母の看取りまで妹と手をとりあって(特集:高齢の親と生き抜く)

岩元修一さん 撮影/堂本ひまり

介護に関わる記事は、どちらかと言えば、女性の視点を通したものが多いかもしれません。
でも、家族を大切に思う気持ちに男女の違いはありません。

10 年以上、母親の遠距離介護を続ける男性にお話を伺いました

母の看取りまで妹と手をとりあって  岩元修一さん

親の介護が自分事になって 

「母のことは、妹に任せきりで」と遠慮がちに話し始めた岩元さん。
鹿児島県で生まれ、学
生時代に上京。
およそ
40年間、パルシステム東京で働いてきました。

「両親の暮らす実家から〝スープの冷めない〟
距離に、妹が暮らしていました。
私は、年に数
回帰省するくらいです。
ところが2009年、
妹が上京。
この年、父が
86歳で亡くなり、80の母がひとりになりました。
ここでようやく、
親のことが自分事になったんです。
今さらで遅
いのですが」
ひとり暮らしになった母親のもとに、
妹と交代で帰省を続けました。


岩元さんが取材のために用意してくれた資料。
母と妹への気づかいがうかがえる。

それから4年ほど経ったころ、
母親との会話のつじつまがあわないことに岩元さんは気付きます。
認知症でした。
「母は元気に暮らしているように見えましたが、
父が亡くなり、近くにいた妹も上京し、さびしかったはずです。
ケアマネージャーさんの助けを借りながら、
妹との遠距離介護が始まりました」

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