わが子の成長で不要になった子ども服やおもちゃ、絵本、あるいはベビー用品などを持ち寄り、交換するイベント「おさがりひろば」。
育児体験を持つ7人のママたちが運営する小さな試みが今、大きく成長しています。
聞き手・構成/斎藤一九馬 写真提供/ハンド・ミー・ダウン


「不要」を「必要」と交換するママの知恵
「サイズアウトしてしまった服、もう興味を示さないおもちゃや絵本、まだまだ使えるベビー&キッズ用品など、もう要らないかなというモノは、どんな子育て世帯にもありますよね。それを今のお子さまに必要なものと無料で交換できるイベント、それが『おさがりひろば』です」と話すのは、主催者NPO法人ハンド・ミー・ダウンの代表理事の井上綾子さん。
簡単に言うと、言葉は悪いですが、「不要品を持ち込んで必要品と交換できる」というとてもお得なイベントです。たとえば5点の品を持ち込み、検品を受けてOKとなれば5点のポイントがもらえて、会場内の品物5点と交換できるという仕組みです。
6年ほど前、イベント会社で働いていた経験をもつ井上さんが呼びかけ人となって、高円寺・阿佐谷地域で始めた子ども服交換会が始まりです。2022年にはNPO法人格を取得、活動をより広げ、今では多くの育児中のママを集める人気イベントになりました。
「1日に200世帯、2日間でおよそ400世帯が来場されます。その半数ほどは育児休暇中のママです」
なるほど、会場は0歳児を背負ったママがほとんど。なかに、赤ちゃんをおんぶした男性の姿がチラホラといった感じです。
「メルカリなどが普及して中古品に抵抗感を感じる方が少なくなってきたことと、やはり物価高ですから、なるべく節約して子育てをしたいという方も増えているように思います」
見て回ったところ、「おさがり」とはいえ、ほぼ新品のような姿で、皆さんが大事に使われてきた品々ばかり。バラエティーにも富んで、これは人気が出るはずだと得心しました。


2日間で50人強のボランティア
「おさがりひろば」の運営を支えているのは7人の中核メンバーと50人強のボランティアのママたちです。ボランティアは、井上さんを含む7人のメンバーがそれぞれのママ友などに声を掛けて集めました。そのネットワークも広がり、今では2日間の開催でなんと50人以上のママがボランティアとして参加しています。
「メインスタッフは、今は育休をいったん卒業しているママたちで、専業主婦か、週何回かのパートをしている方たちです。それぞれ得意な分野を持っていて、イベント運営にいろんな彩りを添えていただいています。気配り上手で、接客対応がすばらしいとか、手芸が得意でワークショップをやれる人とか、とにかく多芸・多彩なメンバーが集まっていて心強いです」
ボランティアのメンバーの中には、育休を卒業したら仕事に復帰するという方もたくさんいるそうで、「ここでのボランティア活動は、社会復帰に向けた準備期間、助走の期間でもあるのです」と明かします。
なお、現在、ボランティアの申し込みは事前にネットで受け付けているそうです。
<<<続きは本誌5.6月号で




