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穏やかな気持ちにしてくれる本    『こころの処方箋』 (河合隼雄)

2008-01-17 23:01:55

昨秋買った、ある単行本。まだ読んでいないのに、どこへ置いてしまったのやら、行方不明に。
その後しばらく本棚のあちこちを探していて、「いや、しばらくだね」という雰囲気で出てきたのが、探していたのとは別のこの本、16年前に買った『こころの処方箋』です。
著者はご存じの方も多い、臨床心理学者の河合隼雄さんです。昭和3年生まれですが、昨年亡くなりました。

久々に再会したこの本をもう一度読んでみました。
人生の大先輩がユーモアを交えながら、ゆったりとした語り口で人間関係やこころなどについて、考えさせられる話をしてくれているという感じです。
読み終えると、「たいていのことは、なんとかどうにかなるもんだよ」と言われたようで、穏やかな気持ちになりました。
16年前に出版された本ですが、いま読んでも古くない内容で、その後発行された文庫本はインターネットの書店で見ると、現在でもよく売れているようです。2007年の『新潮文庫の100冊』にもなっていました。


DSC01528.jpg
この本の内容は55項目に分かれており、1つの話は4ページなので読みやすいです。
あとがきで、著者は、「自分の書いたことは既に読者が腹の底では知っていることで、端的にいえば、“常識”が書いてある」と語っていますが、一部をご紹介します。

【やりたいことは、まずやってみる】
「やりたいことがあるが、もう遅い」という人も多い。・・・自分がやりたい、好き、と思うことは、やはりそれだけの意味があるもので、それをはじめたために若返ってくることさえある。自分の思いがけない能力が引き出されてくるのである。


【どっぷりつかったものがほんとうに離れられる】
本当に離れるためには、一度どっぷりつかることが必要である。このことは人間関係ばかりに限らない。趣味などにしても、一度どっぷりとつかると、それと適当な距離をとれるようになる。中途半端なことをすると、「心残り」がするのである。

【心配も苦しみも楽しみのうち】
心配や苦しみは少ないのにこしたことはない。しかし、心配や苦しみのない人がこの世に存在し、その人は幸福な人だときめてかかっているために、その人に比して自分は不幸だと思うことになる。そのような苦しみや心配のない人などまず居ないだろうし、もし居たとするならば、そのために周囲の人が困っていると考えて、まず間違いないだろう。


そのほかにも、
「羨ましかったら何かやってみる」
「自立は依存によって裏付けられている」
「灯を消す方がよく見えることがある」
「文句を言っているうちが華である」
などなどが語られていて、私は気づかされたり、励まされたり。

河合さん風に考えると、この本が16年ぶりに出てきたのも偶然ではな
く、そこには何か意味があったのかもしれないな、と思えてきます。
シンプルに、「ブログで紹介するといいよ」ということかもしれませんけれど・・・。

<参考>
この本の文庫本の写真
http://www.shinchosha.co.jp/book/125224/
  
                          (成相陽子)

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