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高齢者の終末期医療―胃ろう(PEG)

2008-02-05 07:56:58

先週に引き続き、胃ろうのお話です。

高齢者の終末期における栄養摂取方法別平均余命
東北大の研究
脳血管障害や、痴ほうの進行で食事ができなくなった高齢者の生存期間についての研究。
岩手県内の老人病院で三年間に亡くなった105人
経管栄養(鼻からのチューブ、胃ろうなど):1年11か月
点滴(腕などの静脈からの低カロリー点滴):2か月

ある病院の場合
04年4月〜05年3月にある院で亡くなった患者155人(死亡時の平均年齢86.2歳)
(1)経管栄養をつけてから、最後まで経管栄養だけの人:約2年3か月
(2)中心静脈栄養:6か月半
(3)人工栄養を選ばない:口から食べられる量が生命維持ぎりぎりになった時から2か月
医師の意見
・脳血管障害の場合、栄養状態が良ければ長く延命する。入院して胃ろうが必要と言われ承諾した家族も、在宅となり介護が長引くと、後悔するケースがあるとケアマネージャーからの報告をうけた。
・食べられなくなった高齢者には、胃ろうなどの経管栄養や中心静脈栄養をすることが多い。我が国の平均寿命が延びた一つの理由であると思われる。
・この処置により今後どのようになるか正確な情報を家族に伝えることが必要。
・胃ろうの家族を介護している者や医療従事者が心身ともに疲れることも多い。こうした現状を真剣に考える時がきているのではないか。胃ろうも最初は「栄養管理」だが、長引けば「延命治療」ということになる。
・胃ろうを造ることが多くなっているが、つくりっぱなしが多いのが問題。意志疎通ができない患者に対しての胃ろうは、とくに注意を要する
・積極的にリハビリをすると、2割近くは経口摂取が可能になるが、胃ろうを一度つくってしまうと、リハビリをなおざりにしてしまうケースが多い。仮に胃ろうを抜去できても、受け皿の家庭における介護の負担という問題もある。
・胃ろうは、栄養管理のツールとしてうまく使いこなせば非常に有用であることは間違いない。だが同時に、一度入れたら最期まで抜けない、延命治療のツールともなっているのが現状。・終末期への備えとして、食べられなくなったときの本人の希望は早い段階から聞いておくことが理想だろう。末梢点滴、中心静脈栄養、経鼻胃管、胃瘻と、栄養経路の選択肢が多くなっている今、患者および家族にそれぞれの利点と欠点を知ってもらった上で、意思を確認することが必要だ。

ある医師が終末期の近付いた患者や家族に渡す文書(要約)
http://www.inetmie.or.jp/~kasamie/EiyouYomei.shtml


飲み込むことの障害すなわち嚥下障害は、肺炎の大きな要因であり、生命に影響が及ぶ危険性も高い。その対策の一つとして、経管栄養(胃ろう、あるいは経鼻経管栄養、管の挿入時にやや“辛さ”を感じます)という手段がある。欧米では、思想の違いからほとんど行われません。
(略)
思想的背景以外にも、「いたずらに長生きさせて、苦痛を長引かせるのは医療費の適切な使い方とはいえない」という考え方がある。
私は、脳梗塞などが原因で、意識はしっかりしているのに嚥下の能力に障害を生じた場合には、経管栄養の施行を積極的に支持。
高齢となり老衰などが主因の嚥下障害の場合には、「延命」的な要素が強いため、経管栄養の施行には消極的な立場(老衰などで自身の力で食事摂取できなくなった時が、天寿ではないかと考えている)。
ただ、経管栄養を施行するかどうかを最終的に決定するのは、ご本人(判断が不可能な場合はご家族)。よく話し合ってほしい。
 
リポーターの独り言
“老衰”でとはいえ、食事が摂れなくかった家族を目前にすれば、「どんな手段をとってでも長生きさせたい」という思いと「それが本人にとっては良いことなんだろうか」「本人はどのように望んでいるんだろうか」といろいろな思いが錯綜する事でしょう。また、家族間でもいろいろな意見が出てくることと思います。
医療者にとことん聞いて、家族でとことん話し合って納得した上で処置をする事が、大切だと思いました。
関係者が一緒に一つの命についてとことん議論する、そのことが、命の尊厳を守ることではないでしょうか。


