幼少時から日本で暮らすメルバン・ドゥールスンさんが突然収容されたことに対して、入管施設の前で抗議を行うメルバンさんの母親
(写真提供/織田朝日)
「差別」と「人権」を考える第2回
壁の向こう|入管施設で何が起こっているか
国連から国際法違反と指摘されている日本の入国管理収容制度。
人の尊厳を奪う長期収容と非人道的な扱いにハンガーストライキを行う収容者が増え、
2019年には餓死者も出る事態に至っています。
支援活動を続ける織田朝日さんと弁護士の駒井知会さんに、
入管の現状と問題点について話を聞きました。
「収容所」にいるのは誰なのか
入国者収容所とは、法務省の出入国在留管理庁(入管)が管理する、
在留資格(ビザ)がない外国人を収容するための施設。
「ビザなしで滞在するのは犯罪なのでは?」と思う人もいるかもしれません。
しかし、なぜビザがないのか、そこにはさまざまな事情があります。
母国で戦争が起こったり、迫害を受けたりして逃げてきたというケース。
いわゆる「難民」ですが、保護を受けるためには、
法務省に申請をして認められる必要があります。
「しかし、日本の難民認定率は1%以下で、世界的に見て、あまりにも低い数字です」。
長年、難民支援に携わってきた弁護士の駒井知会さんはそう語ります。
駒井知会(こまい・ちえ)さんマイルストーン総合法律事務所弁護士。
長年難民申請者の支援にかかわる。
日本弁護士連合会 人権擁護委員会内入管法プロジェクトチーム所属、
関東弁護士連合会 外国人の人権救済委員会元委員長等。
収容所での生活は「刑務所のほうがマシ」
では、収容所での生活はどのようなものなのか。
「面会では、刑務所のほうがマシだという声もよく聞きます」と織田さんは話します。
「まず、食事がまずくてとても食べられないという人が多い。
作ってから時間が経っているのか、乾いていたりゴミが入っていたり、
腐っていたりしたという話も聞きました」
なぜ、法治国家であるはずの日本で、ここまで人権を無視した状況が横行しているのか。
・・・続きはのんびる 11・12月号 にて
織田朝日(おだ・あさひ)さん外国人支援団体「編む夢企画」主宰。
東京入国管理局を中心に面会活動、裁判、当事者アクションをサポート。
収容者友人有志一同SYIメンバー。
『となりの難民─日本が認めない99%の人たちのSOS』(旬報社)
この記事は、11・12月号特集でご紹介しています。
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