〝福島のお母さん〟の声を拾いつづける棚澤明子さんの本をご紹介

〝福島のお母さん〟の声を拾いつづける棚澤明子さんの
2冊の本をご紹介

小本P19_19a
棚澤明子著
『福島のお母さん、聞かせて、その小さな声を』
彩流社(2016年3月刊、本体1,800円+税)

小本P19_19b
棚澤明子著
『福島のお母さん、いま、希望は見えますか?』
彩流社(2018年2月未刊、本体1,800円+税)

 『福島のお母さん、聞かせて、その小さな声を』というタイトルには、
小さな声こそ拾っていきたいという思いを込めたつもりです。
 世に出た〝小さな声〟には、たくさんの方が耳を傾けてくれました。
「読まなければ知らないことばかりだった、伝えてくれてありがとう」という
感謝の言葉もたくさんいただきました。
大きな反響があったのは「子どもたちのためにできることは何だろう?」という
問いかけが普遍的なものであり、福島のお母さんたちだけが背負う問題ではない、と
誰もが感じたからに違いありません。

 続編のタイトルは、『福島のお母さん、いま、希望は見えますか?』としました。
現実の厳しさが分かるだけに〝希望〟という言葉を使うのは勇気がいりました。
けれども、現実が厳しいからこそ、次世代のためにもなんとか希望を模索していきたい。
そんな思いを込めて、希望という言葉を生かしました。
 希望を見い出していくには、現実を出発点にしなければなりません。
現実から目を逸らした先に、本当の希望など見えるはずはないのです。
「この現実を、なかったことにしないでほしい」
 これは、すべてのお母さんが口にした言葉です。
このひとことを合い言葉に、私たちはまだまだ聞き続け、
語り続けなければいけないと思っています。(棚澤さん)

『のんびる』3月号特集「拾いきれなかった声を聞きにいきました」掲載

棚澤さんのエッセイ「〝福島のお母さん〟の声を拾いつづけて」より抜粋

たなざわ・あきこ
1973年神奈川県生まれ。映画配給会社、フランス料理スクール、フランス語翻訳
者を経てフリーライターに。食やスポーツなど、さまざまな分野への執筆のほか、「パ
ルシステムでんき」の媒体にも寄稿。著書に『福島のお母さん』二部作(彩流社)の
ほか、『子鉄&ママ鉄の電車ウオッチングガイド・東京版』『子鉄&ママ鉄の電車お
出かけガイド・関東版』(ともに枻出版社)がある。12歳、14歳の男の子の母親

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