地域とつながりながら暮らす--高齢者のためのコミュニテイハウス「ほっと館」
「歳をとっても自分のペースで暮らしたい」。
そう言っていた高齢者も、結果的には施設に。理由は、「家族やまわりには迷惑をかけたくない」。「家族が疲れてしまった」「身寄りがいない」などなど。
当時ヘルパーとして働いていた毛塚さんたちは、そんな現実を目の当たりにして、なんとか家族に負担をかけずに「自分のペースで暮らせる」そんな住まいを作れないか・・・。
そんな思いを実現したのが、高齢者コミュニテイハウス「ほっと館」(江戸川区)です。
ほっと館の2〜3階が住居になっていて、それぞれ個人の部屋(10室)・共用のキッチン・リビング・風呂・洗面所・洗濯場。訪ねてきた家族が泊まれる部屋も用意。自分で食事を作って食べる方、下のレストランに食べに行く方、食事もそれぞれのペースです。

【プライベートルーム】

【ここで自分で調理して食べたり、仲間とつながれる場でもあるリビングダイニング】

【自分の部屋のドアの外にマスコットを下げて、在室(左)、外出を皆さんに知らせています】
また、日々の暮らしをサポートする生活コーディネーターの存在も心強く、地域との医療機関との連携もあります。個人のプライバシーや暮らしのペースを守りながら、一人の不安や心細さを解消するようにできています。

【「ほっとマンマ」の染谷さん(左)と、事務局長の毛塚さん】
「施設では、どうしても自分のペースでの暮らしを守ることはむずかしくなります。それに内部で完結することが多く、外の地域とのつながりも希薄になりがちです」と、毛塚さん。
ほっと館は、自分らしく暮らしつつ、人や地域とかかわりを持ちながら暮らせる住まいを目指しています。
そんな地域に開かれたコミュニティ空間としての役割を果たすのが、『のんびる』7月号でもご紹介したコミュニティレストラン「ほっとマンマ」です。(ほっと館の1階にあります)
時には居住者の方のダイニングでもあり、外部の方にとっては街のレストランでもあります。

【「飾ってください」と持ち寄られる花や絵などで、いっそう安らげる空間になっているレストラン「ほっとマンマ」】

【スタッフの暖かい心遣いがあふれる夕飯。写真には写っていませんが、左側には一般のお客さん達がいらっしゃいます】
近くに住むご夫人が毎晩、夕飯を食べにいらっしゃいます。取材当日も、居住者の方達のテーブルに、同席。わいわいと賑やかな夕飯風景でした。
「私たちの年代に合う味付けなんです」と、皆さんおっしゃいます。
手づくりの家庭料理のおいしさ、スタッフ達の暖かい心遣い。まさにお腹も心もほっと温まるコミュニティレストランです。
展示会や住まいに関するセミナー、コンサートなどを開催し、楽しみや知恵を共有し、育ち合うスペースでもあります。
高齢者の住まいの一例として、ほっと館での暮らしぶりを一度のぞいてみてはいかがでしょうか。
NPO法人ほっとコミュニティえどがわ
(吉田和子)