成年後見人とは
本人の意思を尊重し、かつ本人の心身の状態や生活状況に配慮しながら、必要な代理行為を行うとともに、財産を管理すること。
家庭裁判所のHPより
前回“ご存知ですか 成年後見人制度”では、成年後見人になるために必要な手続き(家族が後見人となる場合)を、私の場合を例に見てきました。
今回は、後見人となり選任された(後見人として裁判所から認められた)後の、実際の仕事についてです。
★『成年後見人の仕事と責任について』
後見人として選任されたら、後見人の仕事と責任について詳しくかかれた文書が家庭裁判所から送られてきます。
最初に
・成年後見人は、本人の身の上や財産に関する契約等の法律行為を本人に代わって行う大切な仕事であること。
・正当な理由があれば、家庭裁判所の許可を得て辞めることもできる
・後見人としてふさわしくなければ、辞めていただくこともある
などが書かれています。
また、『財産目録』や『事務報告書』『本人の収支予定表』も同封されています。
財産管理
審判がおりたら、1か月以内に本人(被後見人)の「財産目録」を裁判所に報告します。
日常のお金の出し入れは、出納帳に記録して領収書などは保管しておきます。
(財産管理が不適切な場合、後見人を解任されたり、民事・刑事上の責任を問われることもあります)
●私の場合
家庭裁判所から送られてきた『財産目録』や『事務報告書』『本人の収支予定表』を記入する事が、後見人としての最初の仕事でした。
このような文書を作成していると、家族といっても母という他人の権利を行使することの意味に気づかされます。後見人として、他人の権利や財産を預かることの意味を改めて感じ、心して取りかからないといけないという気持ちになります。
今後は、一年に一度このような報告書を作成しなければなりません。
裁判所から、次回の後見監督予定時期は○年△日である旨の文書が送られてきます。
本人の心身の状態や生活状況に配慮し行う代理行為
◆生活・療養看護
1、介護・施設入所・医療契約等についての代理権
2、生活のために必要な費用を、本人の財産から計画的に支出し、日常生活が困らないようにすること
●私の場合、日常においては、母の生活費の管理が主な仕事です。生活費の出納帳をつけ、領収書を保存しておきます。
その他
◆本人が行った法律行為の取消権
◆家庭裁判所の後見人の監督
家庭裁判所から調査・照会がある場合は、必ずそれに応じなければならない。
1 家庭裁判所は、後見の事務を監督する。随時後見の事務に関して、報告を求めたり、調査をしている。
2 本人の生活状況に大きな変動があった場合や大きな財産処分、遺産分割等がある場合は、事前に家庭裁判所に連絡すること
◆成年後見人への報酬について
成年後見人として報酬を受けたい場合は、家庭裁判所に報酬付与の申し立てをする必要があります。
家庭裁判所で報酬を付与する旨の審判があった場合のみ認められる。
●私の場合
家庭裁判所で面接の時、生活費として後見人が計上できる範囲について質問しました。
その時、甥っ子(母にとっては初孫)の結婚が間近に迫っていて、母からのお祝い金をどうしようかと迷っていたのです。答えは「常識に照らし合わせた金額ならば大丈夫」という事でした。
そして、何か疑問点があれば、その都度家庭裁判所に問い合わせてほしいという事でした。
成年後見人制度について、私の場合を例に見てきましたが、いかがでしたでしょうか?
成年後見人制度については、わかりにくいとか、司法書士などの専門家じゃないと申請が難しいなどという事をよく耳にしますが、実際にやってみると私でもなんとかできました。
「なんとか」と書いたのは、提出書類に使われている耳慣れない言葉と、その煩雑さでしょうか。申請書や登記印紙などが、どこででも手に入るものではないという事もあります。
けれども、家庭裁判所に問い合わせれば、親切・丁寧に説明してくれます。各地でNPO法人が後見人制度についての説明や相談を行っています。
家族や専門職による後見人の他、「市民後見人」も普及しつつあります。
次週は、市民後見や後見人制度をとりまく事情(問題点)について、考えてみたいと思います。
参考にしたHP
(社)成年後見センター・リーガルサポート
http://www.legal-support.or.jp/
裁判所
http://www.courts.go.jp/saiban/wadai/1703_1.html
法務省 民事局
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji17.html
シニアルネサンス財団
http://www.sla.or.jp/topics/dvd0707.html
高齢社会NGO連携協議会
http://www.janca.gr.jp/topics/071101.html
(松尾 陽子)