【明日へのアクション 動くヒト】日本初「りんごレザー」で 地域に貢献! 株式会社SORENA 代表取締役 伊藤優里さん

新しいアクションを起こしている人に注目する連載「動くヒト」。
今回は、「安心できる未来を子どもたちに」との思いから、
地域の特産物を生かした環境負荷の少ない「りんごレザー」を
日本で初めて開発した伊藤優里さんです。(文/中村末絵  写真/堂本ひまり)
株式会社SORENA 代表取締役 伊藤優里さん
フルーツ加工会社に勤務していたときに覚えた違和感から、
2021年4月に株式会社SORENAを設立。日本初のりんごレザーの開発に取り組み、
2023年から生産をスタート。

食品加工会社で感じた“モヤモヤ” 「なぜ輸入フルーツばかり使うんだろう……」  
長野県内の食品加工会社で働いていた伊藤優里さんは、そんなモヤモヤとした
気持ちをずっと抱えていました。
「せっかく長野で種類豊富なりんごやぶどうがとれるのに、
ジャムなどの原料に使っていたのは、ほとんどが外国産のフルーツ。
価格競争で選ぶからそうなってしまうんですよね。
でも、石油が高騰すれば輸送費が上がり、コロナ禍のロックダウンでは納期も遅れました。
そこまでして輸入に依存するの?と疑問を感じていたんです」。
さらに、輸送途中で傷んだフルーツや規格外のものが大量に廃棄される様子も
目のあたりにしてきたそうです。 「もうひとつ大きかったのは、
2019年の台風19号による長野県での農作物被害です」  
伊藤さんが毎日会社に向かう途中に通る堤防沿いに、ずっと広がるりんご畑。
その畑が台風で水没してしまい、果実が落ちてダメになってしまいました。
被災で廃業を決断するりんご農家さんも出るなか、何もできない自分が
やるせなかったと振り返ります。 「コロナや大型台風など、何が起きるかわからない
世の中になってきましたよね。だからこそ、価格競争や輸入依存ではなく、
地域で経済をまわせるようにすることが大事だと思いました。
私は小学生の子どもが2人いますが、安心できる未来を引き継ぐため、
自分なりに地域に貢献できる活動ができないかと思ったのが
『りんごレザー』開発のきっかけです」 国内初の素材開発に、試行錯誤。
「りんごレザー」とは、りんごをジュースやシードルに加工する際の搾りかすを有効活用し、
粉状にして樹脂とまぜ、レーヨンやナイロンなどの布の上にコーティングすることで
自然な風合いを出した合成皮革のこと。 「2021年3月に東京ビッグサイトで開催された
『国際サステナブルファッションEXPO春』に行ったときに、パイナップルレザーや
バナナペーパーなど廃棄予定だったフルーツから作られた素材と出合いました。
海外製のりんごレザーもあって、これなら長野でもできるんじゃないか、
と考えたのです」 少し前に会社を退職していた伊藤さんはすぐに行動を起こし、
なんと展示会に行った翌月には株式会社SORENAを設立。
日本ではまだ誰も作ったことがなかった、国産りんごレザーの開発にひとりで取り掛かります。

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