美肌ブームですが・・・。ホントに美肌になれるのかな。
化粧品、2兆円市場だそうです。家のポストや新聞にはエステや美容マッサージの広告が毎日のように入ってくるし、書店に行って女性誌を覗くと、“カリスマ美肌師”の登場する美肌特集のオンパレード。化粧品の口コミ・サイトには500万件の書き込みがあるとか。
化粧品はずっと「安価でシンプル」がモットーでした。化粧時間もスキンケアも、5分間でフィニッシュのレコードを長年保ってた。なのに、50歳の大台を過ぎて、肌の老化をシミジミと感じる年齢になると、「お肌潤う化粧品」とか、「ほうれい線が目立たなくなるマッサージ」なんて言葉に弱くなってきて、「美肌」と聞くと、ついつい視線がそっちへ行くようになりました。そして、モチモチ肌やアンチエイジングを謳う、ちょっとお高い化粧品(私にとっては)に手を出してみたり、せっせとマッサージを試したりしてみたり・・・・。
でも、ある日、ふと疑問がわいてきました。自分自身の肌のこと、どれだけ知っているのだろう。私のスキンケア、間違っていなかったかな。もう一度、基本に戻って再スタートすれば、まだまだ遅くはない、お金と時間をかけずに、健康でキレイな肌をめざす方法が見つかるはずだ・・・。
いつの間にか、お肌はシワ、シミ、たるみの集大成
きっかけは、「ワンランク上」の化粧品を試しているうちに、顔のTゾーンに赤ポッチがいくつも出てきたことでした。この赤ポッチ、治ってはまた場所を変えて出てきます。気になって鏡をじっくり眺めてみると、わっ!! いつの間にかお肌はシワ、シミ、たるみの集大成。
もちろん、加齢のせいもあるでしょう。更年期をへて、ホルモンの状態にも変化があったはず。それに加えて、ついつい宣伝文句に惑わされ、いくつか手を出した化粧品や洗顔剤のなかに、私の肌に合わない成分が入っていたようです。あるいは、マッサージくらいしなくっちゃ、と始めた「お手入れ法」に間違ったものがあったのでは?
そこで基本に戻って、自分の肌のこと、スキンケアのこと、考えてみました。若いころ、日焼けでつくったシミを、“シミ取り化粧品”で悪化させたとき、皮膚科の先生に「今、使っている化粧品を全部やめなさい」と言われ、手製らしきクリームをもらったことを思い出し、本とインターネットを頼りに、自分で化粧品もつくり始めました。
その過程で出会ったのが、スキンケアの専門家、
折出恭子さん。16年間のスキンケア業界勤務と、6年間薬局勤務の実績をもつ薬剤師さんです。そこで、折出さんにアドバイスをいただきながら、「健康でキレイな肌づくり」を考えてみることにしました。
まずは簡単に肌のおさらいです
皮膚は「表皮」「真皮」「脂肪層(皮下組織)」の3つの層に分かれています。
「表皮」は、一番外側にある0.2〜0.3mm程度の薄い層。水、雑菌、ほこりや有害光線、その他、異物の侵入を妨げる役割をします。
「真皮」 は、表皮のすぐ下に存在する線維組織と弾性組織でできた2mm程度の厚い層。主にタンパク質のコラーゲンから構成されていて、これが皮膚の弾力性に大きく関わっています。
「脂肪層」 は、3層のいちばん内側にある層で、体を外の気温から守り、保護する役割をします。厚みは体の部分によって違い、顔では数ミリですが、臀部や腹部では数センチの場合もあります。
このうち、スキンケアに直接関係があるのは、いちばん上の「表皮」です。
厚さ、ほんの0.1〜0.3mm程度の「表皮」は、新陳代謝(ターンオーバー)を繰り返し、新しい肌を常に生み出しているところ。ここは4層に分かれていて、表皮のいちばん下にある「基底層」では、細胞分裂が13日に1度起こり、1個の細胞が2個に細胞分裂しています。
1個はそこにそのまま残りますが、もう1個はその上の「有棘層」、「顆粒層」へと約14日かかって押し上げられ、いちばん上の「角質層」に約14日とどまって肌を守ってから、垢やフケとなってはがれていきます。そうやって、肌は約28日周期でターンオーバーを繰り返し、新しい肌を生み出しているのです。
バリア機能を保つのが、健康な肌づくりの基本です
