「ひきこもりをやめた日に撮った自分や部屋の写真は、ぼくにしか作れない作品だと思ったんです」現代美術家・渡辺篤さん(特集)

「ひきこもりをやめた日に撮った自分や部屋の写真は、
ぼくにしか作れない作品だと思ったんです」
渡辺篤さん(現代美術家)
プロジェクト「あなたの傷を教えて下さい。」作品」
≪プロジェクト「あなたの傷を教えて下さい。」≫
2016年~
コンクリートに金継ぎ、塗料
Courtesy of Koganecho Bazaar
Photo by Keisuke Inoue

「今はあまり当事者気分ではないんです」。
笑顔でそう語る渡辺篤さんは、東日本大震災の直前まで
深刻なひきこもり生活を送っていました。
長く患った鬱、婚約者からの裏切り、
大学院を出たばかりの美術家としての不安、
全力で取り組んでいたコミュニティからの排除、
様々な心理要因が重なって自暴自棄に。
約7ヶ月半は寝たきりでカーテンを閉めて一度も外に出ず、
尿はペットボトルに溜めていたそうです。
ひきこもり期間は、
「この世の中に戻ってくるための助走期間」も含めると、
足かけ3年に渡りました。

渡辺さんは、ひきこもりの経験をブログで開示することでつながった、
ひきこもり当事者や傷を抱えた人たちとの協働を通じ、
その存在をアートとして可視化。
ほんの数年前まではブラックボックスだった世界を
提示する場を創り出しています。


渡辺篤(現代美術家)
男性が1人こちらをむいている。現代美術家渡辺篤さん。
1978年横浜市生まれ。東京藝術大学在学中から自身の体験に基づく、
傷や囚われとの向き合いを根幹とし、かつ、社会批評性の強い作品を
絵画、インスタレーション、写真、パフォーマンスなどで発表。
2009年に同大学大学院美術研究科を修了後、
路上生活やひきこもり経験を経て、2013年に活動を再開。
以後、精力的に作品発表を続けている。

https://www.atsushi-watanabe.jp/
Photo by Keisuke Inoue

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プロジェクト「あなたの傷を教えて下さい」
≪プロジェクト「あなたの傷を教えてください。」≫
2016年~
コンクリートに金継ぎ、塗料
Photo by Keisuke Inoue


渡辺さんのインタビュー全文は、2018年7月号でご紹介しています。

◆『のんびる』2018年7月号 目次
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