食べ物も人も大切にする「ロスを生まない」社会へ!ー広がる「夜のパン屋さん」(特集:地域で取り組む 食品ロス削減 より)

写真/やまがなおこ

こだわりの材料で丁寧に作られた人気ベーカリーのパンを、
閉店間際にピックアップして販売する「夜のパン屋さん(夜パン)」が
神楽坂「かもめブックス」軒先で始まったのは2020年10月のこと。
その後、販売拠点が増え、22年11月からは月に一度、
日中に開くカフェイベントも始まりました。

 

食べ物も人も大切にする「ロスを生まない」社会へ!
ー広がる「夜のパン屋さん」
「夜のパン屋さん」プロジェクトリーダー 枝元なほみさん

<ロスされそうなパンを集め「夜のパン屋さん」> 

「当初、協力を求めてパン屋さんをまわったときはなかなか理解されず、
何度も心が折れそうになりました。

でもいざ始めたら、フードロス削減+ホームレス支援の事業がお客さまに喜ばれ、
たくさんのメディアに取り上げていただいて。
先日、札幌で夜パンが始まる記念イベントの際に挨拶にいったら、
『テレビで見ましたよ』『応援しています』
って多くのパン屋さんから声をかけてもらって、ほんとうにありがたかったです」  

料理研究家でNPO法人ビッグイシュー基金代表理事も務める枝元なほみさんは、
夜パン・プロジェクトリーダーとして準備段階から事務局とともに奔走してきました。  

きっかけは雑誌『BIG ISSUE』を発行してホームレス支援に取り組む
ビッグイシュー日本に、篤志家から「持続可能な仕事づくりに」という寄付が届いたこと。

雑誌販売以外の仕事づくりは以前から課題で、
コロナ禍により街の人通りも減って支援の選択肢を増やすことは急務でした。
北海道・十勝市のパン店満寿屋商店の、
支店で残ったパンを本店に集めて夜に販売する取り組みを知り、

パンの集荷やその販売を『BIG ISSUE』の販売者さんたちに
担当してもらうアイデアがまとまりました。

実現まで苦労の連続でしたが、各地の人気店のパンがひと所で買えるとして好評を博し、
飯田橋、田町でも定期的に出店するなど展開しています。


枝元なほみさん 
写真提供/枝元なほみ

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