きょうは横浜にある、摂食障害をもつ女性のためのフリースペース、「ミモザ」をご紹介します。
ミモザは、日本で唯一の摂食障害の女性の地域作業所でもあるそうです。
運営しているのは、摂食障害者を支える特定非営利活動法人「のびの会」。のびの会は、旧国立療養所久里浜病院の集団療法に参加していた、摂食障害の患者・家族の自助グループによって10年前に発足しました。
◆摂食障害とは?
インターネットのフリー百科事典『ウィキペディア』によると、
「概要」
患者の極端な食事制限や、過度な量の食事の摂取などを伴い、それによって患者の健康に様々な問題が引き起こされる。主に拒食症と過食症の総称である。
人間関係の問題による心理的なストレスや不適応、コミュニケーションの不全などが原因とされている。依存症の一種である。
拒食症から過食症に移行する場合や、その逆のパターンも珍しくない。
「分類」
・神経性無食欲症:いわゆる拒食症。さらに制限型と、無茶喰い・排出型の2つに分類される。
・神経性大食症:いわゆる過食症。
・特定不能の摂食障害
(出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より)
◆ミモザはどんな居場所なのでしょう
ミモザの職員である、精神保健福祉士の竹内麻子さんにお話をうかがいました。
ミモザは、みんなでゆっくりおしゃべりしたり、協力してひとつの作業をするための場で、現在の1日の来所人数は平均すると11人ぐらい。年齢層は10代から50代です。常勤スタッフ2名、非常勤スタッフ2名、カウンセラー1名で来所者を支えています。
自分の現状にいきづまりを感じて、インターネットを見て自発的に連絡してくる人が多いといいます。
入所するためには、しばらく体験入所をしてもらうそうですが、「その後、入所を断わられる場合もあるんでしょうか」とたずねると、「入所してやっていけるかどうかは、そのうちにご自分でわかってくるものなんですね」と竹内さん。
摂食障害を持つ人たちは自己肯定感を持ちづらいため、こころが成長して社会にもどっていくには長い時間がかかることが多く、入所者のなかには6、7年かけてようやくアルバイトを始められるようになった人もあるそうです。
また、この障害を持つ方たちは、人に対して緊張しやすい場合が多いので、まず同じ障害を持つ仲間のいる居場所で、わかりあえる安心感を持ってもらうことを大切にしています。
そして一定期間を経ると、ミーティングへ参加します。黙って人の話に耳を傾けていてもいいし、途中での退席もOKですが、「ミーティングの原則」があります。
その1 傾聴の義務(他人が話しているときは、それをひたすら聞いて、共感、受容する)
その2 相手を攻撃、批判する内容は述べない
その3 秘密保持の義務(この中で話されたことは口外しない)
さまざまなプログラムについては、ホームページにくわしく載っています。
ミモザでの現在の作業は、パウンドケーキをつくって販売することです。会議などでの予約注文も受け付けています。1個100円。プレーン、アールグレイ、レモン、ココアの4種類があります。
私も買って帰りました。あっさりしたおいしさで、おやつにぴったりです。
◆摂食障害への自覚
「摂食障害は、本人には責任がないというような世間の考え方もあるけれど、ミモザでは、責任の多くは自分にもあるということをだんだん自覚してもらうようにしています。そういう厳しいスタンスをとれる人がここに通い続けることができているんですね。その姿勢がすごいと思います」と竹内さん。
「ミモザにいることで、同じ障害をもつ仲間といっても“他人”と過ごすわけですから、みなさん社会性を身につけていくんです。それを見ているとうれしくなります」とも。
◆これからの夢
ミモザの運営母体である、のびの会の今後の夢は、ショートステイできる場をつくること。
また、関西地方からの強い要望があり、支部的な場所をつくることも考えているそうです。
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社会へ出て仕事ができるようになるにも相当の時間がかかるときいて、摂食障害から回復する道のりの険しさを思い知りました。
だからこそ、同じ境遇の仲間とともに過ごせるこの場所は、大きな支えになっているのでしょう。

ミモザの室内はとても清潔で明るく、女性が快適に過ごせそうな環境です。いちばん広い部屋には冬にはこたつになる低い長テーブルがあり、入所者のみなさんが座っていました。
そこに流れる空気はゆったりしていて、いただいたほうじ茶のように、ほっこり安らげるものでした。
「メンバー主体の作業所であることを、何よりも大切にしたいです」という竹内さんの言葉が心に残っています。
私が帰るときに全員で出てきて見送ってくれたスタッフのみなさんの、人の気持ちを包み込むような笑顔。
ミモザにやってくるみなさんは、きっとこの笑顔にもほっとしているんだろうなあ、と思いました。
ミモザ
http://www17.ocn.ne.jp/~mimoza/indexn.html
代表 久間 久惠さん
連絡先 Tel&Fax 045-787-4329 (火〜土曜日の10:00〜17:00)
Eメール mimoza@cotton.ocn.ne.jp
*ミモザを利用できる方
基本的に横浜在住の方
女性の方
現在、医療機関につながっている方(こころの病気関連)
特定非営利活動法人「のびの会」
http://www17.ocn.ne.jp/~mimoza/nobinokai.htm
(成相陽子)