参考にしたHP
YOMIURI ONLINE:
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/medi/renai/20060927ik02.htm

栄養管理ガイド:
http://www.1eiyoukanri.net/chuushinseimyaku.html

さくらいクリニックホームホスピスケア:
http://www.reference.co.jp/sakurai/hospice1.html

開業医の一日
http://homepage2.nifty.com/kaigyoi/bunnrui1309.htm

高齢者の終末期医療を考える会
http://www.fureai-net.com/syuumatuki.htm#03

最新医療情報
http://www.inetmie.or.jp/~kasamie/EiyouYomei.shtml


(松尾 陽子)

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http://secondleague.net/user/012/012/cwtb.cgi/1156

Posted by 松尾 陽子 at 2008-10-06 08:50:27

カテーテルより胃ろうさん、コメントありがとうございます。ご質問ですが、申し訳ございませんが、私は市民の立場から終末期医療や高齢者の問題に取り組んでおりますので、医療関係のご質問には答える知識を持ち合わせておりませんし、そのような質問に答える立場でもありません。すみません。

Posted by カテーテルより胃ろう at 2008-09-29 13:05:27

現在口からの摂取ができない為、カテーテルにて摂取しています。本当は胃ろうで摂取できればいろんな治療ができるのですが、胃が心臓の後にある為、胃ろうができない状態との事です。同じ患者がいましたら体験とアドバイスを聞かせて下されば幸いです。

Posted by 松尾陽子 at 2008-09-08 15:58:55

胃ろうを医師から勧められたら、どうするか。難しい問題ですね。その人の状態や病気によっても違ってくるでしょう。私が言える事は、家族でよく話し合って下さい、という事です。病院側は、「胃ろうは簡単な手術ですから」と言います。が、手術が問題なのではなく、その後のその人の人生の質が保たれるかどうかという事ではないでしょうか。
そして、その人の人生の質がどうとかという問題も、非常に難しい問題ですね。すみません、答えになっていませんね。

Posted by どうしよう at 2008-09-01 22:51:10

父は五年前、脳梗塞になって ショートステイサービスをうけたりしています。 この前、サービスをうけている最中 誤燕を起こして入院しました。その後、肺炎を起こし 今、胃ろうをつくるか病院から選択を迫られています。父は意識レベルもかなり低く返事もできない。目の視点もあわず これ以上良くなることはないと言われました。
今でも苦しそうにしているのを見ているのは 辛い。
胃ろうは 良くなることが目的ではないから 生きていてほしい と もう苦しみから解放してあげたいという思いがあって、どう判断していいかわかりません。

Posted by 松尾陽子 at 2008-07-21 18:10:06

小林様、コメントありがとうございます。お父様の胃ろうの事、ご察しいたします。私の母も、胃ろうをして今年で5年目になります。私の場合、別の記事に書きましたが、母への胃ろうを、自分の知識のなさからあまり悩むことなく、母へ勧めてしまったという気持ちがあります。

Posted by 小林 まさみ at 2008-07-17 18:08:27

「入院中の高齢の父に胃ろうを作った。遠地にいて悩ませるのはかわいそうなので相談せずに兄弟で話しあって決めた」と言う。医療者ではないが、医療に関しては多分最も良い判断ができるだけの知識と経験、思いがあると自負していたのはひとりよがりだった事を思い知らされた。父の場合は延命処置に近い。近いつもりでも、宇宙の果てまでの距離より遠い国にひとりぼっちで住んでいる思いになった。相談されてしっかり一緒に悩んでみたかった。

Posted by 松尾 陽子 at 2008-03-24 17:23:20

植物状態の人を生かすために……。非常に重い言葉です。生かすための医療が発達した今、私たちはこの言葉の重みを感じ、真剣に考えなければならないと思います。今の私にできる事は、このブログで情報を発信することだと思っています。これからもよろしくお願いします。

Posted by 36歳で姑に倒れられて3年 at 2008-03-11 22:28:30

植物状態で死ぬの待つ人を」を生かすために生きてる人が死ぬ思いで治療費を働いています。

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