土も、ひとも、十人十菜 (特集 はじめる、ちいさな自給 より)

写真/堂本ひまり
都心から電車で約1時間。埼玉県小川町は、手漉き和紙や地酒のほか、
有機農業の里(※1)としても知られています。 
近年は、農ある暮らしに憧れて移住する人も増えています。
夏まっ盛りの7月、丹精こめた小さな菜園にお邪魔しました。
土も、ひとも、 十人十菜
だいこんや農園「わたしの自給教室」(埼玉県比企郡小川町)
<夏の畑は草ぼうぼう >
 
町の中心部から車で15分、川の流れる下里地区に白濱富美子さんの菜園があります。
目じるしは、馬の守り神とされる大きな「馬頭観音」。
さっそく畑を見せていただくと、夏野菜を中心にいろいろと育っていました。
 
「かぼちゃ、なす、ミニトマト、とうもろこし、
小豆、ピーマン、きゅうり、ねぎ……。
有機で育てているので、虫や生き物もたくさんいて楽しいです。
さっき収穫したミニトマト、いかが?」  
 
皮は硬めですが、コクがあって美味しいミニトマト。
ごちそうさまでした♪
 
「自宅は都内です。昼夜働きどおしで、
偏った食事が原因で体調が悪くなり、
整えたいと思っていた矢先に新型コロナで仕事が減りました。
そこでわが身の暮らしを見直し、
近くの市民農園で夏野菜を育て始めたんです。
定年退職した畑の先輩が親切に教えてくれて、ハマってしまいました」
 
野菜づくりに目覚めた白濱さんは、
「小川町有機農業入門講座」を受講。
2023年に3人の仲間と畑を借り、この菜園ができました。
自宅から週に1回通っていますが、いずれは小川町に家を借り、
都内との二拠点生活をしたいそうです。
 
そんなおしゃべりをしていると、「おはよう!」の声が。
だいこんや農園の赤堀香弥さんです。
今日は、だいこんや農園が主催する「わたしの自給教室2024 7月編」。
「草ぼうぼうでしょ。きれいな畑でお迎えしたかった」と恐縮する白濱さんに、
「それがいい!」と赤堀さん。
「週1で通うと、こんな畑になることがリアルにわかるからね!」。
ふたりは2021年の秋、小川町駅前で開催されていた収穫祭
「おがわのぐるり市」で出会いました。
 
「香弥さんは、小さなお子さんといっしょに参加していて、
素敵な農家さんだな、と」
 
「富美子さんは、革ジャンを着て、
さっそうとしたかっこいいお姉さんでした。
それがだんだん土の匂いのする人に(笑)」
 
(※1)1970年代に故・金子美登氏が始めた霜里農場で、
有機農業を学んだ多くの農家が小川町と近隣の町で活躍。地域ぐるみで有機農業を実践し、
環境・里山保全につなげるスタイルは、国内外から高い評価を得ている。
赤堀香弥さん(左)、白濱富美子さん(右)
 
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