入院中の子どもたちに「子ども時間」を届けます。
あ、ママが笑ってる♪
ボクも笑っちゃお♪
クリニクラウン(臨床道化師) 大沢洋平さん
赤い鼻をつけ、入院中の子どもたちの笑顔を届ける、クリニクラウン(臨床道化師)。
大沢洋平さんは、プロのパフォーマーとして活動する傍ら、クリニクラウン「大ちゃん」として
長年、入院中の子どもたちとあたたかな時間を過ごしてきました。
「(協会)認定のクリニクラウンになって10年たちますが、
クリニクラウンの訪問を心待ちにしてくれている子どもたちや家族の存在があるからこそ、
走り続けてこれたんだと思います」。
病棟全体を和ませるミニ行進。写真右が「大ちゃん」。
まず病棟へ訪問すると、病棟全体の雰囲気を和ませるために、
クリニクラウンがハーモニカを吹きながら廊下を行進したりすることがあります。
リハビリを嫌がる男の子が羨ましそうに見ていたので、
「一緒に歩こうよ!」「うん!」「歩けたじゃん!!」ということもありました。
クリニクラウンは、子どもたちの状況をみて、遊びや関わりを変えていきます。
治療が優先される病院の中では子どもたちは、
常に受け身(患者)ですから、
子ども同士で遊んだり、誰かとじゃれ合ったりするような時間が少なく、
子どもが子どもらしく過ごすことが難しいのです。
だからこそ、クリニクラウンは、子どもらしく過ごせる「子ども時間」を届けています。
クリニクラウンは、病棟では目立つ存在ですが、あくまでも〝黒子〟で、
主役は子どもたち。
病棟の雰囲気をパッと明るくして、笑顔で人をつないでいく。
子どもが笑うと、周りの大人の気持ちもほぐれますからね。
「病棟で笑っていいんですね!」と言ったベテランの看護師さんもいました。
子どもの笑顔はもちろんですが、
そういう一言も、クリニクラウンのやりがいですね。
体が動くかぎり、続けたいです。
そして、これまで経験したあれこれを、
若いクリニクラウンたちにも伝えていければうれしいです。
(大ちゃん)
写真提供/NPO法人クリニクラウン協会
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