「住み慣れた場所でその人らしく」のお手伝い(特集:介護のしごとを支える より)

ヘルパーの松澤さくらさん(左)、サービス提供責任者の和久理江子さん(右)

撮影/濱田研吾

介護や介助が必要な人のお宅に訪問し、身体介護や日常生活の援助を行う訪問介護。
その仕事に、どんな苦労や喜びがあるのか。
ケアプラン作成とホームヘルプサービスを提供する
パルシステム神奈川の福祉事業所「ぬくもり川崎」を訪ね、
サービス提供責任者の和久理江子さんとヘルパーの松澤さくらさんにお話を聞きました。
 

 

「住み慣れた場所でその人らしく」のお手伝い
生活協同組合パルシステム神奈川「ぬくもり川崎」(神奈川県川崎市)

 

<訪問介護は一対一の関係> 

─訪問介護の仕事を始めて、どのくらいになりますか。

松澤: 20歳の時、専門学校で介護福祉士の資格を取り、特別養護老人ホームや有料老人ホームで働きました。
母がデイサービスで看護師をしていて、子どもの頃から近くで見ていたこともあり、ごく自然に福祉の世界に入りました。
この10年はずっと訪問介護の仕事に携わり、「ぬくもり川崎」で働き始めて1年半になります。

和久:私は大学で福祉を学んだあと、障害者施設などで働きました。
出産を機に仕事を辞め、いろいろなアルバイトを経験したあと、9年前に「ぬくもり川崎」に入りました。
訪問介護は、わりと時間の融通が利く仕事なので、子育てをしながら今も続けています。
私はサ責(サービス提供責任者)として、基本的に事務所におりますが、ヘルパーとして現場に出ることもあります。

松澤: 私は週4日勤務で、7~8人の方を担当しています。女性の方がやや多く、受け持ち人数は少ない方です。
小学5年の息子と1年の娘の子育てをしながら、平日の子どもが学校に行っている時間帯だけ働いています。

 

─施設職員と訪問介護、それぞれの仕事に違いがありますよね。

和久:特養ではたくさんの方と日々接していたので、一人ひとりに関わる時間が少なかったんです。
訪問介護は一対一ですから、利用者さんと話せる時間がゆっくり持てます。

松澤:私は他の事業所から転職組なので感じますが、事業所の人員体制や雰囲気も大きいです。
利用者さんにちゃんと向き合えていると思えるのは、「ぬくもり」の良さともいえます。
利用者さんのことも考えられるし、ヘルパーのことも大事にしてくれるので働きやすい。

和久:私はもともと週1~2日、1~2時間勤務の登録ヘルパーでした。
「子どもの授業参観があるのに休めない」といった課題も感じました。
ヘルパーが安心して働ける環境にすることも、サ責の大切な役割です。

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