踏みつけられた小さな声を本から届けたい(特集:ジェンダーについて話そうより)

株式会社エトセトラブックス代表取締役の松尾亜紀子さん。
「国際女性デー」のシンボル、ミモザの花をしつらえた店内で 撮影/堂本ひまり 

京王井の頭線の新代田駅の近くに「フェミニズム専門」を謳った
ユニークな書店があります。その名も「エトセトラブックス」。
“ 女だから、男だから”ではなく“ 私だから”を大切にできる社会とは?
松尾亜紀子さんは、書店に先駆けて出版社を立ち上げ、
フェミニズムやジェンダーにまつわる本を数多く世に出してきました。


踏みつけられた小さな声を本から届けたい
松尾亜紀子さん(株式会社エトセトラブックス代表取締役)

人生を動かしたジェンダーの視点 

松尾さんが生まれ育ったのは、九州の長崎県。
幼い頃から、男尊女卑的な空気が当たり前のように満ちていたと振り返ります。

そしてジェンダーギャップの概念を知ったのは、大学生になってから。
「上野千鶴子さん、斎藤美奈子さん、北原みのりさんなどの本を通して
フェミニズムに触れたことで、男性中心的な価値観から脱却できました。
子どもの頃の環境も、父の本棚に並んでいた歴史小説も、
学生時代に夢中になったサブカルチャーも、
女性差別的な要素が含まれていたことに、
遅ればせながら気付いたんです」」


九州の大学を卒業後、上京。
河出書房新社に就職した松尾さんは、世界文学全集の編集チームに加わり、
そこで各国の女性作家による作品と出会い、心を揺さぶられたそうです。

「とりわけ東日本大震災以降は、社会的にも政治的にも閉塞感を感じました。
訴えるべきことを訴えていかないと、世の中は何も変わらないな、と。
それ以来、出す企画はフェミニズムやジェンダーのことばっかり。
上司には『またか!』って(笑)」

時代も動いていました。
女性が性被害や性差別に声を上げる「#MeToo運動」が・・・

・・・続きは 『のんびる』9・10月号をご購読ください。


店内に並ぶ新刊と古本のなかには、松尾さんが編集を手がけた本や雑誌も
撮影/堂本ひまり                         

この記事は、9・10月号特集でご紹介しています。
◆『のんびる』2021年9・10月号 
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