同じ立場だからこそ、素直に話せる家族会
これまで、表に出ることの少なかった認知症の人たちをかかえる家族が、外に出て自分たちの悩みや気持ちを話し始めました。「同じ立場だから、安心して自分の気持ちを話せる」、「もっと早く、こういう集まりがあることを知っていたら」と、参加した家族たちは安堵の気持ちをもらします。
そのさきがけとなったのは、全国組織
「認知症の人と家族の会」の”家族のつどい”ですが、最近では区や市町村が家族交流会を開くことも多くなりました。今回は年末から年始にかけての、認知症家族会のスケジュールをお知らせしましょう。
認知症に関する情報や家族の知恵を知りたい人、介護のストレスに悩んでいる人、自分の気持ちを吐き出したい人は、一度、勇気を出して家族会に参加してみたらいかがですか。話すだけでも、気持ちが軽くなりますよ。
世田谷区の介護予防課が、2007年度から世田谷区全域でスタートした、「認知症・家族交流会」に参加してみました。
この日の参加者は25人。私は区報を通じてこの会を知ったのですが、参加者の大半も「世田谷でもやっていたんですね」と、今回初めてスケジュールが掲載された区報を見て、やってきた初参加者でした。
家族会には、3つのルールがあります。
1)ほかの人の発言の批判をしない。
2)話したくないときは、話さなくてもいい。
3)ここでの話は、ここだけでおしまい。
司会は区役所の職員で保健師でもある釘本さん。家族からの質問に答えるために、「あんしんすこやかセンター」の職員や、在宅介護の看護師さんなども参加しています。
まずは、自己紹介です。誰の介護をしているのか、参加の目的を「簡単に!」ということなのですが、話し始めると堰が切れたように、話が止まらなくなってしまう人もいます。自己紹介が一回りすると、次は「困っていること」がある人はそれを話します。徘徊と、もの盗られ幻想に悩む家族が多いのにびっくりしました。私が困っているのは、介護をしている友人が、新しい人と接したがらず、デイにも行きたがらない、ということですが、同じような悩みを抱えた家族も何人かいました。
以前、「認知症と家族の会」の“家族のつどい”に参加したときには、認知症と診断されたばかりの家族をかかえた人が何人かいましたが、今回は要介護度の高い人がほとんどなので、認知症の症状も、それをささえる家族の悩みも深刻です。「私、自分がキレてどうしようもないので、精神安定剤、飲んでいるんですよ」という話に、「私もなんですよ」と、いくつものうなずきが起こります。
“介護の先輩”からの知恵もどんどん飛び出します。母親のもの盗られ幻想に悩む女性には、「お母さんには、あなたがカギを持っているということを言わないほうがいいですよ。カギがあっても、自分で開けてどんどん入っていかずに、『お母さん、開けて』と言って開けてもらう。私の場合はそれをやったら、母のもの盗られ幻想が少しなくなりましたし、いちばん楽なのは、ものがなくなったとお母さんが騒いでも、『知らないよ、私、カギをもっていないもん』と言えるでしょ」という助言がありました。全員、爆笑です。
もっと早く、こういう会を知っていたら
最初は初対面同士が多いので、ちょっとみんな固くなっていましたが、自己紹介が終わるころには和気あいあい。次から次へと話が展開し、2時間があっという間に過ぎました。
「もっと早く、こういう会を知っていたら、あんなに一人で苦しまなくてもすんだんですね」
「私は今回3回目の参加ですが、ストレス発散の場になっています(笑)」
「気分が楽になりました。家に戻ったら、もうひとがんばりしようと思います」
「自分自身を解放しないと、自分も健康になれない、ということがよくわかりました」
「私より大変な人がいる。つらいのは私だけじゃないと知りました」
「なるほど、こういうふうに進むのかと、進行状態がわかるので、すごく参考になります」
参加者の感想です。でも、みんなの気持ちをいちばん言い当てていたのは、次の感想だったのではないでしょうか。
「どんなエライ先生の話を聞くよりも、実際に看護している人の話がいちばんですね」
世田谷区の「認知症家族交流会」12月から来年3月までのスケジュール
時間はいずれも1:30〜3:30の2時間、先着20名で要予約です。
12月20日 烏山区民センター 3階 第4会議室
1月17日 三軒茶屋 三茶しゃれなあど 5階 スワン
1月24日 烏山区民センター 3階 第4会議室
2月21日 下北沢 北沢タウンホール 第2集会室
3月13日 下北沢 北沢タウンホール 第2集会室
3月13日 三軒茶屋 三茶しゃれなーど 5階 スワン
〈申し込み〉
世田谷区役所 介護予防課 担当:釘本
03−5432−2954(直通)
きっと、みなさんのもよりの地域でも、こうした家族会が開かれていると思います。区報や市報などでも見つからない場合は、区役所や市役所の介護担当課に問い合わせてみたらいかがでしょう。
ほかにもある認知症家族会
全国組織で各地に支部をもっている「認知症の人と家族の会」に参加するのもいいかもしれません。ここでは認知症の当事者たちが集う「本人会」も開かれています。家族会や本人会に参加するには会員になる必要がありますが、必要なのは5000円の入会費だけ。会員対象の相談ができるほか、毎月送ってくるニュースレターには、認知症医療の最新情報や介護のヒント、催しなどの情報が掲載されています。
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認知症の人と家族の会
問い合わせ 075−811-8195
電話相談 0120−294−456(土日祝を除く毎日午前10:00から午後3:00。携帯、PHSは不可。
若年認知症の家族会もあります。
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若年認知症家族会・彩星(ほし)の会
電話相談 03−5919−4185(月水金)または080−5005−5298
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朱雀の会・若年認知症家族会
問い合わせ 0742−47−4432
電話相談 080-6208−3792
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若年認知症支援の会・愛都の会
問い合わせ 06−6972−6491
電話相談 090−3658−3596(午後6:00〜10時)
家族会ではありませんが、東京都社会福祉協議会では、認知症と障害者に関する悩みや心配について、専門家が答える電話相談を行います。
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あなたの生活応援テレフォン
12月14日(金)・15日(土) 10:00〜17:00
電話番号 0120−611−860
たとえば、こんな質問を受けつけます。
□自分や家族のもの忘れが気になる。
□ 介護サービスの使い方が、いまひとつわからない。
□ 近所の一人暮らしのお年よりの様子が、最近おかしい。
□ 意味がよくわからない契約書にサインしてしまった。
□ 成年後見人制度について知りたい。
など、あなたのわからないことを、何でも気軽にどうぞ、とのことです。
(中澤まゆみ)