まず知ってほしい だから 医療的ケア児とハッシン!(特集:防災・減災~学ぶ、備える、生きのびる~より)

鈴木妙佳子さんと優希さん
文/やまがなおこ 写真/堂本ひまり
病気や障害のため、日常的にたんの吸引や経管栄養
(鼻からのチューブや胃ろうを通じて栄養を摂る)、
酸素吸入などのケアを必要とする子どもたちのことを、医療的ケア児といいます。
なんらかの災害が発生したときを見据え、どんな備えをしているのでしょうか。
医療とともに生きる子ども20家族で活動するこどもハッシン!
呼吸器生活向上プロジェクトの代表、鈴木妙佳子さんにお話を伺いました。
まず知ってほしい だから 医療的ケア児とハッシン!
こどもハッシン!呼吸器生活向上プロジェクト(横浜市)

<「医療的ケア児って?」>

鈴木さんの息子の優希さんは、現在横浜市立東俣野特別支援学校高等部2年生。
生後間もなく、気管切開と胃ろうを作りました。
小学6年生のときには24時間呼吸器を使うようになりましたが、
ストレッチャー(キャスター付きベッド)で学校に通い、
放課後デイサービスも利用しています。
 
人工呼吸器というと、危機的状況下の生命維持装置というイメージがあるかもしれません。
でも、0〜18歳の医療的ケア児の調査(※1)では、
834人中33%が人工呼吸器使用と回答しています。
鈴木さんは、人工呼吸器で呼吸を補うことにはメリットが多いといいます。
「優希の場合は、呼吸器のおかげで体力が温存され、日常生活がとても楽になりました。
疲れにくくなり、起きていられる時間が長くなり、体重が増えて風邪をひきにくくなりました」
 
全国で約2万人と推計されている医療的ケア児の、
疾患や障害の種類や必要なケアは、一人ひとり違います。
寝たきり、発話も意思疎通も困難と思われがちですが、
歩く、手でボードを指し示すなど運動機能がある人もいます。
周囲の環境から刺激を受け、身体的情緒的知的に発達することはどの子も同じです。
 
(※1)厚生労働省「医療的ケア児者とその家族の生活実態調査」
三菱UFJリサーチ&コンサルティング、2020年3月
https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/000653544.pdf
ハッシン・プロジェクトは横浜市立東俣野特別支援学校のPTAの一委員会としてはじまり、
2021年から社会に向けて活動を広げています。
詳しくはFacebookをご覧ください。
https://www.facebook.com/HASSHIN.PROJECT
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