支援が届いていない人がきっといるはず~難民支援で培った視点で
(認定NPO法人 難民支援協会 鶴木さん)
難民支援協会の鶴木由美子さん(定住支援部コーディネーター)は、
熊本地震の被災地で避難所運営のサポートに携わりました。
「東日本大震災や、一昨年の広島の土砂災害の折も、現地で支援活動をしてきました。
私たちが行くと、『難民の人たちを助けにきたの?』と言われたりします。
難民の方がいればもちろん支援をしますが、
難民だけでなく忘れられがちな方、支援が届きにくい方への支援をテーマに活動しています。
難民支援の現場で培っ てきたスタッフたちの視点が、
緊急時にも活かせるのではないかということがベースにあります」(鶴木さん)。
難民支援の現場で培ってきた視点は、
まさに「誰も見捨てない」ことに、ぴたりと重なります。
お話をうかがいました。
避難所の様子。
「足腰の悪い方、リハビリを必要とされ ている方には、
入口近くやトイレに近い所にスペースを確保し ました。
そこに隣接して、介助される方のスペースを確保。
お子さんがいらっしゃる方のスペースは、
お子さんが走り回ると高齢者の方とぶつかって危ないの で、
入口のゾーンから離れた場所に広めにとりました。
精神疾患をもつ方がいる避難所では、
ご本人の安心安全とご家族の方の気疲れを考えて、別室をご用意しました。
ほかに、子どもが個別に遊べるように遊具や絵本をおいたスペースや、
妊婦さん用の部屋も設けました。
和式トイレしかなかったところには、
避難所開設のその日のうちに洋式用の便座を設置してもらいました。
・・・仮設トイレの ステップが高くて、
失敗されてしまったと泣きながら話された足腰の悪い方もいました。
人の尊厳にかかわることなので、本当に配慮しなければいけないと思っ ています」(鶴木さん)。
トイレには、性暴力やDVにあったときのHELPダイヤルを記したカードも。
写真提供/難民支援協会
◆『のんびる』2016年10月号 目次
◆ただいま注文受付中!こちらからお申込ください。