新!特別連載/被災地は今
この町でこれからも
「波伝の森山学校」合同会社 代表社員 渡辺啓さん(宮城県本吉郡南三陸町)
被災した各地で今、人々が何を思い、どんな取り組みが進んでいるのか。
3月号特集「拾いきれなかった声を聞きにいきました(仮)」の
プレ連載企画の第2 回は南三陸町が舞台です。
渡辺啓さんは、長期ボランティアとして南三陸を訪れ、この町で暮らし始めます。
あれからもうすぐ8 年。
新居を建て、家族7 人で暮らしながら、
自伐型林業(※1)を通したまちづくりに没頭する毎日です。
(※1 )山林所有者が自ら木の伐採・搬出・製材・乾燥・出荷などを担う。
建築中の地元食堂「松野や」
「南三陸で暮らすようになって、自伐型林業に興味をもったんです。
放置林から切り出した木を〝材〟にすれば、森も荒れませんし、
海の恵みにもつながります」(渡辺さん)。
こうした想いから生まれたのが、互いに助け合う「結ゆい」の精神にもとづく
「南三陸木の家づくり互助会」(※2)です。
南三陸の木を用い、地元の人たちの手で板倉造り(※3)の家を建てます。
その第一号が、地元の食堂「松野や」でした。
「地元のいろいろな人、それこそ樵きこりと漁師がいっしょになって建てました。
元に戻る復興ではなく、新たな仕事づくり、場づくりになる希望を感じました。」
(※ 2)2013年9月設立。地元の材と人手(会員間の互助)に頼ることで、
伐採・製材・乾燥・建築などのコストを抑える利点もある。
(※ 3)板倉構法。杉の木の柱に溝を入れ、そこへ杉板を落とし込み、
外周りを杉の板で囲む日本古来の伝統工法。
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「南三陸サポーターズクラブ」で
山の恵み、海の幸を♪
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「南三陸サポーターズクラブ」(通称「SC南三陸」)では、
林業や漁場を体験できるグリーンツーリズム・ブルーツーリズムのほか、
地元ならではの料理教室、無料民泊といった企画を行っています。
現地に行かなくても応援できるオーナー制度
(かき、ほや、わかめ、放牧豚など)もあります。
問い合わせ先
波伝の森山学校合同会社
〒986-0781
宮城県本吉郡南三陸町戸倉字底土53-4
【Eメール】yamagakko2014@gmail.com
波伝の森山学校合同会社
地域資源(山・海・人)を地域内で循環させることを目ざし
渡辺さんが2014年に設立。
「ヤマガッコ」とは、授業をさぼって海や川で遊んだり、
山で秘密基地をつくったりすることを指す東北の方言です。
撮影/堂本ひまり
この記事は、2019年1月号でご紹介しています。
ぜひご覧ください。
◆『のんびる』2019年1月号 目次
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