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ホスピスの公開セミナーとボランティア養成講座

2008-03-20 23:37:02

“ホスピス”というものを私が知ったのは、いまから20数年前に、大阪の淀川キリスト教病院の医師、柏木哲夫さんの著書、『生と死を支える−ホスピス・ケアの実践』(朝日新聞社)を読んだことがきっかけです。

DSC01917.jpgその後ずっとホスピスにかかわってきた柏木さんは、2006年に出した『ホスピス・緩和ケア』(青海社)のなかで、地域社会に根を張る新しいホスピス・緩和ケアの試みが全国に広がっていると述べています。
そこには、かつて大きな反響を呼んだ、『病院で死ぬということ』を書いた山崎章郎さんが2005年にNPO法人を設立し、東京都小平市に「施設ホスピスでも在宅ホスピスでもない」いわばコミュニティホスピスとも言うべき「ケアタウン小平」をつくったこと、鳥取県鳥取市で徳永進さん(徳永さんは『のんびる』2007年7月号に寄稿)がホスピスケアなどを行なう有床診療所「野の花診療所」を始めたことなどが紹介されていました。
この本の最後は、次のように締めくくられています。
一般病棟で病気と闘いながら死にたい、ホスピスで最後までゆっくり過ごしたい、どうしても在宅で看取られたい、コミュニティケアを望みたい−−人生の総決算をする場はいろいろあっていいはずです。
ホスピス・緩和ケアが、それ以前の医療と違う点は、自分のいのちをどのような形で全うするかという選択を患者さん自身にお任せすることです。それを可能にする医療とケアを行なうことこそ「ホスピス」なのではないでしょうか。


人生の総決算の場はどこにしようか、と選択に迷えるぐらいに選択肢がふえていってほしいものです。
存在を知ってから20年以上たっても、素人の私から見ると、期待していたほどホスピスがふえたようには思えません。ホスピスをつくることがたやすくはないのは、理解できますが。
でも、ぐちを言って誰かが何かしてくれるのをただ待っているのではなく、地域社会に根を張るホスピス・緩和ケアがもっと広がっていくように、自分の住む地域でできることがあるならば、何かしてみたいとも思います。

みなさんのなかにも、自分の人生の全うのしかたやホスピスに関心をお持ちの方は、たくさんいらっしゃると思います。
そこできょうは、神奈川県足柄上郡のピースハウス病院ホスピスで4月から行なわれる、公開セミナーとボランティア養成講座についてお伝えします。
    DSC01911.jpg
            [ピースハウスホスピス]

1.【公開セミナー】
公開セミナーは、今年の12月まで毎月1回開かれる予定です。ここでは4月から3か月分の開催日などをお知らせします。

◆開催日 4月22日(火)、5月21日(水)、6月26日(木)
◆時間  14:00〜16:00
◆対象  ホスピス緩和ケアに関心のある方(入院を検討されている方は、別途相談窓口を利用してください)
◆定員  各日35名
◆参加費 ひとり 1,000円(資料代を含みます。当日払い)
◆申し込み方法  HPで申込書を出力し、郵送またはFAXで送ってください。折り返し、ハガキまたはFAXにて参加の可否を連絡します)
☆10人以上のグループで参加希望の場合は、人数制限がありますので、電話で相談してください。

    DSC01913.jpg
                 [病 室]

私も昨夏、公開セミナーに出かけました。参加者は、医療関係者、福祉系の専門学校の学生、主婦などさまざまで、遠方から来ている人たちも。
看護師さんによるお話、ボランティアの方に案内されてのホスピス内見学、ホスピスの日常風景などを撮ったビデオの上映、質疑応答がありました。
2006年4月から2007年3月の入院患者数は、約200名。男女はほぼ同じ割合。年齢は70歳代が多く、平均在院日数は27、2日とのことでした。
家族が看病に疲れ果てているとき、家族の休息のために期限を決めて患者さんが入院する「レスパイトケア」や、遺族へのケアプログラムもあるそうです。
ボランティアは現在約100名。花の水やり、ティータイムサービス、アートプログラム、美容・マッサージ、アニマルセラピー、アロマセラピー、音楽、買い物、洗濯の手伝いなどを行ない、ナイトボランティアとして泊まる人もいるとききました。

私のいたグループに館内を案内してくれたのは、ボランティア歴15年の鈴木さんです。鈴木さんの奥様はがんになり、よその病院で亡くなりました。そのとき病院のスタッフにとてもよくしてもらったので、恩返しのつもりでボランティアを始めたとのことでした。
「患者さんの病室に、ハウスキーパーやボランティアが複数で、そうじなどの作業にうかがうことがあります。そのとき患者さんがそのスタッフの誰かに、とくに話しかけてこられたり、話したそうにしていらしたら、ほかのスタッフは出て行って、残ったひとりが1時間でもお話を聴かせていただくんですよ」と、穏やかに話す鈴木さん。
15年という長い年月このホスピスに通い、患者さんのこころに寄り添ってきた鈴木さんのお話を、もっと聴かせていただける時間がほしかったと思いました。

セミナー会場で看護師さんが対応してくれた質疑応答の際には、終了時間ぎりぎりまで、参加者から真剣な質問がいくつも出されていました。

多くの人が最期を迎え、また迎えようとしている場を訪ねさせていただき、厳粛な気持ちになると同時に、自分はどのような形で人生を全うすればいいのか、以前から関心のあったホスピスにどうかかわっていったらいいのかを、改めて考える契機となった経験でした。


2.【ホスピスボランティア養成講座】
プログラム
1.4月25日(金)または4月26日(土)の午前か午後(選択)
    <受講前面接> 
     ボランティアコーディネーターが受講希望者と面接し、
     受講動機の確認、活動の可能性について話し合う
2.5月17日(土)  10:10〜16:00
    <オリエンテーション>
      ホスピス緩和ケアの考え方、ホスピスにおけるチームケアと
      ボランティア、ボランティア活動の実際ほか
3.5月19日(月)〜6月7日(土) 10:10〜16:00 (期間中、3日選択)
    <ボランティア活動の実際> 活動の体験
4.6月14日(土)10:10〜16:00 
    <ホスピスの利用、まとめとふりかえり、ボランティア活動の登録
     ほか>
              ↓   
        順次、ボランティア活動開始
5.7月14日(月)   10:15〜16:00
    <共に学ぼう看護の技術>
    1.車椅子の扱い
    2.ベッドの操作
    3.移動の援助など(ボランティアアドバンスト講座との合同演習)

ボランティアの受け入れ基準
1.上記の養成講座受講修了者(ただし、特技ボランティアは別途相談)
2.週1日 約束した曜日に10:00〜17:00まで活動できる方
3.活動は交通費を含めてすべて無償
☆受け入れ時には、直近の健康診断書のコピーを提出していただきます

申し込み方法 
HPの申込書に記入して申し込んでください。
折り返し、面談日程をお知らせします。

参加費 無料

締め切り 2008年4月18日(金)

   DSC01912.jpg

ピースハウス病院・ホスピス教育研究所
神奈川県足柄上郡中井町井ノ口1000-1
TEL:0465−81−8904
FAX:0465−81−5521

★ホスピスの敷地内は、撮影が許可されていません。
きょうの写真は、ホスピスで販売されていた写真を了承をいただいて掲載しています。

                        (成相陽子)

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