今回は、神奈川県横浜市金沢区のNPO法人「こころの電話 金沢」の活動をご紹介します。
理事長の渡辺芙美江さん、訪問事業責任者の久間(きゅうま)久恵さん、事務局長の高橋啓子さんにお話をうかがいました。
「こころの電話 金沢」は、金沢区内で活動していた2団体の合体と別の2団体の電話相談部門の合併によって、平成11年にボランティアグループ「こころの電話 金沢」として発足。平成16年にNPO法人になり、翌17年には、横浜市との協働事業として「こころの訪問相談」(=居宅訪問)を始めました。
ボランティアの人数は93名。金沢区在住の方を中心に、鶴見区、磯子区、鎌倉市から来る方もあるそうです。
電話相談に関しては、平成17年度の年間相談件数が3,154件(うち女性1,944件、男性1,210件)。相談内容で多いのは平成17年度、18年度とも、また男女ともに、1.人生、2.健康、3.対人、の順となっています。

【理事長の渡辺芙美江さん】
活動内容
現在、大きく分けて以下の3つの事業が行われています。
1.電話訪問
2.電話相談
3.居宅訪問
いただいた資料を引用しながら、それぞれの内容をご紹介します。
1.電話訪問
ふれあい電話訪問
いつまでも元気に過ごしていただきたいと願って電話訪問
しています。
「こころの電話 金沢」が毎週、安否確認をかねて高齢者の方
に電話をかけて会話する
対象者 (金沢区内)ひとり暮らしの高齢者、高齢2人世帯、
昼間ひとりになる高齢者
活動日と時間 水曜日 10:00〜16:30
年会費 1,200円
申込先 TEL・FAX 045−785−8747
申込受付 月〜土 10:00〜16:30
2.電話相談
気持ちをうけとめる電話相談
あなたの気持ちに寄りそってじっくりお話を聴きます。
話すことで少しでも心が安らぎ、あなた自身が解決の糸口を
見つけられるかもしれません。
活動日と時間 月〜土曜日(水曜日をのぞく)10:00〜16:30
TEL 045−785−8740
3.居宅訪問
顔と顔をあわせて心の居宅訪問
心の友として親しく話し相手をつとめます。
自宅を訪問し、話し相手になる。
訪問回数 原則月1回(月〜土の希望日)
訪問時間 10:00〜16:00
訪問は1回2時間以内
対象者(金沢区および近隣在住の方)ひとり暮らしの高齢者、
高齢2人世帯、昼間ひとりになる高齢者、障がい者と
そのご家族、子育て中のご家族
利用料 訪問1回500円
年会費 1,200円(申込時に申し受けます)
申込先 TEL・FAX 045−785−8747
申込受付 月〜土 10:00〜16:30
そのほか、高齢者との集い、バザー、講演会なども行っています。
また、今年からは財政基盤の1つとして、近隣地域に研修講師の派遣もしています。
【訪問事業責任者の久間(きゅうま)久恵さん】
電話相談、電話訪問、居宅訪問を行っているのはどんな人?
それは、「こころの電話 金沢」が行う『相談員養成講座』を受講し、その後相談員としての認定を受けた方々です。相談員に認定されたあとも、継続的に行われる研修に出席し、自己研鑽しています。相談員はボランティアです。
相談員に認定された方全員が、電話相談を担当しますが、電話訪問、居宅訪問については、相談員のなかの数人によって行われています。
電話相談の場合は、電話をかけてくる方だけでなく、相談員も匿名で電話を受けます。これは、電話をかけてくる方が、誰が電話を受けているかを知るとかけづらかったり、また、さまざまな方から電話を受ける相談員自身を守るためでもあります。相談員も匿名であることは、「横浜いのちの電話」などでも同じです(今回お話をうかがった方々は、団体の代表的な立場でいらっしゃるので、名前を出していいとの了解をいただいています)。
活動している相談員の方の感想
(守秘義務があるので、具体的な相談内容などに関わることについてはお話しいただけませんが、取材に対応していただいた3人の方に、ご自身や相談員の方々からの感想をうかがいました)
・電話をかけてきたときには沈んだ声だった方が、終わりには明るい声になるとうれしい。電話相談って孤独な活動で、相談を受けるほうが落ち込むこともありますけれど、やりがいを感じます。
・「体調が悪いけれど、病院には行きたくない」と言っていた方が、若いころに活躍されたお話などをじっくり聴いていたら、「やっぱり病院に行ってみようかな」と言われて、うれしくなりました。
・訪問するお宅の方が、「当日は朝からとても明るい気持ちになれるんです」「ほんとに楽しみに待っています。できるなら、もっと来てほしいわ」と言ってくださるのは励みですね。
・訪問の活動を通じて、地域のネットワークをはりめぐらすことができると思うんです。
・高齢の方が、私たちの訪問活動をきっかけに、今まで描きためてこられた絵を集めて個展を開かれることになり、そのお手伝いもさせていただきました。とても喜んでくださって、訪問させていただいてよかった、としみじみ思いました。
・すでに複数のお子さんをもつ女性が出産することになり、実家が遠かったこともあっていろいろ不安に思い、訪問を依頼されました。出産の場合は、日にちがはっきりしないわけですから、チームを組んで見守ってきました。無事に出産されたときは、ほんとにうれしかったですねえ。「支えられました」と喜んでいただきました。

【事務局長の高橋啓子さん】
「こころの電話」という団体名から、相談などの電話を「受ける」活動をしている、というイメージでしたが、実際には電話を「かける」、そして自宅を「訪問する」という活動もしっかり行われていることを、今回の取材で知りました。パワフルです。また、金沢区という地域近辺に住む人たちが、同じ地域の方のために電話訪問、居宅訪問をするというのも、訪問を受ける側としては親近感があったり、心強いのではないでしょうか。活動している人も、地域に自分の居場所があり、自分のすることが役に立ち喜ばれている、地域に一緒に活動できる仲間がいる、と実感できそうです。
今回3人の方にお話をうかがったのですが、どなたも、まず私の話をじっと静かに聴いてくださって、私が話し終えたあと、少し間をおいてからゆったりとした雰囲気で話し出されるのです。あなたの話をしっかり聴いてますよ、あなたにこころを寄せていますよ、というような温かさを感じて、思わず自分の悩みを聴いてもらいたくなってしまいました!
【バザーの準備で大忙しの支援事業部のみなさん。衣類を整理
してたたんだり、荷物を箱につめて運んだり。パチパチ写真を
撮っている、おじゃまな私を気にしている方などひとりもいない、
真剣さがすてきです。】
「こころの電話 金沢」の活動を応援したい!と思われた方は、賛助会員という形で支えることもできます。団体会員1口5,000円、個人会員1口1,000円です。
『相談員養成講座』は毎年ではなく、一年おきに行われるそうですが、
ちょうど来年の2月から、この養成講座が始まります。
今月中に内容をお知らせしますので、少しお待ちください。
その前に、次回は「こころの電話 金沢」で12月に行われる『傾聴技能スキルアップ講座』についてご案内いたします。
こころの電話 金沢
http://www.smallcall.info/xoops/
TEL 045−785−8740
(成相陽子)