは、どうやって踏み出したらいいかわからない。
〈一歩が踏み出せない気持ち、とても共感を持ちました。一歩を踏み出してみたらその世界は怖くも何ともないのに、踏み出していないから世界が見えず、その怖さに心が縮こまってしまうのでしょうね。
ボランティアをしたいならば、市役所へ行ってその旨を伝えたらいい、というアドバイスが参加者の一人からありました〉
【Eさん 男性】
定年の数年前に,リストラにあい、昼間から家に居るのを近所に知られたくなくて、家に引きこもりがちになった。
お酒が好きでついつい朝からお酒を飲んだ.昼も飲み、夜も飲む。そんな暮らしをして3カ月、妻の「このままじゃ死んじゃうよ」という一言に目が覚めた。
その後公民館の仕事の募集があったので、勇気を出して応募に行ったところで、そこで出会った人が自分の発言に応えて話してくれたことが、とても嬉しく感じられ、それがきっかけで少しずつ、外に出られるようになってきた。
〈慣れていない仲間たち、慣れていない組織に身をおくと、居心地の悪さを感じます。でも、出てみると、思っているほど辛い目には遭わず、予想を遥かに上回るいいことにたくさん出会える、と私も実感します。
この方のような経験をされた人が、定年後、子育て後外に出られずに悶々としている人たちの気持ちに、寄り添うことができ,その人たちの支えになってくれるのだろうと、心強く思いました〉
同年代の人たちが、ほっと心を休めるこのような場があると、たくさんの人から、さまざまな考えや思い、発見、工夫などを聞くことができます。
共感して勇気や元気をもらったり、意外な発見があったり。まずは、このような場からスタートするというのもよいのではないでしょうか。
「定年塾」は、ほぼひと月おきに開催しています。(詳しくは下記URLへ)
http://www.t-net.ne.jp/~t-teinen/