「ヒトの皮膚は、細菌などの外敵から体を守り、体内の水分をキープし、体温を一定に保つという、大きな役割を持っています。表皮のいちばん上にある角質層は、酸素も通さないほど堅固なバリア機能をもち、外界からのさまざまな刺激(紫外線、微生物、化学物質、アレルゲン、冷気など)から肌を守っています。このバリア機能が崩れると、さまざまな肌のトラブルが起こってきます。角質層はラップ1枚ほどの薄い組織ですが、水分を調節する働きも持っています。ですから、なめらかで健康な肌づくりの基本は、角質層のバリア機能と、水分調節機能を守ることなんですね」(折出さん)
お肌の大敵は乾燥
「お肌の大敵は乾燥」と言われます。夏の冷房、そして冬の暖房と木枯らしが、肌を乾燥させることは、もう肌身しみてわかっていること。なぜ乾燥が肌の大敵なのかというと、乾燥は肌のバリア機能を低下させてしまうからです。その結果・・・・。
■外界の刺激を何倍も強く感じる「敏感肌」をつくる
■微生物や毒素の進入を容易にし、炎症や皮膚病を引き起こしやすくなる。
■肌のカサカサ、小じわ(ちりめんじわ)の原因をつくり、ファンデーションの乗りも悪くなる。
■紫外線の進入を容易にし、メラニンを活発化させるだけではなく、肌の弾力がなくなる。シミ、しわをつくり、たるんだ肌へと導いていく。
これから冬本番。暖房と外の冷気でお肌はますます乾燥してきます。大切なのは乾燥しやすい肌をつくらないこと。そのためには保湿を基本にしたスキンケアをすることです。
スキンケア、まずは洗顔から見なおしましょう
その日の汚れは、その日のうちに落とす。肌に好ましくない細菌やウイルス、酸化した皮脂や油脂、汚れを肌から取り除くことは、肌の健康の上からも、見映えの上からも必要なことですが、洗浄力の強い洗顔剤を使ったり、タオルでゴシゴシ顔をふいたりしていませんか? これでは皮脂を落としすぎるばかりか、バリアである角質層を引き剥がし、まずます肌の乾燥を引き起こしてしまいます。折出さんに洗顔の基本を聞きました。
【朝の洗顔】
朝の洗顔については、いろんな意見がありますが、肌のトラブルのある人はぬるま湯だけで、健康な肌であれば、刺激の少ない純
石けんを使って、やさしく丁寧に洗うのが、折出さんのオススメです。というのは、肌は夜寝ているあいだにつくられるので、その間に皮脂のほうも浮き出すから。この皮脂を残しておくと、日中に浴びる
紫外線で皮脂が酸化して、バリアの機能を低下させ、シミなどの原因をつくります。洗顔の最後は冷たい水で引き締めて。タオルで拭くときもゴシゴシやらずに、押さえるようにしてください。
【夜のメイク落とし洗顔】
メイクをしているときは、オイルと石けんのダブル洗顔をします。オイルは敏感肌にもやさしい
スクワランと
ホホバオイルの混合が折出さんのオススメですが、「お金をかけずに!」路線を追求中の私は、薬局で売っているオリーブオイル(100mlで400〜500円)を使っています。
【オイルでクレンジング&洗顔】
○クレンジング
・オイルをたっぷり掌にとって、指3本使い指先ですくって顔にのせます。
・指先に力を入れずに、できるだけ刺激を与えないようにクルクルと、ていねいになでます。
・その後、軽くティッシュでふき取るか、そのままでも構いません。
・手だけはティッシュでふき取ってください。
○洗顔
・泡立てネット(※)を利用して泡を手に取り、さらに手の平でこすると、ホイップクリームのような細かい泡ができます。良質の泡をつくるのがポイントです。
・お顔は予備洗いの必要はありません。洗っても、オイルがたっぷりついているので水を弾いてしまいます。
・泡を顔に乗せ、少し浮かせるようにして、ていねいに洗顔します。オイルと泡が混ざり合うと、さらに気持ちよいクリーム状になります。
・ぬるま湯ですすぎ、20回以上、ていねいに流します。
・まだ、オイル感が気になるようでしたら、もう一度泡洗顔します。
・最後は冷水で引き締める。
※ドラッグストアなどで、500円くらいで売っている泡立てネットは、超スグレモノ。泡は小さければ小さいほど汚れとの接点が多くなり、皮膚の溝まで行きわたって、汚れをきれいに落とします。
「オイルでクレンジング」と「クレンジングオイル」はどう違う?
