きょうは、昨年の「病院ボランティア養成講座」で心に残ったことをいくつかお伝えしようと思います。
<どうしてボランティア?>
第1回の講師は、かながわボランティアセンターの小野智明さん。グループワークをしながらボランティアについて学びました。
どうして人はボランティアをするんでしょうか、という小野さんの問いかけには、
・新しい出会いを求めて ・仲間をつくりたいから ・自分に役立てることをして生きがいにしたい ・まだ知らない世界を経験してみたい ・残された時間を後悔しないで生きたい ・必要なときに助けてもらえなかった経験があるから、人が自分のような思いをしないようにしたい
などの意見が出ました。
ボランティアは「技術よりまず、気持ちの部分が重要視される」、「ボランティアというゆるやかな活動のなかに身を置くと、人は自分をとりもどして、自分の本当の場所にもどっていきます」という小野さんの言葉に、ボランティアについて改めて考えされられました。
<講座に参加した動機>
昨年の参加者は20代〜60代ぐらい。この講座に参加した理由のいくつかは、次のようなものでした。
・子どもが入院したときに、病院に『もっとこうしてほしかった』と思ったので。
・自分が入院したときに、よくしてもらったから、自分も何かしたくなった。
・誰かの役に立ちたかったから。
・傾聴ボランティアに関心があり、病院でいつか活動したいと思っているので。
<県立がんセンターほかで活動する『ボランティア会ランパス』の椎野悳子さん>
椎野さんはこの日、治らない病気の患者さんの足をお湯で洗って、オリーブオイルでマッサージをしてきたといいます。「懸命に歩いてきた足を、せめて洗ってあげたいと思っています」。
ランパスでは、マッサージは一番要望が多いボランティアなのだそうです。「人のぬくもりを感じることができる、たださわってもらえるだけで心が休まる、それがマッサージなんですね」。
自身が子どものころ病気で悲しい思いをしたことや、ご主人を亡くされたことなども、あたたかい笑顔でゆったりと語りました。
「人間は有限。自分はどう生きるべきか考えるとき、患者さんは自分たちの先輩です」。
<『よこはまファミリーハウス』の松尾忠雄さん>
『よこはまファミリーハウス』は、入院する子どもと家族のために、病院の近くで滞在施設を提供する活動をしています。「単に寝泊りする施設ではなく、精神的ケアのできる施設が必要なんです」と静かに力をこめる松尾さん。
松尾さんは昔、10代のお子さんを病気で亡くしました。お子さんは東京の病院に入院し、松尾さんご夫婦は廊下のかたいベンチで寝泊りしていたといいます。わずか10数年の自分の子どもの人生って何だったんだろう、という思いがこの活動へとつながっていきました。
「多くの人たちの支援を受けて、来年(ことしのこと)には、夢だった新しい施設も開設します。私の子どもの人生はむだじゃなかった。いま私は、自分を世界一の幸せ者だと思っています」。
<『神奈川骨髄移植を考える会』の黒部光司さん>
この会では、骨髄バンクを支える活動をしています。
自分のきょうだいが骨髄移植で入院し、親も病院で付き添っているという小学生がいました。運動会まじかでしたが、両親に来てもらうことはむずかしい状況。でも、ひとりぼっちだったらさびしいだろうと運動会当日、黒部さんたちスタッフはお弁当をつくって学校へ出かけていきました。その子はとても喜んでくれ、みんなで一緒に楽しくお弁当を食べたそうです。よかったね。
きょうだいが病気で入院している場合、どうしても親はそちらに時間や気持ちを注ぐことが多く、入院していない子どももさびしい思いをするという話を別の場所でも聞いたことがあります。
お母さんやお父さんと一緒に食べるお弁当のひとときにはかなわないだろうけれど、身内でない人たちが自分の気持ちにしっかりかかわってくれたこの日を、きっと彼は大人になっても忘れないのではないでしょうか。
病気の人やその家族の近くにいて、さまざな形で恩着せがましくなく、ごく自然に支えたり、やさしい気持ちで見守っている・・・・・・、その実際の活動や、ひとりひとりの深い思いにふれることができ、しみじみ心あたたかくなった講座でした。
◇ボランティア会ランパス
参照
http://www.fukuhp.yokohama-cu.ac.jp/volunteer/guroup.html
◇よこはまファミリーハウス
http://www5f.biglobe.ne.jp/~yokohama-family/index.html
◇神奈川骨髄移植を考える会
http://www.bmtkana.com/h/index.html
かながわコミュニティカレッジでは、病院ボランティア養成講座以外にも7つの講座が開講予定です。
県の担当部署の方たちもとても親切なので、関心のある方は気軽に問い合わせてみてはいかがでしょう。
◇かながわコミュニティカレッジ
http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/02/0223/komikare.html
(成相陽子)