先週に引き続き、特定非営利活動法人 地域福祉応援団Pねっとの「認知症にやさしい街にしよう!」から、当日上映された映画「ユキエ」をご紹介します。
『ユキエ』(松井久子監督、1997年)
主人公のユキエの言動に、アルツハイマー病ではと思いながらも、受け入れられない夫。
夫は、事業が失敗した時の事にいつまでもこだわり、新しい仕事もなかなか決まりません。そんな夫に転機が訪れるのは、事業の失敗にまつわる訴えが却下された日でした。厳しい現実を突きつけられ、否応なく、現実を受け入れなければならない。そんな時、新しい仕事が決まります。しかし、その仕事は、少し前の彼ならば、断っていたかもしれない仕事です。
またこの頃から、妻のかかっているアルツハイマー病も受け入れることができるようになっていきます。
そして、妻との新しい関係(スローグッバイ)が始まるのです。
「スローグッバイ」は、ユキエが子どもへ言った言葉で、自分のアルツハイマー病)は、あなたたちとのスローグッバイ(ゆっくりとしたお別れの時間)なのだという意味です。
この「スローグッバイ」という言葉が、とても印象に残る映画です。
でも、私は「夫の転機」に注目したいと思います。
現状を受け入れた時に訪れた夫の転機。
その時私の心に浮かんだのは
『とらわれないこころ こだわらないこころ かたよらないこころ ひろく ひろく もっとひろく これが般若心経 空のこころなり』
という言葉です。
以上で、昨年からPねっとのアンケート隊として考えてきた「認知症にやさしい街にしよう」の報告は、終わりです。
最後に、「認知症にやさしい街」って何だろうと考えていた時、twitterで見つけた言葉を、紹介します。
「失敗しても大丈夫」が「尊厳」
「尊厳」を支えてくれるのが他者の「承認」
アルツハイマーは、発症してから生活障害を予防する事が大切。
生活障害の予防は、介護の仕方により大きく変わってきます。
そのためにも、周囲の「認知症でも大丈夫」と言う受け入れの心が、大切なのではないかと思います。
(松尾 陽子)