「いつでもおいで」といえる居場所を 若年妊娠を支える(特集:コロナと女性より)

豊島区地域貢献型空き家利活用事業で借り、クラウドファウンディンクも利用して改装した施設「ぴさら」
写真提供/ピッコラーレ

2020年6月、愛知県西尾市の公園で新生児の遺体が見つかり、
20歳の女性が逮捕されました。
同年11月には、羽田空港のトイレで産んだ児を公園に遺棄したとして就職活動中の女性が逮捕。
相次ぐ痛ましい事件の背景に何があるのか、
「にんしんSOS東京」を運営する
特定非営利活動法人ピッコラーレ理事の松下清美さんにお話を伺いました。

 

「いつでもおいで」 といえる居場所を
若年妊娠を支える
NPO法人 ピッコラーレ(東京都豊島区) 理事・松下清美さん

 

虐待死が突きつけるもの

厚生労働省によれば、
2019年度に虐待によりいのちを落とした子どもは57人(心中を除く)。
うち28人は0歳児でした。
「最初は私たちも、虐待死、
とりわけ生まれたその日に亡くなる0日死亡をなくしたいと、活動を始めました。
0日死亡は自宅など医療機関ではないところでの出産がほとんどで、
妊婦健診未受診のことも多く、
妊娠したかもしれないという時期から相談できる場所が必要だと考えたのです」(松下さん)


ピッコラーレの相談窓口「にんしんSOS東京」は、
産む/産まない、育てる/育てないにかかわらず、
妊娠にまつわるすべての悩みに寄り添うことを掲げています。
ホームページの最初に「相談は無料、秘密は守ります」とあり、
年中無休で相談に対応しています。  
母子保健法にもとづく妊婦支援は妊娠を役所に届け出るところから始まります。
しかし、その入り口は誰にでも開かれたものとはいえません。
たとえば・・・。


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