さぁさぁご用とお急ぎのない方は、ゆっくり読んで、見ておいで!大道芸人・麻布十兵衛さん(特集「一芸笑福」より)

デイケアで大道芸中の麻布十兵衛さん

さぁさぁご用とお急ぎのない方は、ゆっくり読んで、見ておいで!
大道芸人・大道芸研究会6代目会長 麻布十兵衛さん

デイで大道芸中!麻布十兵衛さん
皿回し、傘回し、江戸独楽芸、がまの油売り、外郎売の口上・・・。

生まれも育ちも麻布十番!大道芸人の麻布十兵衛さん。
大手通信会社の熱血サラリーマンだったのが、
「定年後は仕事一途ではない生き方を」と考えたとき、
ふと思い出したのが30代の頃にみたガマの油売り。
定年後は大道芸人を志し、生まれ育った麻布十番にちなんで「麻布十兵衛」と名乗りました。
そこには、地元に恩返ししたいという気持ちが込められています。
十兵衛さんは今日も、自分の身ひとつで町を行き来し、

今日もたくさんの人たちを喜ばせています。
“お客様”の喝采と喜ぶ顔を支えにして

 

麻布十兵衛さん皿まわし中
本日の会場は、デイケア施設の1階にある大きな食堂。
施設を利用するお年寄りや若い職員さんなど、
30名ほどがお客さんです。
CDのお囃子が流れるなか、衣装に着替えた十兵衛さんが登場すると、万来の拍手!
「さぁさぁご用とお急ぎのない方は、ゆっくり聞いて、見ておいで。
見るもタダなら、聞くもタダ。大道芸人、麻布十兵衛、またこちらにお邪魔させていただきます。
お母さん、私のこと覚えてる?(「覚えてるよっ」)ありがとうね!
今日は豪華4本立てダヨ。まずは皿まわしから!」

「今日のように反応がよければ、こっちもノッてきて、
もっとすごい芸を見せようという気になります。
お客様の嬉しそうな顔と拍手だけで十分なので、感想はききません。
さっさと帰り支度をします。
帰り際に『また来てね!』『いつも笑わないあの人が笑っていたよ』
『子どもの頃のお祭りを思い出した』などと声をかけてくれる方も多いですよ」

麻布十兵衛さん大道芸終了!
「五十、六十、はなたれ小僧。七十、八十、働きざかり。九十、百で極楽往生。
百で坊さん迎えに来たら、『耳が遠くて、小便近い』と追い返せ。
これで別れはつらいけど、また会う日を楽しみに、マメで達者で、さよううなら。
どうもご声援ありがとうございました」

大道芸研究会6代目会長として、後進の育成にもあたり、
1年半かけて新たに傘回しを会得するなど、芸への精進は続きます。
「さらに芸を深め、2020年の東京オリンピックでもお見せして、
それから〝喜寿リサイタル〟を開きます。その時お会いしましょう!」

撮影/堂本ひまり

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