【明日へのアクション 動くヒト】「植木の里親」で命と思いをつないでいく

「もらえる植物園」の前で山下力人さん(右)と スタッフの中村祐介さん(左)
文/中村未絵 写真/堂本ひまり
 
やました・りきと
高校卒業後、造園会社に就職。2008年に「やましたグリーン」設立。
「植木の里親」「もらえる植物園」といった植木リユース事業のほか、
さまざまな取り組みを行っている。
 
 
新しいアクションを起こしている若い世代に注目する連載「動くヒト」。
今回は、伐採を余儀なくされていた植木を引き取って、
新しい育て先へとつなぐ活動をしている造園会社の山下力人さんです。

【明日へのアクション 動くヒト】
「植木の里親」で命と思いをつないでいく
 株式会社やましたグリーン 代表取締役山下力人さん
<「思いがある植木を切りたくない」>
 
「実家の土地を売るのだけれど、父親が大切に育てていた木を切りたくない」
「亡き夫が息子の入学記念に植えたモミジ。移植するスペースが引っ越し先になくて……」
 
造園会社やましたグリーンの山下力人さんのもとには、売却や引っ越し、
入院などさまざまな理由で手放さざるを得ない植木についての相談が数多く寄せられます。
「ここ数年、『庭じまい』をする人も多くて、造園会社には植木の伐採依頼がけっこう多いんです。
でも、お話を聞くと『本当は伐採したくない』と思っている方は多い。
うちでは、そうした植木を引き取って預かり、
新しく育ててくれる先を探す『植木の里親』という取り組みを行っています」
 
きっかけは11年前、植木の伐採を依頼した女性が
「亡くなった夫が大切にしていた木なので本当は切りたくないけれど、仕方ないですよね」
と涙を流したことでした。
その姿を見て、「それなら私が引き取ります」と申し出た山下さん。
以来、伐採の依頼があると話をまず聞き、
希望があれば掘り取り作業と運搬費だけで植木を引き取ってきました。
 
しかし、「一本でも多く救いたい」と引き取っているうちに植物の数は増え、
やがて会社の敷地内に置ききれないほどに……。
「『これはマズイ』と思って始めたのが『植木の里親』制度でした。
それでも最初の数年間は、なかなか里親さんの数が引き取り数に比べて増えなくて、試行錯誤が続きましたね」
 
 
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【はじめる情報!】

「もらえる植物園」に来てみませんか?
 
東京都八王子市にある「もらえる植物園」では、
「植木の里親」で引き取った鉢植えや植木を自由にご覧いただけます。
気に入った植物は無料でお譲りします
(大きな植物は運搬や植栽にかかる費用をご負担ください)。
スタッフ不在の場合も多いので、引き取り希望の際は事前にご予約ください。
 
〒192-0154東京都八王子市下恩方町
1207-9(事務所) 
※「もらえる植物園」は事務所の斜め向かい
 
 

 

 

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