相手の孤独感を思いやる。気づきの場が社会を変える(特集:ジェンダーについて話そうより)

「くにたち男女平等参画ステーション パラソル」(東京都国立市)撮影/堂本ひまり

「くにたち男女平等参画ステーション パラソル」(東京都国立市)は、
女性と男性および多様な性の平等参画に取り組む施設です。
木山直子さんは、男女平等参画の活動に長く関わりながら、
4人の息子さんを育ててきました。
そのなかで何を感じ、問いつづけてきたのでしょうか。


相手の孤独感を思いやる。気づきの場が社会を変える
木山直子さん(「くにたち男女平等参画ステーションパラソル」ステーション長)

刷り込まれた「ジェンダー規範」

「くにたち男女平等参画ステーションパラソル」は、
JR中央線国立駅高架下の「国立駅前くにたち・こくぶんじ市民プラザ」にあります。
強い日差しから人を守るパラソルには、いろいろな色や形、素材があります。
「その下で話したり、休憩できる場を」が由来です。

パラソルでは「一人ひとりが性別にかかわらず自分らしく」を目指し、
女性のさまざまな相談にのるほか、性の多様性に関する講座など啓発活動に取り組んでいます。
「日々寄せられる相談から、刷り込まれた『ジェンダー規範』を痛感する」と木山さんはまず語ります。

「〝自分として〟ではなく、〝妻として〟〝母として〟の悩みを話す方が多いんです。
女らしさ、妻らしさ、母らしさの規範の根が深いから、そこからはみ出すと
『私は間違っている』と感じてしまう。
そうしたジェンダー規範がどこで刷りこまれたのか。
家庭か、メディアか、社会か……たぶんあり過ぎるんでしょうね」
 
学生時代から演劇を愛した木山さん。
脚本家への夢をあきらめ、結婚したのは25 歳のとき。
妊娠中毒症を患ったため、出産を機に仕事を辞め、専業主婦になります。


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