【明日へのアクション 動くヒト】みんなが「才能」を発揮できる社会にしたい

嬉々!!の作品は、意図したわけでもなくカラフルなものばかり。
北澤さんいわく「明るい絵が多いのは、海が近くて開けた湘南の地域性かも?」
文/中村未絵 写真/堂本ひまり
 
きたざわ・ももこ
神奈川県出身。高校卒業後、働きながらデザインの夜間学校などで学ぶ。
2003年、障がいのある人がアート活動を行う福祉施設に転職し、
ヒット商品を生み出す。2022年、「嬉々!!CREATIVE」を設立。

 
新しいアクションを起こしている若い世代に注目する連載「動くヒト」。
今回は、障がいのある人のアート活動を行うアトリエを運営し、
誰もが才能を発揮して創造的にくらせる社会をめざす北澤桃子さんです。

【明日へのアクション 動くヒト】
みんなが「才能」を 発揮できる社会にしたい
ジョイン・クリエイティブ マネジメント株式会社
代表取締役 北澤桃子さん
 
<「これは宝の山だ!!」と思った >
 
JR平塚駅の商店街を歩くこと約7分。
錆びた看板がなんとも素敵な雰囲気のビルの1階に、
カラフルな絵画や雑貨がズラリ。
扉を開けると「いらっしゃいませ!」と明るい声が迎えてくれます。
店の奥では、夢中になって絵を描いている人の姿も。  
 
ここは、ジョイン・クリエイティブマネジメント株式会社が運営する
「嬉々!!CREATIVE」(キキ・クリエィティブ ※以下、嬉々!!)のギャラリー&カフェ。
嬉々!!は、神奈川県内の主に精神障がいや知的障がいのある人たちが通う、
生活介護、就労継続支援B型の事業所で、
2022年4月に代表の北澤桃子さんが仲間たちと立ち上げました。  
 
もともと同じ場所で活動をしていた福祉施設で施設長を長年務めていた北澤さん。
利用者であるメンバーたちが生み出すアート作品を生かしたポーチやバッグ、
雑貨などの商品プロデュースを手掛け、ヒット商品を生み出してきました。
 
「小さいときからアートが好きで、学校を出てからは都内で事務仕事をしつつ、
個人的にデザインの仕事も請け負っていました。
2003年に、デザインや人に関わる仕事に就きたいと地元近くで転職先を探すなかで、
たまたまアート活動を行う福祉施設に就職したんです。
初めて利用者であるメンバーの作品を見たときに、
『これは宝の山だ!!』って感じました(笑)」  
 
メンバーが生活介護事業所の仕事として制作した絵画などの作品を「売れる商品」にするのが、
北澤さんにまかせられた役割のひとつ。
ほかの施設では、外部のデザイナーが作品にデザインを加えて商品化する試みもありました。
しかし、北澤さんが検討した結果たどりついたのは
「作品に余計なデザインは加えない」という結論だったそう。
 
「とにかく作品自体が魅力的だったので、原画のままを生かしたかった。
広報や営業に力を入れて人の目に触れさえすれば、きっと買ってくれる人はいると思いました」
 
 そこで、北澤さんは原画を布にプリントしたバッグやポーチなどの“布もの”を制作。
そこから人気商品が多く誕生していきました。
 
 
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【はじめる情報!】

ギャラリー&カフェに遊びにきませんか?
障がいのある人が、それぞれの得意なことでお店作りに参加している、
「嬉々!!CREATIVE」のギャラリー&カフェ。月替わりで展示を行い、
アトリエ作家の商品も販売。
カフェではパンケーキのランチやドリンクなどが楽しめます。
詳細は団体HPを。
 
〒254-0042 神奈川県平塚市明石町14-8(JR平塚駅から徒歩7分) 
営業時間:10:30〜15:30
定休:月・土・日・祝(毎月第3土曜は営業)
 
 

 

 

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