新型コロナウイルスは、NPOや市民活動にも大きな影響を与えました。
試行錯誤しながらも新しい取り組みを模索する姿を紹介する連載「コロナからの一歩」
を今回からスタートします。
認定NPO法人多言語社会リソースかながわ(通称:MICかながわ)では、
神奈川県に暮らす日本語を母語としない人たちを支えたいと、
病院への医療通訳派遣を行っていますが、昨年は新型コロナの影響で対面通訳が一時中止に。
初めての試みとして遠隔通訳の体制を取り入れました。
対面での医療通訳が一時中止に!
外国籍住民を支える現場の施行錯誤
MICかながわ/認定NPO法人多言語社会リソースかながわ(神奈川県横浜市)
医療通訳が次々キャンセルに
「ことばで支えるいのちとくらし」を理念に掲げるMICかながわでは、
神奈川県内にある70の協定病院から依頼を受けて、
ボランティア登録している医療通訳スタッフを派遣。
日本語を母語としない患者さんに付き添い、
診察や検査、手続きなどの通訳をしています。
対応言語は、英語、中国語、スペイン語、ベトナム語など十数言語にも及びます。
しかし、こうした医療通訳の現場も新型コロナの影響で
さまざまな対応に追われていました。
「何より大きな変化を感じたのは、
3月以降にコロナ感染の不安から病院へ行くことを控える患者さんがたくさん出て、
通訳キャンセルの電話が次から次へと入ってきたときでした」
と話すのは、事務局の内藤まゆみさん。
病院からの依頼を受けて医療通訳スタッフを派遣する
コーディネーター業務も担っています。
「2019年度は年間7000件以上の依頼があり、
医療通訳スタッフの手配ができないこともあったほどでしたが、
2020年度の依頼は約2500件。
医療通訳スタッフも高齢者のご家族と同居していたり、
ご自身に基礎疾患があったりという事情で活動を控えている方が
いるので、派遣できる人数も減っています」
病院などで外国人患者さんとのコミュニケーションに活用できるよう
MICかながわが作成した「指さしシート」。約100の基本表現を6言語に対訳しています。
さらに、昨年の4月13日から8月末までは感染拡大防止のため対面通訳を中止にせざるを得ませんでした。
代わりに別の建物内に「通訳室」を用意し、
電話やビデオ通話での遠隔通訳を行う試みが5月11日から始まりました。
「依頼を受けて医療通訳スタッフが通訳室に出向き、
病院にいる医師や患者さんとスマホやパソコンを使って遠隔通訳を行う仕組みです。
患者さんの個人情報保護があるので、
自宅ではなく必ず通訳室で行っています」と内藤さん。
しかし、実際に遠隔通訳を始めてみると、
「患者さんの表情が分からない」「声がよく聞こえない」「患部が見えない」など
対面通訳と勝手が異なることが多く、
医療通訳スタッフから「もどかしい」という声を何度も聞いたそうです。
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◆『のんびる』2021年5・6月号 目次
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MICかながわでは、医療通訳の派遣費用はすべてボランティアへの謝礼(原則3,000 円)に充てています。
高い専門性と知識をもち、地域の外国籍や日本語を母語としない住民に寄り添った医療通訳活動が、
今後も継続できるように応援をお願いいたします。
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