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グータラ人間でもウォーキングができる本:『医者がすすめるウォーキング』

2008-04-26 17:09:51

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ウォーキングには最適の季節になりました。冬のあいだは「暖かくなってからね〜」と一日延ばしてきた人たちも、そろそろ体がムズムズしてきていませんか? でも、やっかいなのは、生来身についたグータラ癖。一念発起して1日2日やってみても、すぐに続かなくなってしまいます。

とはいえ、体は日増しに重くなる〜。そんなときに、私のようなグータラ人間にぴったりの本を見つけました。書いたのは人間ドックに勤めるお医者さん。生活習慣病対策に「運動しなさい」と指導してきた内科医です。けれども、そこでぶつかったのは、いくら「ウォーキングがいい」と力説しても、なかなか運動習慣は定着しないという「グータラの壁」でした。

「グータラの壁」はどうしたら崩せるか? 

そう考えたセンセイが思い当たったのは、それまでたいして歩く習慣がなかった人には、「1日1万歩なんて、目標が高すぎる」という、実に当たり前のこと。「習慣性のない人にとっては、歩くという行為は非日常。非日常の行為をいきなり実行するのは、人間にとっては抵抗の多いもの」だということです。

「1日1万歩」という高い目標を掲げるのではなく、ふだん歩いている歩数を少しだけ増やす、ということならどうだろう。そのアイディアにたどりついたセンセイは、人間ドックの受診者に「今より少しだけ多く歩いてみましょう」という指導をすることにしました。
けれども、「少し」といっても、ある程度目安は必要です。そこで「1日1000歩余分に歩く」という目標を設定してみました。1000歩というのは、大人がふつうに歩いて10分ほど。このくらいなら、どんな忙しい人でもひねり出せるだろう、という想定です。

それに加えてその「歩数」には、「日常生活のさまざまな行動の中にあるすべての歩行」を含めてもいいことにしました。家事をしているあいだの動きでも含めることができる。これでハードルはさらに低くなりました(シメシメ・・・・)。

つまり、何かするたびに、こまめに動いて室内での歩数を増やせばそれでいいのです。拭き掃除をする、洗濯物を干す、外出をする・・・・。そうした日常のあらゆる行動を一歩でも余計に「歩数」に結びつけていけば、歩く距離はどんどん長くなっていく。それがセンセイの考えた「日常生活の延長上にある楽しいウォーキング」でした。

ライフスタイル・ウォーキングのすすめ

さて、そのポイントは・・・・・、

■ 日常生活の中で、意識して活動的に体を動かし、歩く
■ 家事や仕事をしながら、室内でもより多く歩く
■ 移動するときは、機敏に動く
■ なるべくエスカレーターやエレベーターには乗らず、階段を使う
■ 近い距離なら、バスや電車に乗らず、せっせと歩く


これくらいなら、グータラ人間でもちょっとがんばれば簡単にできます。センセイはこれを「ライフスタイル・ウォーキング」と名付けました。スポーツクラブなどで脈拍を測りながら歩いたり、毎日1万歩を目標としてせっせと歩くのが、運動としての「エクササイズ・ウォーキング」なら、こうした日常的な行動を活動的にすることで、結果的に歩数を増やしていくのは「ライフスタイル・ウォーキング」だ、というわけです。センセイの指導を受けた受診者は、次々と「要医療」から基準値内に変わりました。

歩くことで何が改善されるのか

「歩くことがいい」ということは何となくわかっていても、では、具体的になぜいいのかと聞かれると頭が疑問だらけになってしまいます。簡単に言うと、ひとつ目はメタボのもとになる筋肉の「インスリン抵抗性」を改善する、ふたつ目は中性脂肪を減らし、善玉コルステロールを増やすこと。ふむふむ、体重が軽くなるより、もっと複雑なメカニズムがあるようです。

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「ライフスタイル・ウォーキング」について、もっとお知りになりたい方は、センセイの『医師がすすめるウォーキング』(泉嗣彦著 集英社新書 660円)を。生活習慣病改善のための記録の取り方といった切実なものから、歩くのが楽しくなるヒント集、歩き方の準備・方法・クールダウンなどのハウツウまでが、わかりやすく書かれています。

ああ、そうそう、センセイの紹介を忘れていました。現在は「ウォーキング医科学研究所」の所長で、(社)日本ウォーキング協会副会長。専門は人間ドックと行動分析学。平日は人間ドックでメタボリック・シンドロームと生活習慣病の診療を、休日はウォーキングの啓蒙活動に励んでいます。自らもウォーキング愛好家で、各地のウォーキングのイベントにも積極的に参加しているとか。著書には紹介した『医師がすすめるウォーキング』のほか、『歩いて治す生活習慣病』(旬報社)、『ウォーキングで病気が治った!』(実業之日本社)、『泉嗣彦先生の病気にならないウォーキング! 』(宝島社)など。

ひどい日は一歩も外に出ず、歩く歩数も200歩あるかないか、という私。朝晩これだけは欠かさないストレッチングで、廃用症候群にならない程度の運動はしているつもりですが、久々に太極拳の練習に行くと足腰の衰えに愕然としてしまいます。そこで、外出したときくらいは、階段をできるだけ使うようにしていました。そんなとき、ふと手に取ったのがこの本です。以来、「ライフスタイル・ウォーキング」を意識的に行うようにしていますが、何となく体が軽く感じるようになったのは、気のせいでしょうか。

歩くときのコツをひとつ。これは3年前、『私が人生の旅で学んだこと』という本をつくらせていただいたとき、当時93歳だった日野原重明先生から教えていただいたことです。3階くらいだったらエスカレーターは使わない、東京駅や新横浜駅から新幹線に乗るときは、100段ほどの階段を歩いて昇り、エスカレーターに乗っている人と競争する、という日野原先生は、こんなふうに言っていました。

「私はね、階段を昇るときは、吐いて、吐いて、吸う、あるいは、吐いて、吐いて、吐いて、吸う、というふうに、吐き出すことを練習して、肺活量を大きくしたんです。そうやって、歩いて筋肉を使いながら、上手に呼吸をするという、ささいなエクササイズを日常的に続けていることが、私の健康法のひとつなんですね」

数か月前、新しい本づくりのためにお会いしたとき、96歳の日野原先生はやはり階段を元気に昇っていました。やはりウォーキングというのは、「ライフスタイル」でやるものなんですね。ちなみに25年前、「生活習慣病」という言葉をつくったのは、日野原先生でした。

(中澤まゆみ)

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