実はしばらく前まで、水で洗い流せる「クレンジングオイル」と石けんのダブル洗顔をしていました。クレンジングオイルは、それ以前に使っていたクリームタイプよりも簡単にメイクが落ちるし、さっぱり洗い流せるので重宝していたのですが、市販の「クレンジングオイル」には、これまでのクリームタイプのクレンジングの何倍も「
合成界面活性剤」(水と油を混じり合わせる働きをする)が配合されていて、肌のバリア機能を弱めたり、たんぱく質を変質させる危険性があるということを知りました。
【オイルでクレンジングとクレンジングオイルについて】
市販されている「クレンジングオイル」には、オイルに界面活性剤が多量に使われ、水に触れると直ぐに乳化して、サッパリと洗い流せる仕組みになっています。メリットはさっぱり流せるということと、油性・水性の汚れ両方を落とすこと。デメリットは、界面活性剤はとくに肌へのなじみがいいので角層にやすやすと侵入し、角層に残留して、大切な皮脂までを取り去ることが考えられます。
いっぽう、「オイルでクレンジング」のメリットは、毛穴に詰まった皮脂をよく溶かし、肌に優しいということです。デメリットは使用感がベタつくということと、油性の汚れしか落とさないこと。ですから、水性の汚れを落とす石けん洗浄とのダブル洗顔が必要になります。これも面倒な点かもしれません。
クレンジングオイルは、「洗顔後もしっとり」の宣伝コピーどおり、洗い上がりの肌にピッタリと界面活性剤がつくことによって、しばらくの間、保湿性を発揮してくれます。でも、それが肌に残ることによって、次の洗顔時に、角質層が剥がれやすくなります。このため、肌が次第につっぱるようになったり、肌が過敏になることがあるのです。
ふむふむ、私の赤ポッチの一因は、そこにあったのかも。そこで、クレンジングオイルをすっぱりやめて、オリーブオイル(それも薬局の安価なもの)に変えてみました。
オイルは確かにクレンジングオイルにくらべると、ベタベタします。でも、石けんで泡のクッションをつくって洗えばさっぱりしますし、これを始めてから、肌の赤ポッチが少なくなったことも確か。私の肌はいわゆる「敏感肌」なので、やはり、オイルでクレンジングのほうが正解だったようです。
折出さんからのワンポイント・アドバイス
お手入れしているのに!気をつけているのに!
それでも乾燥肌でお悩みの方は、1週間「オイルでクレンジング」を試してみませんか?
もともとクレンジングは油性の汚れをオイルで溶かすという「油性のクリーム」が主流でしたが、近年、界面活性剤で落とすのが増えています。化粧品の精製度や品質が進歩しているにもかかわらず、お肌のトラブルが増えているのは、界面活性剤が多量に使われているクレンジングオイルが大きな一因だと思います。
いかがでしたか? 次回はスキンケアの2回目として、基礎化粧品を考えてみることにします。
(中澤まゆみ)