今年の風邪とインフルエンザの季節は、そろそろおしまいのようです。でも、タミフルの効かないタイプのインフルエンザも見つかって、来年はどうなるのだろう、と気になっていたところ、ちょっとショックな報告を読みました。
風邪やインフルエンザの予防として奨励されるうがい。でも、「ヨード液を薄めてうがいをしても、風邪の予防にはならない」と、京都大学保健管理センター所長の川村孝さんらが発表しました。実は私はヨード液うがい派。外出から戻ると、毎回、せっせとヨード液でうがいをしていたのに・・・・・。
この調査では、2002年から03年の冬、全国18地域のボランティア387人を、「水うがい群」「ヨードうがい群」「うがい介入なし群」の3群に分け、2ヶ月間にわたって、風邪の発症を追跡。発症の有無をスコア化しました。
その結果、うがい励行の介入をしなかった群と比較して、水うがい群で風邪の発症者が40%減少したのに対し、ヨードうがい群ではほとんど減少が見られなかったそうです。
■水うがいでは40%の減少。でも、ヨード液では変化なしの結果が
水道水では効果があるのに、なぜ、ヨード液では効果がなかったのか。その原因は「ヨード液が、粘膜を保護する常在菌叢(善玉菌)を破壊したためか、ヨード液で粘膜を構成する細胞が傷つき、水道水と比べて感染しやすくなったのでは?」と、川村氏さんは考察しています。
今回の研究は、被験者が調査の内容をあらかじめ知ってしまうため、完全に厳密な研究とまではいえないそうですが、川村さんも「被験者も私たちも、ヨードうがいがいちばん効くと思っていたのに、そうではない結果が出たということから、思い込みによるバイアス(偏見〉は少ないのではないか」と話しています。
■「うがい」の語源は「鵜飼」から
ところで、うがいは室町時代の文献に記述があるほど、日本では古くからの文化。語源は長良川の「
鵜飼」ですが、うがい日本固有の風習で、隣の韓国ですら行われていないそうです。私たち日本人はヨード液が効かないことにショックを受けますが、外国人は、水うがいに風邪の予防効果がある、ということのほうがショックなんだとか。私の友人の外国人たちの中にはせっせとうがいをしている人も多いのですが、日本に来てから影響を受けたのかもしれません。
「水うがいで40%風邪の発症が防げたという試験結果から、これからは風邪予防のためにうがいをしなさいと、日本の文化として自信を持ってアドバイスすることができる」と、川村さん。風邪の予防のうがいには善玉菌を殺すヨード液などの薬品よりも、水道水のほうがいいというこの報告は、ヨード液愛用者の私としてはショックだったけれど、見方を変えると、またひとつ「常識のウソ」を学んだ一件でした。第一、水ならほとんどタダですもんね。
そういえば、マスクも実に日本的なものですが、今年は「ぬれマスク」と銘打った新製品も登場しました。でも、やはり使い勝手や効果は、高い市販品よりも従来のガーゼ・マスクやガーゼをぬらして使ったほうがいいように思えます。「お金を使わず健康に」の方法、もっと考えたいものです。
(中澤まゆみ)
