こが・としえ
1931年東京生まれ。ペンネームは古賀美帆。
日本女子大学文学部英文学科卒業後、東京都公立中学校勤務。
病気退職後は音訳ボランティア活動に取り組む。
2014年に朗読会「こがばあの部屋」開始。
著書に『小さい庭で』『戦争があった。そして今』など。
詩の同人「詩と散文の会」「正午」所属。
写真/堂本ひまり
私が出会い、読み、語り継ぎたい 絵本と詩、児童文学 古賀俊江
二十一世紀のいま、 世界中のそこここで子どもたちが戦禍に巻き込まれています。 「戦争を知らない子どもたち」ではなく、 「戦争しか知らない子どもたち」という痛ましい言葉も目に入ります。 恐怖に覆われた日々の朝夕、 その子どもたちはどんな気持ちで目覚め、眠りに入るのか。 この国でも太平洋戦争当時、 私たちは命を失う瀬戸際で生きていました。 私の家族は東京に父を残して、疎開先にいました。 そこでも空襲警報のサイレンが鳴り響くたびに、母は一歳の妹をおんぶし、 十四歳の私が他の妹たちの手を引いて焼夷弾投下から逃げ回る毎日でした。 いま考えるとその時期は、飢えで死ぬか、 空襲で死ぬかということしか考えられず、 将来の希望とか明るい未来など、脳裡に浮かびもしませんでした。 世界の、戦争しか知らない子どもたちもいま同じように、 未来を考えることとは無縁なのだと思うと辛くなります。 この国では、 体験を基に平和の大切さを伝えることのできる 政治家がすでにいなくなりました。 歴史の伝え方によっては向き合う未来が百八十度変わる、 そんな現実に直面しています。 ・・・続きは『のんびる』1・2月号特集をご購読ください。
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