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ブックレビュー―『大往生』

2007-09-30 22:05:25

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このブログを始めるにあたって、二十年近く前に読んだ本を、再び手にとってみました。

再読して一番驚いた事は、日本における終末期医療が、ほとんど変化していないという事でした。
それどころか、医療不信が叫ばれ、医療現場において医師たちは「殺人罪」という言葉に脅えています。

また、多くの日本人は、「死」が他人事であるかのように考えています。
生ある者は、いつか死ぬのではなく、必ず死ぬのです。

自分の「終末期」そして「死」を考える入り口として、この本を読んでみませんか?
きっと、『「死」は後ろ向きに考えるものではない』という事を、あなたに教えてくれると思います。
この本は、1〜5章まであります。
1老い、2 病、3死には、介護、延命治療・終末期医療・尊厳死、そしてお葬式と、私が経験した事が凝縮されていました。

以下に、簡単に内容を紹介します。

介護について「お母さんにおむつを取り替えてもらったように、おむつを取り替えられるかって事だよ」と書かれている部分では、父と私の双方にあった抵抗感を思い出しました。

著者が病院で“スパゲティ”という言葉を耳にし、「スパゲティって何ですか?」と聞いたところ、「延命措置のことです」という答えが帰ってきたと書かれていました。
栄養、呼吸、排泄、心臓を管理する管……まさしく“命の綱”である管を、なぜそのような言葉で呼ぶのでしょうか?

また「客観的に見て死ぬことが避けられない時、医療はでしゃばってはいけない。主導権は患者さんや家族に移るべき」との言葉に、延命治療をどうするか決められず、主治医にお任せしますといった事、言ってしまってから、なんて無責任な発言だろう、と反省した事を思い出しました。

お葬式については、お香典や弔電などを断る事の大変さが書かれてあり、これまた納得の連続でした。

最後に『大往生』できるヒントは……

今死んでも大丈夫なように、死ぬことを語る

という事です。




岩波新書HP:http://www.iwanami.co.jp/

(松尾 陽子)

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